靴下/佐白光
 

 靴下の色を選ぶようになったのはいつからだろう

 白の靴下に違和感を感じたのはいつからだろう

 好んで白の靴下をはいていたように思う

 それが変化したのはなぜなんだろう

 ある時黒の革靴に白の靴下は変だなと感じた

 人の感受性は靴下に対しても変化するのかな

 きっかけがあったわけじゃない

 他人から指摘されたわけでもない

 よく言えば成長したのかもしれない

 振り返れば女性への思い込みも変化している

 これを成長ととらえていいのかな

 いつのまにか持っている靴下は

 紺と黒だけになっている

 それもまた寂しい気がする

 すべてが小さい人間になったようで

 

 

 

 
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