春とハムスターと恥/光井 新
本当の事を言うとね、僕は、君と離れ離れになる事を悲しんでなんかいないんだよ。だから僕の事は心配しないで、安心して、君ももう泣かないで、そして、笑ってお別れしようよ。
春になったら、僕はジャンガリアンハムスターを飼うんだ。ふわふわしていて、小さくて、温かくて、丸っこい、僕だけのハムちゃんを飼うんだ。嗚呼、今からもうワクワクするよ。君や、ママやパパや、地元の友達と、会えなくなるのは寂しいけれど、新しく出会う小さな相棒がこれからはいつも一緒に居てくれる。
実はね、京都じゃなくて東京の大學を受験したのも、ハムちゃんの為なんだ。どうにかして独り暮らしをしたかったから、それで東京の大學にしたんだ。小
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)