心のまなざし/乾 加津也
 
目を伏せて話しても
心のまなざしを感じる
そんな関係でいたいね


見るものすべてに傷つくから
いつしか伏目がちになって
あなたの視線は地を這って
たくさんの蓑をまとっているよう


あなたの顔を
上げてくれる人はいるかしら
あなたがどれほど涙を湛えていたとしても
あなたの 深く淀んだまなざしを
心の両手で 柔らかく包んであげる人は


信じるとか 裏切るとか
愛するとか 憎むとか
そんな 人臭くないところで
いつもあなたのそばにいる人を
あなたの心のまなざしで そっと感じていて


夜空がきれいよ
感じることは
美しいと 思えることよ

戻る   Point(5)