10/31/はるな
 

夏よりも冬のほうが好き。冬が終わるときはなんとなくさびしい気持ちになるけれど、夏が終わるときにはいつも少しうきうきしてしまう。
ただ好きというのと得意というのはやっぱり少しちがっていて、色々なもののバランスを崩してしまうのも寒くなりはじめるときと決まっている。

どうしたって冬には思い入れがありすぎる。始めたり終ったり、壊れたり、壊れきれなかったりしたものの、思い出の多くは肌寒くなって毛糸の肌触りをなつかしむ頃だもの。体温への意識がたかまるからというのもきっとある。
だから十月に入ってからは注意深く生活しなければならないというのはここ八年間で得たわたしなりの教訓なのだけど、どんなに注意
[次のページ]
戻る   Point(1)