串焼き/木屋 亞万
串焼きがしたくなった。
電柱を串にしようと、先端が尖るように磨製の石斧で研いでいたらば、石槍にもなるような気がして、太陽に向かって投げてみたら、飛ぶ鳥を落とす勢いで空を突き上げていった。針みたいに小さくなった頃、ふらりと下を向いて放物線を描き始めた。煙突と煙が支配する港を悠々と越えてしまって、向こう岸の砂漠を抜けて地球に引っ張られながら、サバンナ辺りに突き刺さった。
はっきりした槍の行方が知りたくなったので、宅配ピザを手配した。煙突避けの履物と煙避けの頑丈眼鏡を装着し、煙突を壊さないように細心の注意を払いながら地元の港を行き過ぎた。荷物を濡らさないようにまとめて頭に載せ、蛙直伝のかえる足で
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