クローバーのかえでさんおすすめリスト 2004年5月5日20時58分から2004年5月7日14時05分まで ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]あなたへ てがみ/かえで[2004年5月5日20時58分] もう会えないあなたへ ちょっと照れくさいけれど今日は語ろうと思うんだ **************** こんにちは 私のことをあれからも親友と思ってくれていますか 別れてからあなたのことを毛嫌いしていたけれどあなたの事が誰よりも好きでした あれからあなたは元気にしているのでしょうか 奥さんには恵まれましたか どうせあなたのことだから相変わらずあの約束の為にせっせと働いているのだろうね 寝癖頭でほとんど眠らず休日がやってくるまで体を駄目にして ご飯はカップラーメンばかりなのでしょうね そんなこと書いていたら今からでもあなたの世話をしに出かけたいくらいだわ ねぇ そこのバカ 私の拙い言い付けだけは破っちゃダメよ あなたのよく見ていた空は今どうですか 君がいつか見せてくれた絵の具の淡くて澄んだ青色みたいに見えますか あなたはあの時の青色をおぼえていますか 今まで言えなかった事がさ いつもあなたの手をほどくと どくどくと溢れ出すのに どうしてだろう またうまく言えないや もうこの言葉が届くかも分からないけれど あなたにはまだ言いたいことが沢山あるんだよ でもあなたは決まってこの時間はお酒を沢山飲むのよね そうよ それでいいの お酒の力を借りて沢山眠りなさい 少しでもあなたから毒が抜けますように 少しでも私とあなたが夢で出会えますように ------------ ねぇ この手紙届くかしら 私あなたの頭上にいるの あなたがよく語っていた お空のうえよ これが届いたら笑ってやって 便せんはあなた好みの水色のストライプ いつもみたいに景色の写真は送れないけれど 今回は雲をすこしつめておいたわ 私のお気に入りのリボンで結んでおいたから そのリボンはねこちゃんに付けてあげてね さぁ そろそろだわ あなた目がけておとさなくちゃ さようなら あなたに届きませんように ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]空想現実 夢/かえで[2004年5月7日14時05分] そろそろ外に出ようかな 引きこもりではないけれど 柔らかな日差しに触れたいのだけれどね ちょっと怖いのよ ビルの上のあの秘密基地から飛びたくなってしまいそうで --------- 外に出たら何をしようか まず手を繋ごう なんていうか、ぎゅっと握ってやるよ パン屋さんでお前の好きなパンを一緒に買おう そしたらお前のうつろな目は少しは微笑むかな 海にも行きたいね なぁアリス たまにはあの田舎道を足が棒になるまで歩いてみようぜ それで砂浜で少し休もうか 魚の死骸がこの前あったんだ まだあるかもしれない お前が見たらどんな顔するかな 海より近くの公園に行きたいわ ベンチに座ってパンを分け合いましょう 貴方はいつもはいている擦り切れたジーンズにTシャツ 私はあの白いスカートをはこうかな 似合うかしら? 私、貴方のあのジーンズが好きなの 捨てちゃうなんて絶対ダメよ 貴方にしか似合わないものなのだから --------- お日様ってあたたかいわ そうだな さっきまで私は何故おびえていたのかしら 君の気持ちのせいだよ 気にすることない 私このままずっとここにいてもいいわ 貴方とずっとここにいるの それはダメだよ それじゃあ夕飯の支度は誰がやるんだ? 「私、貴方のこと好きよ誰よりも」 ・・・・夕方になったらこのまま浜辺を歩きましょう 私、貝殻をひろうの 綺麗なものみつかるかしら 見つかったら貴方に一番のをあげるわ -------- 声が届いていますか 声が届いていますか 貴方はどこにいますか やっぱりこれは夢なのね 貴方との馴れ初めかしら 思い出? なに なに なに なに 教えてくれる? ---------- ねぇ夢を見たの こんなの久しぶり 貴方に似ている人と沢山外を歩いていたわ きっと貴方だと思うわ だってすごく仲が良さそうだったもの 貴方は昼からビールなんて飲んじゃっているの いつかの私たちみたいだった 食事たまに一緒にしない このドア開けてくれないかしら? (ドアが開かないこと位知っている私がそうしたの) 幸せになる為に確か貴方が 何かを口走ったのよね わかってる でも何かは靄の中で もう見えないわ 怖いわ このまま私あのビルに向かっていいかしら ドアの釘はもう抜いておいたから 貴方はそのままどこかへ消えて そんなこと言われたって貴方にはきっと出来ないでしょうね わかっているわ 「だからさようなら」 大丈夫これは夢よ 目をつぶってごらんなさい ほら  ひとつ ふたつ ぽつぽつ ぽたぽた 朝がやってきた ---------------------------- (ファイルの終わり)