豊嶋祐匠の水宮うみさんおすすめリスト 2019年3月2日19時15分から2019年5月20日18時36分まで ---------------------------- [自由詩]涙ちゃん/水宮うみ[2019年3月2日19時15分] なんだか疲れてしまった日は、 おいしいパンを買って、一人でこっそり食べちゃおう。 僕らは何度でも、この世界に生まれる。 ---------------------------- [自由詩]延長戦/水宮うみ[2019年3月18日6時50分] 「残骸」 僕のこころは死んだから、いつまでもちゃんと笑えるよ。こころの残骸が涙を流すこともあるけれど、寿命まで生きるから許してほしい。星を見上げたことなんてないです。希望を持ったことなんてないです。無理やり笑顔を作るたびに、心臓が年老いていく。早くこの命が終わって、君への憎悪も一緒に消えてしまえばいい。みんな今日も一日、よく頑張ったね。 「ニュース」 天使になった。街は天国みたいに晴れ渡って、相も変わらずパトカーが元気に走り回っている。私は天使になったから、仕方ないなぁって思いながら息を止めて、絶対に来ないバスをずっと待っている。早く、あなたに会いたいよ。たった一言をまだあなたに伝えられていないから、私は人間の街で佇んでいる。 ---------------------------- [川柳]にゃん/水宮うみ[2019年3月28日2時01分] 勇猛果敢に高みを目指す 背中の辺を撫でると喜ぶ 景色を眺め思索にふける 猫の言葉で夢を見ている ---------------------------- [自由詩]手のひら/水宮うみ[2019年4月6日5時56分] 一面に花が咲く。君の笑窪がひかる。星が降る。透き通る。春になる。 そんなかんじの恋だった。 ---------------------------- [自由詩]僕/水宮うみ[2019年5月7日20時09分] 優しくなりたいとは思わない。優しくなくても、構わないと思う。 人生で人に与えられる優しさには、きっと限りがある。 無理に優しくしようとしても、限度を越えると押し付けになるように感じる。 僕の優しさがその人の心に、どう届くかなんて分からない。 僕はただ、落ち込んでいる誰かを少しでも元気にしたい。 泣いている誰かの、そばにいてあげられる人でありたい。 それはきっと、優しさではなくて、誰かのためでもなくて、 その誰かのことが、好きなだけ。 ---------------------------- [自由詩]光/水宮うみ[2019年5月8日7時44分] 君が言葉に詰まった、数秒間。 その時間を、僕はきっと死ぬまで忘れないと思う。 僕にとってあの瞬間は、人に心があることの証明だ。 世界が美しいことの証明だ。 悲しみとは未だに仲良くできない。 いつでも楽しい気持ちではいられないけれど、 僕はきっと、幸せなんだと思う。 ---------------------------- [川柳]ぼくと夜/水宮うみ[2019年5月20日18時36分] 絵本の中で星を探した 月のみえない夜のかみさま あの子がすこし泣いた日の夜 ---------------------------- (ファイルの終わり)