2011.7.23/榊 慧
 
カルトンの上に画用紙を引いて、続きの仕上がらないデッサンをしながら、前半、身体が、というより頭と手が動かせなく、ますます遅れていくのを実感しつつ、そして後半エスタロンモカでなんとか動けるようになってからも、自分への失望、ようは「生きていたくない」。

はじめは右手の甲に爪を立てていた。今も赤く残っている。爪を立ててえぐっていた。出血はしなかった。
こそりとステッドラーを削る用のナイフ(肥後ナイフ)をまた右手の甲に立ててみた。そして何回か引いてみた。出血したのでティッシュで拭いた。今、帰宅しすぐにシャワーを浴び風呂掃除をした俺の右手は「猫にひっかかれました」みたくなっている。
たいていの外出
[次のページ]
戻る   Point(4)