Roughly Friday/BOOKEND
 

そして引き続き何かと落ち着かない日々が続く。
忘れた頃に何かを思い出すのはオレだけじゃないらしく、
それは秋の空模様だったり怒った時のあのコの声色だったり、
いつの間にか使わなくなった色えんぴつだったりする。

古びた菜箸、優しい本棚、手付かずの漆器にピントの合っていない写真。
踏切でつかまったとたんに偶然引出しが開いたんだ。
もしも空気と空気が重なる隙間を覗いたことがあるならば、きっとキミも知っているはずだよな。
たとえば書きかけの歌が突然絵を描くようにはしゃいでみたり、
誰に話したって信じてもらえないような事が起こってみたり。
まあそんなことを繰り返しながら秋色に染まっ
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