時間と光/木屋 亞万
時間というものは時と時の間に存在するもので時そのものではないけれど、時という存在自体がそもそも流れる性質を持つものであるから、時を感じようとするものには時は時間として感じられる他ない。どれだけ短く時を切り取っても、それは二点以上のつながりを持つ時間となる。けれど時が時間に先行して存在するわけではなく、時はまた時間の断面に過ぎない。時が存在するためには、切り取られる母体となる時間が必要だ。よく例えられるように時間は川のようなものであり、川は堰き止めたり切り取ったりしてしまえば川と呼べるものではなくなってしまう。
時間の他に間という言葉が添えられた名詞に人間というものがあるが、人間も時と同じよう
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