詩を読む/地獄のペチカ
「ヒカリサス」 月音氏
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油でべとついた、台所の床。何十年も使っている石油ストーブを目の前に置く。ストーブの上にはアルミホイルで包まれたサツマイモが置かれている。赤い芯から熱が放たれている。背中越し、勝手口から冷たい隙間風が吹いてくる。背中には寒さを、胸には暑さを抱いていた。
世界は真っ白な雪で隠され、家はさながら、小さな箱。光の中に包まれた独房のようだった。窓から見られる景色は真っ暗な白。そこ
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