窓際?/はるな
遠くへの親和性、という言葉がある。それをわたしは、なにかの本のなかに発見した。
親和性。そのとき、むしろそのことばにわたしは親しみをかんじた。
絶望への親和性、遠くへの親和性、閉塞への、死のようなものへの、親和性。言いようのない近しさがある。それがなぜなのかをひとに聞くことはなかった。どうしてなのかはわからないけれどそれが無意味なことだと知っていた。近しさというものを、持っていないひとに理解してもらうのははじめからむだなことだから。なぜかわからないのに親しみを感じるのが、近しさということだと思ったから。
わたしは、詩や想像のなかでたびたび部屋を描いた。
部屋はちいさく、ま四角で、四方の
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