1000^63個金庫館書店/影山影司
 
 規則が、ある。自分の原稿を一つ持って入れ。ただし、原稿には空白や句読点、濁点半濁点、、捨て仮名、ひらがな、全てを一字と換算して千字ぴったりの原稿。漢字やカタカナ、異国の文字は不許可とする。

 地図を辿ると、そこには書店というより何かの記念碑のような建物があった。窓も丸みも無く、まるで敷地無いを埋め尽くすためだけにつくられたのか、と思うほど、四角くくて素っ気無い。
 入り口は安普請の自動扉。鍵の変わりに最も安価な紙幣を一枚、読み取り機に入れると扉が開く。外見の印象そのまま、内面もまったく飾りが無い。恐ろしく高い天井と、輪郭がぼやけてまったく正体の見えない強烈な電灯。太陽がいくつもぶら下って
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