砂?Sand sing Song?/α
 
 
小さい、砕けた、断面を曝す、岩石の成れの果て。砂。
 幾千丈、折り重なり刔られた地を埋め、踏み付ければ微細な振動が靴裏に伝わる。
 ここは静かだ。
 重くくすんだ砂。掬いあげれば少量毀れゆるりと降る。握りしめれば轢断面の角が皮膚に刺さり薄皮に潜る。
 一塊の砂塵は落ち、立ち上れば漂う。
 再び砂を踏みつつ東へゆく。太陽が背後に輝き首筋を灼けば、黒く果ての解らぬ空は黙したままに自らにさえ興味が無いらしい。
 東の端の地平から、さあ、これは地球の出。礼賛しよう。
 
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