辛くて辛過ぎてもう堪えられない/木屋 亞万
あまりに何でもかんでも辛いものから逃げるために嘘をつき続けていると連鎖的に現れるいくつかの事にも嘘をかぶせていかなければ気持ち悪いくらいにつじつまが合わなくなってゆくので仕方なく嘘を追加していくのだけれど膨れ上がってきた嘘の群れのこまごまとした部分からどれが嘘だったかあるいはどこからが嘘だったかがわからなくなってきてある種の麻痺症状のような状態に突入する訳なのだが元々取り返しがつかないくらい大量の嘘にまみれてでも目を背けたかったような事柄なのだから麻痺しようが壊死しようが関係のないことでむしろ歓迎すべき事態ではないかとずっと思っていたのだけれど現実はそんなに自分に対して都合の良いようにはできていな
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