目覚めよ!/アハウ
旅の客が訪ねて来て、嘆いていった。
「近年から近日にいたるまで、天変地異や飢餓・疫病があまねく
天下に満ち、広く地上を覆っている。牛馬は路上に倒れ伏し、人の
屍と骨は道に溢れている。命を失った者は、すでに大半に及び、この
惨状を悲しまないものは誰一人としていない。・・・
日蓮「立正安国論」の冒頭に書かれている。
まあこの後は仏教界の智者、日蓮らしく豊富な経典を引用して
浄土、真言、禅などを論破するが、それもこれも法華一乗、
南無妙法蓮華経と唱えず、間違った宗派に帰依するためだと
論を張る。日蓮を読み込めば正しいと確信できるのだが・・・
(最近、講談社学術文庫で「立正安国論」
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