フラグについての考察の考察 ?鑑賞について/パンの愛人
 
 以下は、唄子「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」に触発されたものである。多少批判めいたものになるかもしれない。

 とはいっても、じつは私も楽しく読んだ一人であって、これはひとえに唄子さんの筆の運びの闊達さによるものだと思われる。そのおかげで、読んでいるあいだは、たしかに違和感をおぼえることはあっても、それほど気にならない程度で済んだのである。しかし、いったん読み終えてみると、その違和感はいよいよ無視できないほどに膨らんできた。けっきょく、私はこの考察のほとんどに疑問を付さざるをえないのである。

 読んでいて真っ先におぼえる疑問は、「フラグ」の定義とその適応範囲の曖昧さである。「簡
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