driving alone/大覚アキラ
 
 年に一度か二度、真夜中に車に乗ってどこか遠くに行きたくなる。すれ違うヘッドライトもまばらな高速道路を、一人っきりで、ただ黙って車を走らせ続けたくなる時がある。
 目的地なんか必要ない。カーステから流れるBGMは絶対にいらない。美しい星空やキラキラした夜景も見えなくていい。ただ、淡々とエンジン音を聴きながら、真っ暗な道を走り続けるだけ。
 必要以上にスピードを出すのでもなく、かといって制限速度を遵守するわけでもない。ごく自然に、その瞬間に必要なだけアクセルを踏み、必要な速度を保ち続けるだけ。
 ハードボイルドを気取っているわけでもないし、決してセンチメンタルな気分なんかのせいでもない。それは
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