異邦人日記から/動坂昇
 
 この街では(あるいは「この街でも」と言うべきか)、在留中国人に対する差別がある。それは在留日本人に対する差別よりも深刻であるようにぼくには思われる。
 そして残念ながら、少なくともぼくの視野の中では、在留中国人に対する差別をもっとも恥じずに公然と再生産しているのは、在留日本人の一部だ。こうしたひとびとは、たいてい、街の社会のなかで小さな一定の地位を得かけている。この過程で、街の社会に溶け込むために、街の大部分で共有されている規範意識を、過剰なほど自分自身に植えつけてしまっている。そしてその規範意識のなかに、在留中国人に対する差別が含まれている。
 彼らの再生産の主要因は、ぼくとしては「呼びか
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