野良犬の日々/済谷川蛍
 
 なんばパークにて。
 ネットカフェの利用料金が安くなるのは二十三時からだったが、まだ十八時だった。行くあてがなく、コンビニをハシゴしてはお菓子を買って食べた。何もすることがなく、自分だけ時間が止まっているようだ。青い空を見上げ、ため息混じりの深呼吸。この街は哀れすぎて疲れる。あと五時間、仕事が入ってない日雇い派遣の僕は何も出来ることがない。
 濃紺の空、雑踏、雑音。街路樹を囲む円形のベンチに若干無理のある姿勢で横たわっている僕がいる。時間が氷のようにゆっくりと溶けていく。人々は僕を不思議な目でみる。過去も未来も現在も想像がつかない人間を見る。視界から消えるまでの間、人々は僕を見る。眺めはしな
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