僕は妖精と会った/岡崎師
あれは数ヶ月前の事だ。
僕が毎日酒を飲んで、適当に仕事をして生活していた時に知り合った一人の女性の話をしよう。
その日僕は覚えたての酒をすすきののバーで一人飲んで いた。隣からはなにやら文化的な話が聞こえたが、僕にはどうでもよかった。
酒さえ飲めたら良かったのだ。別に仕事、生活に不満があったわけではないが、体 調が優れず、酒を飲まないとやっていけなかった。
僕はその日も二、三杯の酒を飲み干し、終電近くの地下鉄で帰ろうとした。
帰り道、僕はいつもは通らない道を通って地下鉄に向かおうとふと思い、狭い道を通り、帰っていた。
誰もいない、細い路地に君がいた。しゃがみ込んで、なにやらぼーっ
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