滝辺のウタ/多賀良ヒカル
 

透明な空気は澄みきり、どこまでも清々に

ぼくの体の中のゴミを洗い流す

落下する水流が演ずる水音に

ぼくの頭の中の垢が細かく砕け散る

水落ちるたびに生まれる泡は跡形もなく消え

ぼくこころの寂寥を呼び戻す

ぼくは滝壺というホワイトホールへ突き落とされる

この身は水に溶解し透明化し

ココロは宙に溶け

私の影も透明になった

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