四つの墓標 a蒼風薫/
梅昆布茶2
夏の花が好きな人は情熱的はあなた
燃やしつくせなかった心残りを思えば
私は墓標に毎日紅を絶やさない
秋の花が好きな人は
人嫌いのあなた
この世に未練なく旅だったことを思えば
私は墓標に一度も行かずに
心の中で慰める
冬の花が好きな人は潔癖症のあなた
くべられてこそ其の本望を思えば
私は墓標をひたすら清めるだけ
春の花を持ったあなたは誰だったのだろう
黒い縁取りの封筒が届く春
朝まだき
宛先も差出人も同じ名前
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