可逆的であるということ/西日 茜
 
あなたは、物事の些細な変化は、一見なんの脈略もなく飛散もしくは移動や変形し、それは意味をなさない現象だと思うだろうか…。

しかし、それが有機的に結びついているのだという説は面白い。たとえば、クリップの山のなかに磁石を投入しては引き揚げ、いくつかのクリップが吸着するという動作を繰り返したとする。根気よく繰り返すと、あるとき突然すべてのクリップが磁石に吸着する。
微動は一定の方向を目指して進み始める。それは突然大きな変化を見せる。これは発達心理学でいうピアジェの統合とか共応とかということに共通している。

幼児は様々な失敗を繰り返し、あるとき一つの発達段階のステージをクリアする。そしてまた
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