独白日記 〜今日の直筆ノートより〜/服部 剛
 

 少し前迄、初老の両親とこの店で食事をしていた。メニューを見る時に、視力の落ちた目を顰(しか)める父と母の前に座り、相変わらずふらふらと生きている自分を申し訳なく思う気持を抑えながら、何気ない会話を交わしていた。 

 目の前にいる両親が、約40年前に出逢わなかったら、僕はこの世にいなかったと思うと不思議な気もするが、僕のような出来損ないの人間が、いてもいいのだろうか・・・?という心情に覆われそうな時もある。だが、目の前に座っている人の良い平凡な両親に、口が曲がってもそんな事は言えないのだ。 

 両親と3人で外食すると、決まって半年前に亡くなった祖母の話になる。何度も口にする事だが、
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