肉じゃが/かんな
「なんか作ろうか」とか言うから、まじで作れんの、と思いながら口には出さないで、「肉じゃがが食べたいわ」って頼んだ。冷蔵庫開けたら、肉や野菜や牛乳やなんかタッパに入ってるものとか色々出てきたから、意外とまともな食生活してるんね、って言って、麦茶だけもらってパタリと扉をしめた。
六畳か七畳しかない部屋でもこんなにものが無いって感じられるものなんだってくらいに物質が存在していなくて、部屋の空気のほこりやら塵の密度も少ないんじゃないかって思った。思ったら何だかこの部屋に占めるわたしの密度ってかなり濃いわぁって考えたけど、これって日本語として可笑しいな。「可笑しいよな」ってその思考の一部始終を背中
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