知る風に聞く/番田
時にいっぱい体が欲しかった。あの国は眠気が襲ってくるのはなぜなんだろう。どこにあるのだろう。心のスイッチが欲しかったのかも知れないと今では思う。今は遠くに行ってしまったけれど、ニューヨークを働きたい会社へ向かう道はガムが落ちているしで、フランスもそうで、道路もスーパーや食堂が排出する煙で臭いよ。息を眠りたいときにだけ止めていたいぐらいに、忘れてしまうほどイギリスは違ったなあ。
足立区は目を閉じようとするほどに怪しい人間で溢れていた。今日も外人と言えば道にゴミを捨てる人だと思っていたが、ぼくが落としたチケットを女性が拾ってくれたほどだ。眠れて、起きたいときにだけ勉強ができるような、石畳の上には紙くず一つ落ちていなかった。勉強したいときに働けて、起きていられる。思い出した。
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