データ化する心/番田
今日も山手線に乗られては、知らない人と肩を合わせて心を揺りうごかさている。窓の向こうは今日も暑くなりそうだった。鉄の線路の向こうには埼玉県のような、千葉県のような山々があって、薄い群青色の面をしていてとても美しかった。高速道路には滑らかにその上を滑っていくトラックや自動車の姿が見え隠れしていた。私の耳をアイポッドがしっかりと塞いで、色々なジャンルの音楽を流している。今では昔に比べて簡単に、好きな曲を聴けるようになったのでとてもうれしい事だと思う。しかし、そのようにしてヘッドフォンをつけて音楽を聴いていると、割と隣に誰も座らなくなり、なんとなく寂しい思いをしてしまうようになる。誰でもヘッドフォンをし
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