詩と感傷について/まーつん
感傷を嫌う人々がいる。
感傷を蔑む人々がいる。
僕も時に、そんな彼らの1人に加わる。
感傷とは重力のようなものだ(また、お得意? の比喩から始めて恐縮ではありますが)。そこから跳躍して、創造の高みへと意識を運ぶことが、詩作において-あるいはどんな創造的活動においても-大切なのだと、そう主張する人々がいる。
まあ、水は低きに流れる、というか、日常の中で仕舞い込んでいた感情を解放できる、という効用が、創作には確かにあるわけで。部屋に閉じ込めていた飼い犬を散歩に連れ出して、野に放つように、自由に走り回らせてやりたいわけで。
そうしてワンワンと吠えて無邪気に空想の原っぱを
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)