短い季節たち/梅昆布茶
 
 クリスマス

この街にはいつものように雪のないクリスマスがやってくる。
光のクリスマスツリーが恋人たちの想いをたかぶらせる季節だ。
レストランの窓越しのほかの世界の絵のように映し出されるざわめきと温もりは
冷えびえとした僕のこころにもいくばくかの慰めをわけてくれる。

僕は彼女のノルマに協力してクリスマスケーキをふたつ買った。
もちろん彼女といっしょに食べれるわけもないのだが。
恋の場面でいつもとり残される男子をパセリ君と言うらしい。
ぼくはパセリ君という詩をかいた。そしてパセリにふさわしいクリスマスを過ごすべく
安い赤ワインを買って古井戸の「ちどり足」の

ひとりの祭
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