詩なんてかきたくなかった/はるな
蒼白い頬が好き。と言ったら気味悪がってそのあと一度も連絡が取れなくなった子もいたしなんでか食事を抜き始めてばかみたいに痩せてみたりしたひともいた。いろんなひとがいた。でもみんなどこかへ行ってしまった。どこかわからない、どっかに行ってしまった。
肝心なところで空の色を忘れてしまう。
大切なコップを割ってしまう、くすんだ色の服ばかり選んでしまう。ばかだった。届かないと知っていた。何をしてもどうあっても届かないとしっていたからいっそ安心だった。どんかんで、ばかだった。
詩なんてかきたくなかった。歌が歌いたかった。ピアノを弾きたかった。徒競走で一番にゴールテープを切りたかった。ノートにじゃなくって好
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