harmonic simulation (for Leo and little adult) 上/Oz
 
僕は紫。生まれた時から紫。だからどうしようもない。本当にそう思う。

赤と青の里から遠ざかり丘の上の藁葺き屋根の小さな家でひっそりと暮らしている。
時々黄色がやって来てスープを作ってくれる。

昔、この家には真っ白な髪の女の人が住んでいたそう。黄色はその時からこの家の住人にスープを作ってあげている。

「彼女は別に病気とか、そういうことでは無かったの。ただ、髪は白く、30歳くらいで死んでしまったの。」

写真が並べられている。そこには彼女と彼女の膝ぐらいの小人たちが写っている。彼女はとても幸せそうだ。ただ黄色は彼らを知らないし、彼女から話を聞いたことも無いんだそう。

「彼女
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