その日/BOOKEND
 
その日オレは友人の家で例によってダラダラといつまでも呑んでいた。
翌日仕事のある友人が寝てしまったアトもだ。

その頃オレはガチンコの無職で、生きて行く事の大変さがちょこっと分かって来たような気になっていた頃だ。
念願の1人暮らしを始めたはいいが、とにかく仕事が決まらなかった。
このオレの100万ドルの笑顔と快活な振る舞いを持ってしても雇ってくれるところが無かったのだ。
何連敗したんだっけな。あんなに雇ってもらえないなんて想像出来なかったよ。

その中でも1つだけ決まりそうな仕事があったんだけど、ソコは1日で辞めてしまった。
建物の床下に付ける換気扇を売りつける会社で、床下にもぐ
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