Go Back Sunday/BOOKEND
 
リバーシブルのカーディガンにブルースウェードシューズ。
帽子はやめてメガネをかけた。だけど度は入っていない。
白黒のカバンのポケットにはキーケースと携帯灰皿。
大事なものはココには入れない。雨の降る日はまた別だけど。

昨日の夜まで薄桃色に染まっていた角のたまりは当然だと言わんばかりに香りを変えて、
大きな煉瓦越しに緩慢な注意を促していた。
出来たてのビルには早くもスプレーの落書き。
何の主張なのかは分からないが、出来損ないの契約書に書かれたインチキくさいサインのようだった。
とにかくソコに満足感は見出せないんだよ。

必ずしも善意だけで人は動かないし、諮らずともおのずとソレ
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