ワタナベ[現代詩フォーラム即興詩] 2007年7月20日19時17分から2007年8月21日23時38分まで ---------------------------- ??????????¨???? ¨?????????????????? ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]即興詩会(飛びいれ!火にいる夏の虫、編)1/ワタナベ[2007年7月20日19時17分] ワタナベ [17:18:15] 「EVE」 ワタナベ [17:18:29] 制限時間10分 はじめ ワタナベ [17:30:21] はじめに言葉ありき どこからか鼓膜を振るわせる声 きこえてくる はじまりながらにおわりにむかう EVE 最初で最後の パソコンのモニターを眺めながら 一日を終える あふれるほどの ことば、詩、散文、ことば そう ことば が モニターからあふれてくる 少しずつ息が止まる 窒息して、遠のく意識のなかで わたしはあなたを見た このワイヤードの中に EVE はじまりながらに終わりにむかう EVE 最初で最後の アオゾラ誤爆 [17:31:23] 冬のうちに悴んだ指先も いまとなれば幻のようでした あなたの狭い部屋のすみっこで ねころがって集めたたくさんの景色も うそのようでした こんどはわたしの小さなてのひらで 芽吹く声だけがせかいを生かしている テレビのなかでうごめくひとかげが いつもよりやさしいのも、気のせいかな 街が明るくなるのも時間のうちで さよならをいえなかったのは僕らの傷で 何度か舐めあってもたぶん消えない 夕べの空に浮かんだ星に あなたの大きな願い事をひっかけて 飛ばしたでしょう きょうがなんのひか、わすれてしまったかな くだらないイヴ わたしだっていつのひか なくしてしまうかもしれないもの きみとみた沢山の今日が 昨日からじゃ期待できないことに さみしくなんて ならないよ、きっと なにもなにもない、そばにガラスの匂いだけ 抱きしめる 思い出を片っ端からくだいていったら いつも同じ場所にたどりつくよ きみがいなくてもそれは同じなんだ 痛みはもうどこにもないの ないよ ないの 七月、群青色が落ちてきて 写真になるのはずっともう前のこと だよ 氷水蒸流 [17:40:11] まどろみながら待っている  はじまりはいらない  遠ざけて輝きを   グラスの中で太陽を転がして  マドラーは溶けて行く  ワタナベ [17:42:10] では寸評を アオゾラさんのは冗長で散漫 氷水さんのは描きたいことはわかるけれども意味まで到達してないっていうかその後に出てくる言葉が詩だと思う ということでアオゾラさんの力技一本、アオゾラさんで。 アオゾラ誤爆 [17:44:53] 「サークル」 アオゾラ誤爆 [17:45:10] 制限時間10分です どぞ ワタナベ [17:48:10] A to Z = A やわらかな曲線美 そう、この広大な 言葉すらも届かない 宇         宙 にある青い星 それは美しい 球 「人間が地球の描く球体を 科学的に再現しようとすると あと数百年はかかるだろう」 そう  天文学的         数字 その奇跡のなかでうまれた うまれた 氷水蒸流 [17:51:34] うあー無理だ、リタイア。交代要員を アオゾラ誤爆 [17:52:02] 転がりまわって着地点 朝はまだか 嘆きなげいて現時点 ハロー、ハロー  きこえますか 無駄なコールに 三半規管が 悶えているよ かき混ぜられて 泣いている とけていくのは誰かなあ だれだろう 誰かなあ ワタナベ [17:53:15] 短い詩においてはリズムも重要視されると思う リズムがいい ワタナベ [17:57:59] 「氷結」 ワタナベ [17:58:09] 制限時間10分 はじめ 氷水蒸流 [18:02:11] 凍り損ねた左手に 誰かが暖かいものをのせた 心は少しも動かず 新しい土が生まれた アオゾラ誤爆 [18:04:03] 塩素の匂いがだめで 眩暈をひきおこす つめたい 消毒液がまずい 保健室のベッドの きれいな窓では ぼくらが泳いでいた 夏が終われば 冬がくるから こうしていれるのも今のうち 明日にはたぶん ひえたベランダに 素足が 白い肌が あいまいになる境界のそばで しずかに凍てついた そらのしたで黙り込む ふたり (ここは どこですか 亀裂が) (入る) 楢山孝介 [18:05:58] 空気が凍っていて外に出られないと そんな馬鹿な冗談につられて 玄関まで出てみると 凍った空気の中を 無理やり進もうとした君が 半身を空気に取り込まれ 青ざめた顔をこちらに向けていた 「出られないって自分で言ったのにね  馬鹿だから、難しい漢字も読めないし  空気が凍っててもさ、外出たい時ってあるじゃない」 慌ててお湯を汲んで来て溶かそうとしたが 水道管は凍りついているらしく アイロンもこたつも 玄関までは届かなかった ならば僕の身体で暖めてやればいい そう気付いて服を脱いだが 君はさっきよりもさらに遠く 凍った空気の奥に進んでしまっていた 「馬鹿だねあたし  何で動いちゃったんだろね  帰りたいんだけどね  ねえ、こっち来ないでね  危ないよ。ほんと寒いし。  実はもう動けないし。  今まで楽しかったよ。  こっち来ないでね」 そんなことを言われても 僕の歩みは止められなかった 思考が凍りついていった ワタナベ [18:06:32] しめきりーーーーー!! ワタナベ [18:07:26] 寸評を ワタナベ [18:09:25] 氷水さんのはその行の隙間や後に立ち現れてくるものが詩だとおもう。アオゾラさんのは自分と世界との境界線がうっすらと描かれていて好印象、楢山さんのは一つのストーリーとして完結しており、なおかつ余韻も残す、よって楢山さん! 楢山孝介 [18:11:32] シンプルに「夏休み」 楢山孝介 [18:12:01] 13分から10分間 楢山孝介 [18:12:32] 始め アオゾラ誤爆 [18:17:07] 通知表いらない おかあさん、ごめんね 夏がきたんだって ぴったりとくっつく 汗ばむふともも あのこに会えなくて すこしさみしくて すこし どきどきするのは なんでだろう なんでだろう 水色うちわでかぜを呼んだの 夏がきたんだ だれかが言ってた くるりとまわる たいようが降る 宿題はともだちとやるよ だいじょうぶだよ ほんとだよ 夏がきたんだって ほんとだよ Tsu-Yo [18:21:37] 一年中が 真夏の国の子供たち お腹がグーグーなる音で 明日のビジョンが掻き消される そんな彼らを指さして 日本人に 自殺は甘えだと 説教するおまえ 馬鹿も休み休み言え 夏休みとるな 楢山孝介 [18:22:32] プールの日なのにK君は来ない 登校日なのにK君は来ない 夏祭りなのにK君は来ない 学校が始まったのにK君は来ない 「なあ、K君てどうしたの。夏休み始まってから、一度も会ってないんだけど」 「あれ、そうやったっけ?   俺の見てないのはY君だけど」 え、僕はM君を、私はN君を、貴子先生はO君を 次々と出てくる行方不明者たち おかしなことにそれらを全部足すと クラスの人数の倍ほどにもなった 二学期が始まってしばらくすると まず始めにK君が姿を見せた それからY君やM君やN君やO君や その他の誰彼が次々と出席し始めて 教室はとても狭苦しくなってしまった 実はK君なんていなかった YもMもNもOもその他も 僕が理想の友達を一人欲しがって 些細な嘘をついたがために みんながみんなが真似をし始め 嘘の責任を連帯で取るはめになってしまった 他のクラスの連中に指差されて笑われながら 僕らは汗にまみれてノートを取る 貴子先生の周りにいる若い男たちの吸う 煙草の煙がとても煙たい 楢山孝介 [18:23:05] ギリギリだった ワタナベ [18:27:27] PCがフリーズしたので 全部とびました お前が人間なら 殺してるよ そんな夏休み 楢山孝介 [18:29:16] アオゾラさんのは三連がすごくいい。「くるりとまわる/たいようが降る」ポイント入れたい 楢山孝介 [18:30:36] Tsu-Yoさんの詩における説教は、僕も似たようなことをされた経験あり。ただ、夏休みとの関わりがどこか薄い気が 楢山孝介 [18:31:24] ワタナベさんは、剥き出しの素の感情がわかりやすく伝わってきて、自分はPCじゃないのに、謝りたくなってしまう ワタナベ [18:31:25] (即興詩会は編集されて投稿されます さらにスレにてポイント制になってまして 四天王きまります よろしく) 楢山孝介 [18:31:57] アオゾラさんの第三連に引き込まれたので、アオゾラさん ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]即興詩会:第3回/ワタナベ[2007年8月9日22時00分] ワタナベ [20:20:39] お 即興詩会いきますぜー 相田 九龍 [20:21:03] うぎゃー 相田 九龍 [20:21:07] うきませう ワタナベ [20:21:24] ここからの発言はある程度編集されて投稿されます。では 俺から ワタナベ [20:22:09] 「翼」 10分間でおねがいします どうぞ 相田 九龍 [20:32:13]  太陽の塔が何か言ったか。何か言えるのは私達だけだ。風が何か言ったか。何か言えるのは私達だけだ。鳥が何か言ったか。何か言えるのは私達だけだ。  外国人が街をウロウロしている。私は声を発する。それは鳥の鳴き声に似る。  私達は飛べない。鳥は飛ぶ。私達は飛べない。風は飛ぶ。太陽の塔は今飛び立たんとしている。私達は飛行機に乗って、外国人に会いに行く。やぁ、おはよう。  外国人が私に声をかける。それは鳥の鳴き声に似る。  鳥は飛ぶ。私は太陽を仰ぐ。やぁ、翼が欲しい。 月見里司 [20:32:24] 翼 コンクリートの建物に 雪は降っている 汚れた壁には 固形物が必要だった 空があまりにも濁っているから 電柱で身を縮めていた 鳥の群れが 呻きだし 厚い雲へ その身を投げ込みだす 雪は降っている まだ時間がある 奇妙に白い雪と 身投げする鳥と 遠雷さえ 聞こえてくる そして舞いだす あらゆる ワタナベ [20:33:55] では寸評をば ワタナベ [20:39:45] 相田さんの作品は惜しいなぁと感じます。 モチーフは2,3個あるかな。 >太陽の塔が何か言ったか >風が何か言ったか >鳥が何か言ったか この太陽の塔が声を発さないというところが活きてこない。太陽の塔=70年代の古き良き昭和の象徴、平和の象徴、科学進歩の象徴、それが、何か言ったか 「何かいえるのは私たちだけ」ここからいろんなイメージが飛び立とうとしているのが感じられるのに、なんだか置いてけぼりにして次のイメージにとんでしまった気がする。 ワタナベ [20:43:46] 月見さんはタイムアップだったんですね。 細かいところをつつくと 固形物 投げ込みだす がちょっとひっかかります。 ここは固形物であるほかの語を持ってきたほうがより際立つ気がしますし、投げ出すとしたほうが、次につながっていくような気がします。 固形物 としてしまったところが一番失敗だった気がする。 相田 九龍 [20:46:55] 「さぶいぼ」、でお願いします。 ワタナベ [20:47:05] ww 相田 九龍 [20:47:26] 開始! 月見里司 [20:56:42] さぶいぼ  ああ、そうだ、キコちゃん。キコちゃんさ、熱いもの飲める?大丈夫?そう、じゃあコーヒーでも淹れるね。いや、つまんない話なんだけどさ。俺、チョウチョがダメなのよ。いやいや、冗談とかじゃなくて本当に。俺の実家、田んぼとかすげーあるんだけどさ、こないだ実家帰ったときに、なんていうの、水引っ張ってくることろ?うん、呼び方よく知らないんだけどさ、あそこに落ちちゃって。笑わないでよ。飲みすぎたんだよ、ちょっと。んでさ、落ちただけならいいんだけど、なんか片足はまっちゃって動けなくてさ。誰もいなくて。もう明けがただから、じいちゃんとか通りそうなのに全然。で、ちょっと泣きそうになりながら頑張ってたんだよ。夏なのに水冷たくて。もう体とか超寒いの。で、頑張っても頑張ってもダメでさ。誰か通れー、とか叫んでバタッ、と道路に体倒したんだ。空見えるじゃん。夜明けのさ、きれいな空。そこにチョウチョが一杯、ほんとに太陽とか見えなくなるくらい飛んでてさ、もううわぁ、って思って固まっちゃって。そん時のショックで足抜けたみたいなんだけど、それにも全然気づかなくて、ずーっとボケてた。それ以来チョウチョがダメ。全然ダメ。さぶいぼ出る。いや、それだけなんだけどね。コーヒー冷めちゃったわ。ん?どうしたの、キコちゃん。 ワタナベ [20:57:39] さぶいぼ、 手の甲から肩あたりまで 僕は肩を切り落とす さぶいぼをたてた腕が転がっている 切り口からみえるぼくの中には 一遍のことばと 夕暮れが広がっていた 公園の砂場でお山を作っていた子供が 母親に呼ばれた気がして どこかへ帰ってゆく その後 その子の行方は誰も知られなかった 誰もしらない物語が 僕の中にある さぶいぼ、 行方不明の子供たちを 呼ぶ母の声 僕は呼ばれた気がして 切り落とした腕をそのままに 声の方へ駆け出す 僕の行方を知るものは誰もいなかった 相田 九龍 [21:01:12] 月見さんの作品は、なかなか面白い線いってる。即興らしく、ねじれがゴゴーっとなってるところがいい。きこちゃんの扱いが、話者も作者ももう一息。 相田 九龍 [21:02:15] ワタナベさんの作品は、読者にさぶいぼっちゃったところがあって、二重に良い。ラストへの落とし方がワタナベさんらしい安定。良くも悪くも。 相田 九龍 [21:02:46] どっち選ぶ、となると非常に迷うので、ここは月見さんに一票。 月見里司 [21:04:54] 「金属の日」 時間は十分。シンオウトレーナーのいかいかさんも是非。 相田 九龍 [21:10:55]  金属の日。かちかちな空を見上げた君が、耳を広げて飛び立つのなら、俺はどうも納得がいかず茶を沸かす。ヤカンに水を注ぐとき、少し昨日のことを思い出す。思い出したはなから、ヤカンはドンドンと速度を上げ、東京に辿り着く。手から滑り落ちる。  金属の日。おはよう。とてもじゃないけれど御飯は三食食いたい。それは習慣を通り越してアイデンティティに関わる問題だ。誰が俺を呼んだ?俺は呼び声よりもアイデンティティを大切にする男だ。ロックンローラーがロックのために死ぬように。  金属の日。速度と音の関係を図にしてみた。波線部をよく読んでおけ。あいつからの伝言だ。 ワタナベ [21:15:21] 金属は勤続逃れて 今日は花よと酔い歌う 酩酊した金属からしたたるアルコールは 潤滑油となってさらに金属を加速させる 飲む金属、勤続逃れて 今日は花よ 相田 九龍 [21:20:47] 「かっこいいこと言うために」 月見里司 [21:28:23] かっこいいこと言うために 男は煙草を吸え 女は手首を切れ いや、 女も煙草を吸え 痛いのは嫌だから むしろ男は水に沈め 重りはなんでもいい プライドとか 家族とか その辺がおすすめだが ハードボイルドを気取るなら ユニクロのパンツはやめておけ 女が水に沈むと かっこいいより前に 演歌だから やめたほうがいい 着物はエロいだけだ ここまで書いたら 男女差別は良くないなんて言われた じゃあ性別はどうでもいい ギターを弾いてみろ 汗を流すのもいい 宗教に夢中になれ 愛の告白をしてみろ 臆面もなく ふられるとなおいい だが 詩人だけはやめとけ やめとけって 相田 九龍 [21:30:09] しゅーりょーーーー ワタナベ [21:30:17] まず朝の体操からはじめます 手を大きく伸ばして、すって〜、はいて〜 このときも若干ビリー軍曹を思い浮かべながら 腹筋に力を入れたりその白い歯を見せたりすると 効果的です、歯はいつも丹念に磨いておきましょう 次に朝食づくりです。 朝食はパン食がのぞましい。 ベーグルなんかだとベストです。 ベーグルに玉子焼き 玉子焼きを焼くときはかならずフライパンの上で 躍らせるようにしましょう。 さていよいよ出勤です。 横断歩道の白い部分だけを踏んで渡ってください 階段はひとつ飛ばしに 会社についたらさわやかな笑顔でおはようございます を言いましょう。 このときも白い歯を見せることが大切です。 工事現場の作業員が ヤニに黄ばんだ歯で 黒く焼けた肌に汗を流しながら 家で待つ子供や妻のことを思う そのようなことを脳裏によぎらせてはいけません。 あなたは一人で、この競争社会に打ち勝ち エリートとしての階段を上がってゆくのです このまま。 作業員は黄ばんだ歯を気後れすることなく見せながら 先輩からもらったお茶を受け取る 彼には家族がいる そのために黙々と アスファルトのいたるところに穴を掘る この穴がなんのためのものか なににつかわれるのかもわからずに ただ穴を掘る そして帰って、妻の晩酌でいっぱいの酒を飲む 黄ばんだ歯を見せながら妻に満面の笑顔を返す 相田 九龍 [21:31:02] かっこいいこと 相田 九龍 [21:31:18] あんまり関係ないじゃん!w>ワタナベさん ワタナベ [21:31:34] しらんw 相田 九龍 [21:32:36] 月見さんの作品はー、即興でも「手首切れ」って言葉は僕は嫌いだー、ユニクロのパンツと着物はエロいだけだ、がよかった。 相田 九龍 [21:34:04] ワタナベさんの作品は、「先輩からもらったお茶を受け取る」ここがかっこいい。なぜだろう、エリートと土木を対比すると土木がかっこよくなるのはなんでだろ。焼酎もかっこいい。 相田 九龍 [21:34:43] ワタナベさんに一票したいところだけど、題の活かし方を優先で月見さんで! 月見里司 [21:37:11] お題「十四時」 ここから十分。 相田 九龍 [21:45:06]  ライフ。歩く距離を数えていくことをなんと呼んでもいい。誰かが歩いた足跡を辿って、それで幸せなヤツもいるくらいだ。ライフ。時計の文字盤から目を離すな。  葉露を綺麗だと思う心がライフ。昼下がりは有名人よりも大切。雨が上がれば散歩をしたい。虹を二時に見られたら少し得をした気分になるヤツ、それこそがライフ。透明を探せ。垂直に動くものを探せ。  子供たちがジャンプ。球体の上で私達は生きている。夏休みは有効に使え。太陽を見透かせ。足跡を見ろ。  そら、お前は時間を愛おしく思う。時計の文字盤が愛おしくなる。二時ならある。でもそこにはないものが昼下がりにはある。ライフ。透明を探せ。 ワタナベ [21:47:02] ことばの上を流れる小川のせせらぎが ふとイメージとしてぼくの前にたち現れるとき 十四時、の上を流れてゆくイメージは 無味乾燥でぼくの前にはたち現れてこない だが月日はどんどんと十四時へ流れ込んでゆく 昨日歩いたアスファルトの感触 強い日差しを避けるキャップをかぶって 自転車で漕いだ木漏れ日の中 ふりくるせみの鳴き声 学校のセメント越しに香ってきた塩素の匂い と、子供たちの歓声 もくもくと立ち上がる入道雲と とつぜんの夕立 その匂いや手触り、音が どんどんと十四時にながれこんでゆく 僕の前には十四時の上を流れる小川のせせらぎしか 聞こえないが、十四時は何度も繰り返す 僕が望もうと望むまいと 月見里司 [21:52:48] 相田さんの作品は、悪くないんですがどこか手癖感。小気味いいんですがもう一歩潜りに来て欲しかったかもしれません。ワタナベさんの作品は、苦戦はしていて、勝利もできていない印象もありますが、題と一生懸命戦っている感じがします。 戦い方の差でワタナベさんに票を。 ワタナベ [21:53:18] にっしっし 相田 九龍 [21:53:26] んがーw 相田 九龍 [21:53:34] 手癖万歳! ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]即興詩会:第4回(夏の陣編)/ワタナベ[2007年8月12日19時11分] ワタナベ [17:31:31] 「ミネラルウォーター」 10分で はじめー 参加者 いままでで6〜7人いらっしゃるので それぞれを名前順にスレッドにならべて 獲得ポイントを表示します 独り言 最終的に 夏の終わりころに獲得ポイント合計やら ひとつ目を引く作品の各賞を決定します。 ○月見里司 「ミネラルウォーター」  冷蔵庫一杯に、ぎっちぎちぎにミネラルウォーターを詰めているやつがいた。俺のことだ。最初にそれをしていたのは二人目の彼女で、冷蔵庫の扉を開けてしまい絶句する俺に向かって(冷蔵庫の照明が、たくさんのペットボトルで乱反射している!)、飲むかとただ訊いた。そんなに詰めたら冷えないだろうというくらい一杯にミネラルウォーターは詰まっていて、何かの(もしかすると、たぶん寒気のするような)理由があると思って絶句していた俺は驚いた。飲むのか。なんのメタファーでもなかった。ミネラルウォーターはやはりミネラルウォーターに過ぎず、それは飲料水として日々普通に、ごく普通に飲まれ、減った分は補充されていた。それだけだった。だから俺は冷蔵庫一杯にミネラルウォーターを入れている。普通に飲むために。来客はたまにしかないが、皆無と言うわけでもなく、冷蔵庫を覗き込んで絶句するやつも勿論いる。俺はそいつらに向かって、飲むかとただ訊くだけだ。 ○櫛田鶇吾 「ミネラルウォーター」 ラスカトロフの白いカラスが飛んでいる 硬質なレプリカに似た5本の松は 3度目の奇跡を顧みない 乱反射する簾の奥の銀貨 パッケージは竹光だと云う 嗚呼、我々の枯渇を慰めるものは 鬼神の涙よりも静謐な、青   ワタナベ [17:41:18] うお これは力作ぞろいやなぁ 終了〜 灰人/カイト [17:42:20] ねむい ワタナベ [17:42:32] ちょっとこれは俺一人では 寸評きついw みんな寸評してみて おー かいちゃん!! やろう!! かいちゃん 寸評から参加してw ☆灰人/カイト さとちん いいなー 自然の持つ言いようのない圧倒感を感じる。 トーゴくん きれいだが、きれいすぎるな。ミネラルウォーターらしさが希薄かも さとちんに一票 ☆櫛田鶇吾 月里さんは、とにかく頭の中を文字通りにミネラルウォーターで一杯にしてみたって感じ。愚直とも言えるけどそれでこれだけ発展出来るのは充分評価に値するかな。 ☆ワタナベ んー 難しいなぁ、詩情という点では櫛田さんの方が 詩情を前面に押し出した感があって好感がもてる。 月見さんのは「なんのメタファでもない」とあるように 本当になんのメタファでもない。でもそれが故に 匂いたってくるものがある。 これは好みの問題だろうとおもうけれども、月見さんは 良くも悪くも即興として、自分の持つ詩情を自分なりに 肉感的に表現した感じ。櫛田さんのは、さらにそこから ちょっぴりだけ一歩進んでる感があった。 ☆月見里司 ラスカトロフというのがなんなのか、わからないけど、わからないので、銘柄ということにして読み進めます。白いカラス、五本の松とかはボトルのラベルに描かれてそうな感じで、簾、竹光、鬼神というと和風なタームなので、一気に無国籍感が増します。最終連での「嗚呼、」が息をつく感覚で素敵でした。(ぷはー!)的な。 ワタナベ [17:52:01] 今回は 総合的に月見さんに 軍配を 月見里司 [17:54:28] 「煙草を吸わない」 十分間でどうぞ。 ○灰人/カイト 「煙草を吸わない」 白い靄を掻き分けると 冷たかったので 煙ではなかった すうと息が吐かれ しずかな顔が浮かんだ ゆっくりとまぶたを開くと 長い睫毛がしとやかに咲いた くろいまるい まるいくろい に 吸い込まれたまま私は 神々に似た誰かに手をとられて たゆたうのであった ○ワタナベ 「煙草を吸わない」 いっぱいになった灰皿の中で蠢く タァルを暗がりが覆い 煙がさらに喉を通過するたび 上下する胸の 奥にともるジッポの火種 (シャキリ、シャキリとまたたきながら タァルは肺胞の隅々まで 影のように染み また煙は部屋のくらがりのように そっとぼくの背中をなでる 新たに煙草に火を灯す (シャキリ、シャキリとまたたきながら ぼくが背中におおいかぶさるくらがりを 厭うならば煙草を吸わない 煙草を吸わないぼくの肺胞は 健やかに酸素を取り込み タァルを駆逐していくだろう ゆっくりと時間をかけて そのようにしてぼくの胸は上下し そしてそのようにして ぼくは生きている ○櫛田鶇吾 「煙草を吸わない」 快晴の肺胞に 小鳥たちが巣くい 肝臓の山の麓で地震が起きても 甲状腺の谷でまあるい熊が踊らずに済む バナナボートはかなりのスピードにも耐えられるらしい 実際あきこはそれですごいGを感じたと言った 智哉はパイロットになりたいんだって パイロットねぇ・・・。 深海のらくだが、千年橋を叩いて渡らないように ぼくは煙草を吸わない   ☆ワタナベ かいちゃんのは 少し漠然としすぎているかなぁ 櫛田さんのは、飛び立つ準備運動の時点で、いろんな 準備運動をしてて面白いんだけど、飛び立てていない 感触。 ☆櫛田鶇吾 カイトさんのは隙がないね。すごく丁寧。 ☆灰人/カイト なべっち 凡庸(>_<、) トーゴくん こういうふうに拡散していっちゃうのは嫌いじゃないよ ☆櫛田鶇吾 確かに、特に着地がちょっとつまらないかも。あと「シャキリ」とかもデメリットの方がこの場合多い。ナベさんのやつ。 カイトさんのは、「しずかな顔が浮かんだ」のところ、 まるまる削ってもいいかも、なんか展開がより安直になってしまうような。 「神々に似た」もそのせいであんまり活きずに陳腐になってしまうし。 ☆月見里司 灰人さん ねむり姫を起こして一目惚れ、という読み方は身も蓋もなさすぎでしょうか。くろいまるい/まるいくろい が素敵ですが、全体の雰囲気とは少し乖離していますね。前半と後半の改行形式がバラバラなのも惜しいところです。私は後半のほうを推します。 ワタナベさん どことなく戦後の、というか少し前の文調です。雰囲気は良いのですが、雰囲気だけなら後半二連だけでも充分に感じますし、もっと書き込んでゆくなら (シャキリ、シャキリとまたたきながら を単に調子を整えるための小節線ではなく、もっと刺さるような使い方をして欲しかったです。 櫛田さん 最初テーマの縁語で書き出しているのに、途中から煙草そのものが極めてどうでも良くなっている気がします。期せずして禁煙のプロセスに似ているかも。それがふわりと広がっていくのを最終行でブツリとやってしまうのは、時間切れゆえかもしれませんが好きです。 月見里司 [18:16:02] この寸評と皆さんの評を総合して、櫛田さんに票を。 櫛田鶇吾 [18:18:52] いきます。「絵描きたちの沈鬱」コレいってみよう。なるべくお題に引きずられない面白い展開を希望。 ○灰人/カイト 「絵描きたちの沈鬱」 カミソリがカツンと落ちた 泣いている (もうどうしようもないのです・・・ (見て下さい。私の胸の皮膚を採取したのです。 (でももう干乾びてすこしも広がりません。 (こんなものっ ぺしっ (見て下さいあの窓の外を (あれも私が描いたのです (なんてざまでしょう 押し殺した泣き声 (ええ、ええ、これも (沼です底なしの。ええ (もうできあがります (さあ、もういいでしょう? ドボン ○月見里司 「絵描きたちの沈鬱」 ドアの向こうに僕は 絵の具セットを持って ぽつんと立っていた 図工室でイッシンフランに 絵を描くみんなには 顔がなくて どれも同じ落書きで 時計の目が こっちを見てる 夕焼けがすごい教室にもどって 顔じゃなくて 時計にでっかい 目玉を 描くことにした ○ワタナベ 「絵描きたちの沈鬱」 エドガー・アラン・ポーから 江戸川乱歩が生まれたように 絵描きたちの沈鬱から イメージの欠乏が生まれ それが駄作と名づけられて 歴史の流れに飲み込まれてゆく わたしは船にのっている 歴史的現在という名の そこから流れにむかって ワインをそそぐ そそがれた赤い筋は ふっと拡散し (もはや群青の海がひろがるばかり 船底をたたく波がよせ もはや色の見えなくなったわたしのワインを 遠くかなたへと連れ去ってゆく 南十字星があがろうとしている 絵描きたちは 流れの中に沈鬱している。 ☆灰人/カイト さとちんのは ひとつのイメージにとらわれすぎている気がする なべっちのは 「絵描きたちの沈鬱」が「歴史の霞」に入れ替わってる ☆ワタナベ かなり苦戦の跡が見られる気がするw その中でもかいちゃんが一歩リードな感じかなぁ ☆月見里司 灰人さんのは、絵描きという名前ですがこれは神様に見えます。世界の終わりでしょうか。 凄いのにドボンだけが惜しいです。ここまで壊さなくてもいいのに、と。 ワタナベさんのは、二連目の「イメージの欠乏」を江戸川乱歩張りの駄洒落に仕立てて欲しいと思いました。 そこが決まったら最高でしたね。 ☆櫛田鶇吾 カイトさんのは、ストーリー性と口語体が上手い具合に組み合わさってるけどいかんせん内容がなさすぎる。それと本当は「ドボン」のところでもうひと工夫したかったんだろうなーと思った。 月里さんのはありきたりながら日常の呼吸がちゃんとあって、ことに終連での未然形な期待感は素敵。出だしのあたりの要素をもうちょいカクテルすれば化ける可能性がある感じかな。 ワタナベさんのは土台がしっかりしていてつい読み込んでしまう。展開もなかなかきれいだね。 櫛田鶇吾 [18:37:55] 3回戦と言ったけど、票を入れるならワタナベさんかな。 ワタナベ [18:38:14] おーーーーっしゃ!! この一票はうれしい 純粋にw この面子で勝ち抜けたことがうれしいなw あざっす では編集して さらに厳しい読者の目にさらしてくるよw ”夏の陣、第5回戦はこのようにして行われました、興味のある方 少しでもおもしろそうだなと思われた方はどんどんご参加ください。 俺そっちのけでやってもらってももちろんかまいませんw ルール等はスレッドをご参考に、後でログだけ送ってもらえれば こちらで編集いたします” ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]☆第五回即興詩会(夏の陣編)/ワタナベ[2007年8月21日23時38分] ワタナベ「空の箱」 10分間で はじめー ○田代深子 「空の箱」 足から入り腕を出すと そのダンボールのほかは空ばかりで おれは首も伸ばし下をのぞきこんでも からりと晴れ風鳴る空のどこまでも しまった あれも連れてつれてくればよかったと ポケットの小瓶をあおって ああ携帯もないし ダンボールは揺れもせず ただ口を空け どこかへとしょんべんを放った ○月見里司 「空の箱」 ちいさい点が見えて どうにもならないことがわかる。 むげんの草原に立って 何処へでも着く前のわたしたちと 平坦な雲の列の ゆるみ。 わたしたちの脳は 厳重にかぎをかけられた、 歩きつづけるよりはむしろ 苦しむことを選んだ、 沼をひとつ見つけ わたしたちは空のすき間から 上へとのぼってゆき わずかな塵。 ○いかいか 「空の箱」 私たちが川べりで ゆっくりと下っていくころ 私たちの稲の家は、 多くの、実りの中で、 燃えては、陰る、 無数の瞳の群れ、 私たちの抜け落ちた湿地帯、 かの田園は程なく夏へと入る そして、私たちの懐かしい 挨拶の香りは、 この亜熱帯の都市の下で揺れては消える ところで、と、私が打つ、 可能な限りの濁点の数が 濁る川べりで下っては上る、 そしてまた繰り返す、 陰る田園を挨拶の残り香が飛ぶ、 聞けばそれは どこかの誰かが揺れては消えた 鉱石の振動、 夏、 田畑が 燃えるのは、 私たちが亜熱帯のざわめきを抜け 燦々と降る挨拶の中へ 突き抜けたからだ、 ☆田代深子 いかくんのはモチーフがとてもいいけど もうちょっとまとめられるとよかったね 月見さんのは逆にすごくよくまとまってるけど 一発インパクトがほしかったな ☆いかいか 田代さんのは、まさに空の箱という感じで、あっけらかんとした感じが出ていて、 うまくテーマをとらえているとおもう ☆月見里司 田代さんの作品は明快ですね。 ☆櫛田鶇吾 月見さんのはなんとなく上手くまとめようとし過ぎてるように思うね。イメージは伝わるけど。 *この後、寸評会の途中でフォラムのサーバーダウン、7月15日@リアルタイム会議室A ですので、寸評会の雑感、及び、私的な判断で軍配は田代さんに。 ---------------------------- (ファイルの終わり)