ABCマートからの帰り道/番田 
 

特にもう、何もしたくはなかった。景色だけが、私の味方なのかもしれないと思った。日が暮れていく。休みの日に満足できることは、ものを買うことだけ。無印良品やIKEAだとかを回りながら、色々なものを見て、結局家のネットで購入したりして、気づけば日が暮れていた。何をしたのだろうと思う。人ができることなど限られているのかもしれない。だけど、そんなことはどうだってかまわなかった。どうだってかまわないと、私はまた、口にした。

時は何もヒントを与えてはくれないだろう。経済に関する本を読んだ。はっきりとした解答を、本は何も与えてはくれない。雑誌の方が如実なリアリティに溢れていたりする。街は、それ以上に混沌
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