午後/榊 慧
 
「ふざけるなよ今が何時だと思ってんの」
「十四時」
「そうだよ十四時だよふざけるなよ」
そう言ってくじくんは土足で上がるなよと注意してから部屋の電気を点ける。
「薄暗いなあ。」
俺は何をしていたのかという疑問を含んだ独り言、
「これから一週間くらいの分のお菓子作りだよ」
「ああ、例のタッパーの」
くじくんにとってタッパーの中のクッキーやらビスケットやら、ブラウニー、そんなようなものは立派な食事らしかった。本を読みつつぽりぽり。パソコン叩きながらぽりぽり。公園のベンチでぼうっとしながらぽりぽり。
「あれ、小麦粉使った感じじゃないけど。キッチン。」
「メレンゲだし」
そう言いなが
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