「終焉」/散布すべき薬物の所持
あっ、白と黒の木製の板が水色の雲に吸い込まれていく
ぱらぱらばらと何の脈絡もなく、雲に、空に吸い込まれていく
僕はこの板に掴まって空へ行かなければ
僕はこの板に掴まれば空へ行けるのだ
――大きな毛虫が街の往来を堂々と相当な速度で歩いている。いや、もしかすると毛虫ではなくアメリカンドッグに毛の生えたものかもしれない。毛虫の産み付けた卵は、いまやビルディングの背丈を通り越して、うねうねと蠢く悪魔のように息苦しい極彩色のマシーンとなっていた。
大きな毛虫、すなわち巨大毛虫は今や数を増やしていた。人々は、アリの巣コロリに気付いた蟻のように逃げ惑う。中には発
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