雨の記憶/高杉芹香
初恋の人は 今も地元にいる。
小5から高1まで彼のことを想っていた。
28才のときに再会して 結婚しようって言われた。
けど。
あたしは東京での仕事と生活を選んだ。
数年経って彼は地元の職場の後輩と結婚した。
結婚してから。
連絡がぴたりとなくなって。
彼はやっぱり そのときの恋愛対象に一途な人だったということを再認識した。
いい人と恋してたんだなって自負したりした。
彼は長身で笑顔が可愛い人だった。
ほんの少しの優越感は。
彼が あたしと彼の誕生日が絡まったメアドを使い続けてること
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