こめのおすすめリスト 2006年10月5日0時31分から2006年10月7日10時02分まで ---------------------------- [自由詩]新しい靴/山崎 風雅[2006年10月5日0時31分]  約束なんてしてないけど  あなたに会いたいから  親には禁じられた扉を  開いてみようと思った  時のいたずらは  季節の変わり目には  必ず現れて  僕の頭をグレーに染める  新しい靴を買った  ふさわしい道を歩く  ふわふわと歩く  皆とは違う道  みっともないのは  百も承知  おかまいなく  僕は僕でしかいられない  独りでも二人でも  どこにいようが  いくつになっても  僕は僕  ひらりと時代の風を纏って  新しい約束の地に降り立つ  新しい靴をはいて  希望の紐をしっかり結ぼう ---------------------------- [自由詩]牛丼屋/山崎 風雅[2006年10月5日3時02分]  人生という一つの時  さまざまに彩られし人生  怪物に会うこともある  仏にあうこともある  こんな真夜中に寝られないで  カチカチ音を立てて  不埒な詩を書く者もいる  真夜中の牛丼屋  タクシーの運ちゃん  求人誌を見ながら食事するお兄ちゃん  仲間が集って談笑する若者  独特の安心感が満ちる  僕は独り灯りに集る虫のように  牛丼屋に吸い込まれる  注文してすぐ出てくる牛丼  いい感じ  昼間では味わえない  曼荼羅の一部になった気分  明日も早いのにね  目が冴えてしまうんだよ  コマーシャルでは  最大の勝利は自分に勝つことだって    なんのために生きてるんだろうね  学校で教えてくれたらいいのにね  数字ばかりがやけに目がつく現代  浮世の戯れ  自分の弱さを味わって食べる牛丼   ---------------------------- [自由詩]神奈川県真鶴にて/恋月 ぴの[2006年10月5日7時10分] 秋の海が寂しいのは 歩んできた人生 友と過ごした灼けるような喧騒も 土用波に掠られて 何事も無かったように 空を舞う海鳥 打ち寄せられた流木は 海鳴りの向う岸へ 置いてきた魂の重さだけ 軽くなって 海鳥は二度と この浜には戻らないだろう 上空へと飛び立ったまま スパイラルの揚力に両翼を拡げ (言い残したことは無いのか 船泊まりに漂う 舶用機関の油膜に虹を見た (船出は何時なのか 此処に留まっていれば 何があるのか気にしなければ 外海の厳しさを知らずに済む筈なのに 故郷を知らず 母の名も知らず 潮の交わるところまで この船を出そうと言うのか 秋の海は寂しく 遠く沖の背は潮騒に酔う ---------------------------- [自由詩]水面を知らない/たもつ[2006年10月5日8時44分] タイも ヒラメも マグロも みんないました 白いお皿の上で おそろいのお刺身でした 海みたい 子が言いました まだ海を 見たことのない子でした ---------------------------- [自由詩]*っ*/かおる[2006年10月5日9時19分] どっちかと言えばっ 濁点ばかりの人生だっから たっまにはギャロっプでもしてさっ ぶっ飛びながら次のコーナーを 曲がってみたいなっ ねっ そっしたら きっと グっジョブって あいの手入れてっ ピョ〜ンっ ---------------------------- [自由詩]風の軌跡/水無瀬 咲耶[2006年10月5日9時29分] 僕らの闘いは 風の名残にすぎないのだろうか 苦しいけれど この道をゆこう 昨日までの限界を彼方へ殴り捨てながら ((もっと巨きな存在が いざなっている   その枯れることのない千の眼差しで   宝を人生のそこかしこに散りばめて)) 僕は虚空に叫び続ける この身体から眩い光が解き放たれる その瞬間まで 殺せないほど熱いこの胸の渇望が あの空の高みへと  足元の大地を押し上げてくれるだろう ((世界が耳を傾けるまで   君よ 一緒に走らないか   心臓破りの丘を駆け抜けて)) ほら 少年のころに見ていた夢が もうそこまで 迎えにきている ---------------------------- [未詩・独白]古典詩ほうらむ(第二段)/ぽえむ君[2006年10月5日11時02分] 今は昔、をとこありけり。 いとあやしき箱の詩歌の会にしげく通ふ。 投げ打ちたる文、すなはち返し給う局ありけり。 誰にか会はむと入りしかども、いらへなかり ければ、つれづれなることを語るうちに、女、 入り給ふ。 大人なりければ、おくゆかしとて女の歌を 見やれば、いみじふかたき歌なり。 つきなしと思ゆるうちに、ほかより人入り来て、 今めくことににぎははしければせむかたなし とて放つ。  山里は人も心も隔てらむ   虫の音響く一人寂しき と詠みて寝ぬ。 (現代語訳) 今では昔の話になっしまいましたが、男がいました。 とても不思議な箱(パソコン)の詩歌の会に何度も 通っていました。 (その詩歌の会に)文を投げいけると、すぐに返事 が返ってくる部屋(チャット室)がありました。 (男は)誰かに会えるだろうと(思い)その部屋に 入ったけれども、返事がなかったので、思っている ことを書き込んでいるうちに、ある女性がその部屋 に入ってきました。 (その女性が)年頃の人だったので、(男はその女 性を)もっと知りたいと思って女性の歌を見たところ、 とても難しい歌でした。 (自分には)似合わないと思っているうちに、外から 人が(その部屋に)入ってきて、今の話などで賑やか になったので、仕方がなく離れました。  山里に住んでいては人も心も隔ててしまうものだ   虫の音はあんなに響いているのに一人孤独なの   は寂しいものだ と歌を詠んで寝てしまいました。 ---------------------------- [自由詩]スティル・アライブ/ペポパンプ[2006年10月5日15時15分] 是非仕事を受けてください。 何回も電話がかかり 断わりきれない。 ついに休みの日が無くなった。 月月火水木金金の世界 いつ潰れてもおかしくない。 使い捨ての歯車か? 苦しい。 遊ぶ事を知らない 最近スポーツもしていない カラオケだけだ。 俺は生きている! ---------------------------- [自由詩]かわいこぶりっこ/アサリナ[2006年10月5日16時58分] お出口は右側 どうかお気をつけて みなさんお気を お気を確かに 非常口飛び出す かわいこぶりっこ 出口がわからない かわいこぶりっこ 手にはカッター 握りしめて 破片を傷つけて お花を咲かせて ポンと咲く花 目が廻る蔦 絡まる刺にはお構いなし 雲に飛び乗り 見下ろして どこへでも行けるよ かかっておいで ドレス脱ぎ捨てる かわいこぶりっこ お家がわからない かわいこぶりっこ はぐれた場所さえ 見つけられずに 破片を傷つけて お花を咲かせて ポンと咲く花 目が廻る蔦 お花に会えてうれしいの 口笛吹いてお歌を歌って リボン振り回して 逆立ちで かわいい世界を眺めるよ 君の世界に叫ぶわよ よい子のみなさん 申し上げます だれかここで見張ってて 迷子のご案内 申し上げます みなさんどうか お気を確かに ---------------------------- [自由詩]川面思考/深月アヤ[2006年10月5日17時01分] 川面に跳ねる無数の虫たち 深い底の 引力に抗って 跳び続けなければ 直ちに飲み込まれ 消える 嵐の夜の虫たちは魚となり 晴れた日には姿を隠す 掬うのは 網ではなく 瞳 ほんの一瞬目を離しただけで 非日常から日常へ 五感が肩に乗った時 それは途切れ 虫も魚も空からの回帰と知る 底に 沈む時がやって来る  ---------------------------- [自由詩]傷ついた芯(ハート)/Lucy.M.千鶴[2006年10月5日20時13分] ひとつの りんごを ふたつに 切った 鋭く開かれた ハート形の 心臓が 痛々しい 今 きみの 心は こんな なんだね ぼくじゃ だめなんだよね ぼくじゃ・・・ ぼくは りんごを ガリリ と 噛んだ ---------------------------- [自由詩]とにかく上に進むこと/ぽえむ君[2006年10月5日22時41分] とにかく上に進むこと 蟻地獄のように もがけばもがくほど 下がってしまうこともあるけれど きっと何かをつかめるはずだから 悲しくても 続けてゆくしかない とにかく前に進むこと 迷路のように 歩けば歩くほど 迷子になってしまうこともあるけれど きっと誰かに出会うはずだから つらくても 歩いてゆくしかない とにかく何か動くこと 底なし沼のように 動けば動くほど 身動きできなくなってしまうこともあるけれど きっと誰かが気づくはずだから 苦しくても 動いてゆくしかない ---------------------------- [未詩・独白]豆腐の角を曲がったところ/プル式[2006年10月6日0時47分] 神は消えた 明日は我が身か ---------------------------- [自由詩]とっても出せやしない手紙/松嶋慶子[2006年10月6日1時45分] ガラスに映る私は 遠い日のあなたそっくりで げっそりと、疲れ方までそっくりで 慌てて背を正しても、微笑んでみても その仕草までもがそっくりで かあさん、げんきですか? その頃のあなたは、 まだ恋をしたりしてましたか? 私はもう忘れてしまいました 恋がどんなんだったかなんて なぜかそんなことを考えたりします かあさん、げんきですか? 人間って じたばたしていても結局こうやって 年食っていくんだな どうせならもっとどんと構えて 自分をごまかさないでもいいわたくしになって かあさん、私はげんきです 欲張りすぎていたかもしれません みっともなくがつがつしすぎて 一つの荷物しか抱えられないくせに いくつもの荷物をほしがって 捨てる覚悟が出来ません かあさん、 かあさん、 30年後の私は、あなたみたいではないかもしれない そのころ、きっとかあさんはいなくて かあさん かあさん? いくつになっても あなたの子宮が恋しいバカ娘です ---------------------------- [自由詩]雨宿り/水在らあらあ[2006年10月6日5時20分] パン屋で晩ごはんに パンを買ってたらさ 雨降ってきて 俺のほかにお客さん三人 雨宿りだ このパン屋は引っ越してからよく来るようになった おいしいし お姉さんがきれいだから 焼きたてのパンの匂いがするね ほら どこからかなあ 俺たち浜辺にいるのにね ああ 君の髪の毛からだよ クンクン  なんていうことを してみたい そこにあるワイン開けようぜ リオハの若いやつ こないだ俺二本買ってったじゃない おいしかったよ でも そっちのシャンパンでもいいよ このまま雨が降り続いて ずっとずっと降り続いて そうしたらこのままここで俺たち結婚式を挙げよう 証人二人はこのおばちゃん達 神父さん要るならこのおじいちゃんでいいよ あれ おじいちゃん帰るの  まだ雨強いぜ 気をつけな バイバイ しかたないね 神父さん帰っちゃった 杖ついて そしたらさ パンで作ろう 神父さん エルビスかなんかの それで二人でワイン飲んで パンちぎって 手でちぎって 結婚指輪は君が作って お菓子とか上手そうだから  食べれる結婚指輪って いいのか いいか そして誓いのキスはきっと 甘いんだろう 怖いくらい 甘いんだぜ 君のその唇より甘いお菓子なんてこの世界にないんだぜ それで さ  そのあとも君はずっとパン作って 俺は実は白いごはんとか食べたくなってるんだけど 我慢して ワインがおいしくなくなって 君を悲しませるのが日常になっちまって 雨はまだ ずっと降り続いて だから やっぱり さあ もう俺 帰るよ バイバイ またね ありがとう 土砂降りの中 シャツに買ったパンかくして 走る 素肌を 焼きたての 硬い生地が ひっかいて ひっかいて 痛くて それが 心地よくて いい匂いもして ---------------------------- [自由詩]そして、いつか猫になる/佐野権太[2006年10月6日8時42分]   冷たい雨が染み込んでゆく苔(こけ)の   やさしい沈黙に   身体を重ねたくなる夜は   窓ガラスに青いセロファンを貼りつけて   閉じ込めた気泡の膨らみを   指先でなぞってみる     いつか出合ったムラサキシジミは     はらひらと水生の葉に宿り     青いまばたきを、そっと吐息に隠した   何もいいことがなかった夜は   柔らかい羊皮紙を   広げたり、畳んだりしながら   蒸留されてゆく雫の隙間に   ひっそりまどろんでいる   朝の音色を見つけると   低い姿勢で飛びかかる   ふりをして   大きなあくび   こうして、ひとたまの猫が   生まれるのです ---------------------------- [自由詩]雨の日の冷蔵庫/ぽえむ君[2006年10月6日13時35分] 雨の日の冷蔵庫は 扉を開けるのが いつもよりもどこか重たくて 暑い日よりも その冷たい空気が肌に伝わる 建物の中の 頑丈なまでのその箱は 激しく雨が降ろうとも そのリズムを変えることなく その使命を遂行し続ける 窓越しから見る嵐は 葉を大きく乱し 時には枝をも折る 窓際に置かれた冷蔵庫は 常に一定に 平等に風を送り続ける ガラス一枚 壁一つのわずかな面が 混乱と秩序の世界を 大きく裂いている 冷蔵庫の中は 取り出した牛乳パックが コップ一杯の量だけ 減っただけである ---------------------------- [自由詩]雨(7)/ペポパンプ[2006年10月6日14時57分] 波が立ち 風が吹く 寒い 雨音 何も無い一日 柿にヒヨドリ 時は流れ 陽は沈む 水は命を育み 木々は生茂り 魚は泳ぎ回る 人は癒される ---------------------------- [自由詩]ЁЙЭЖЯбК/atsuchan69[2006年10月6日20時12分] 哀愁の風が白いキャンバスを揺らす 冷たいルビーと無邪気なスカーレットをパレットに置く イーゼルは回転する地軸にあわせて移動し、 重力波”ξ”に押される歪んだ時空を支える ペインティングナイフに 赤いことば」をのせる キャンバスに散らばる ううう、「悪意とも云うべき行為、 侮辱と、蔑みの色が背景をしつらえる 笑みと殺意の世界にふりそそぐ粒子の「七色 ざわめくイスラムの雑踏/ コーランの読経 ))) 東京銀座を颯爽とゆく 女給の、菫の花の匂い 地雷痕の沼を すばやく泳ぎわたる大蛇 売りとばされる臓器と 貧しい国に生まれた子供たちの、輝くつぶらな瞳。 産業廃棄物の山より眺める黄砂の空に 浮かぶのは、遥か海の蜃気楼‥‥ 今しも黒い液体を運ぶタンカーが静かに渡る これらの事象を精緻に、 傾いた構図と東京電力に配慮しつつ 描く、左手に ずっしりと重い「コルト・シングル・アクション・アーミー 唯、描けなければ もはや死ぬまで 早く、リボルバーを回せ!   ‥‥ЁЙЭЖЯбК‥‥ 絵の中で世界は地軸を失う 古の魔術はCPUに封印された、  :(破壊された寺院)  :(地獄行きのジェット編隊)  :(燃え上がるパリ、そしてローマ) 生クリームを塗ったジェノワーズに あの日、飾り忘れた苺のたった一粒が チョコで書いた君の名前とともに載っている ――誕生日おめでとう!  今日はたぶん、世界が終わる日だ ---------------------------- [自由詩]青い鯨が空を泳ぐ/プル式[2006年10月6日20時34分] 深いねずみ色の雲の上に 薄ネズの雲は所々に白く さらに遠い高層雲は青く浮かぶ 月の虹は丸く 流れる雲が生き物で無いと示す 止まった呼吸がすっと吐き出され 僕はこの世に帰ってくる つかの間に見えた月は明るい まるで世界の全てを見渡すように 大きな雲はゆっくりと泳いでいった 世界は大きく美しいと 人々に伝えるために ---------------------------- [未詩・独白]或いは真実/atsuchan69[2006年10月7日0時09分] 恐れは詩、死、しかも刺、思。 屍骸 エシュロン 乖離 黙示録 a: 肉体的な関係 b: 過去の発言と行動におけるすべての統計(DB) a+b=いやぁんジョイトイきらい、でも止めないで! それほど多くの滋賀たらふく 賞味してみろ鮒寿司。 美しいきみのせいきにくちづけをしてはてない夜の匂ひに 乾電池。 イナ感電死、かな? いじけた小心者たちの籠る 青白い夜の巣窟へ 放て 火を! あろうことか おまえたちは弱者の自由を殺しておきながら、 自分がやられときには いつもきまって暴力を否定し、糾弾するのだ。 小理屈をこねている間にも  後ろを見よ、 たった今 おまえのすぐ後ろだ! まだある色とりどりの記憶の薔薇模様は、 インシュリンショックどころか それは/DOCTYPE宣言中に指定されているシステム識別子が正しくありません。 紫のしびれ保たれる朝、 よろこびのうせた萎びた人々ともに ゆれる電車はたえまなく崩壊する都市の最深部にむかってGO! OK てぃるだす・どぅ・あす・ぱーつ。 溺愛のリコが今日も歌う、 つまりあなたは永遠に あなた自身の あなた自身の(コブシをきかせて) ア〜ニマ〜に夢中ネ♪ でもだいじょうぶ。 毎日ちゃんと朝ごはんたべてる詩!  ちゃんとお薬のんで睡眠もとってる死、 きっと明日も なんとかなるって。 くるならこんかい その言葉つこうた以上、 なまはんかやすまへんど。 いちど言うたら最後や とりかえし利かん。覚悟しいや。 おまん 自分から先、言うてんのとちゃうんかい。 行け! Tバックショーツ 有刺鉄線ぐるぐる巻き 爪、ペンチで一枚づつ剥がしながら。 ボールペン 鼻の穴に突き刺しスコーン! その前にイソジンで嗽、 いや接待で2度ほど。 夕暮れにたなびく焼けただれた雲 死のうが生きようが 妙にフレンドリーな都市の優しさ なんやねん マシンガンの弾? 怖ない 怖ない いっぺん地獄の深淵のぞいてみいや、 比べたら まるで子どもの遊びや。 そんなもん ガキの遊ぶ水鉄砲と変わらんやないの。 よう聞きや、 金融も数式もぜんぶ言葉や。 世界は詩人の言葉で動いとんのや。 ほな それは誰の言葉や? おまえか? (言葉を)裏付けるのは力 或は真実。 坊ちゃん、 詩人 気取りたいのやったらな、 つまり いっそのこと悪魔に魂売らんかいや。 簡単なこっちゃで。 あかんのやったら ちょうちん提げて他人の轍を歩かんかい。 誰ぞ えらいお師匠はんみつけてな。 それとも 誰にも相手されへんような つまらんビンボーな詩人になるか? きっと長生きでけへんけどな。 まるで叶わない、 まるでアンチョビな 出鱈目なピッツァ、たぷーりっタバスコかけちゃったりーナ! ソレデモッテ、往かせたりーナ。 ミス・オオサカ、ナポリタン・スパゲッティーノ。 ラザーニャ、フェリーニ、ビスコンティ、チョチョリーナ。 一瞬の涼しさ 身体じゅう吹きだす汗とともに 花々の咲き乱れる、麗しき夏。 藁に包れた戦術核のみごとな大輪。 でんわ、 ――パリは燃えているか? もっと生肝くいなはれ な、命の色はまっかやろ。 -------------------------------------------------------- 初出/'06/04/03 文学極道 ---------------------------- [自由詩]お月様/山崎 風雅[2006年10月7日1時37分]  空の上からぽっかりと  僕達を見下ろす月がある  夜の宴か満月か  地上に湧き立つ生命の神秘  それを見下ろすお月様  言葉で伝えず明かりで語る  雑音だらけのネオンを眺め  にっこり笑う月がある  笑う門には福来る  今日の明かりはやさしいなぁ  静かに眠るあの子を照らせ  手に乗るほどの希望しかないけど  幸福よ我らにきたれ  やさしい月の微笑みは  蒼い地球をみまもっている  大事な約束破ってゴメン  どうかしてたんだ  満月開花の夜にひとひらの風  僕の小さな罪を拭い去ってね ---------------------------- [自由詩]雨降り十五夜/LEO[2006年10月7日1時57分]   今宵十五夜の月を 楽しみにしておりましたのに 朝から硝子窓を濡らす雨は 一向に止む気配を見せません 花器に 手折った数本の芒と一枝の萩を 無造作に入れ 恨めしげに外を眺めておりました さらさら  さらさらと 背後に動く気配を感じ 見れば 硝子を伝う滴が 外灯に照らされ 影となって 部屋の壁を流れるのでした 外は雨、 硝子の雨、 私に雨、 流れる時間を目で追って それもまたよいように思え 芒と萩を見やってから 静かに瞼を閉じました     ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]クローディアの死んだ日。/もも うさぎ[2006年10月7日3時30分] あの頃あたしは モンパルナスの小さなアパートで クローディアと一緒に暮らしていた。 暮らしていた、と言っても、三ヶ月くらいの間だったけど。 その小さなアパートには、 クローディアと、友達のアニー、アニーの娘達が二人 そしてクローディアの犬が一匹暮らしていた。 この犬はあたしにとてもよく懐いて、いつもあたしの後ろをついてまわった。 静かな、いい犬だった。 クローディアは60を過ぎたくらいのフランス人女性だった。 昔はさぞかし美人だっただろうその風貌には、数年前に患ったと言われる病気の影が少し残っていた。 クローディアは毎日タバコを吸い、ビールを飲んだ。 そしてあたしにいつも同じ話を一生懸命してくれて、ピアノを聴かせてくれ、とせがんだ。 クローディアは魔女だった。 これは本当の話だ。 クローディアには、不思議な力があった。 クローディアの占いは、その世界ではちょっとした評判で、世界各地から占って欲しいという手紙がきていた。 あたしも占ってもらったが、それはとてもよく当たった。初めて、世に言う不思議な力を信じたのがこの瞬間だ。 深夜、水を飲もうと起きたあたしは、キッチンでビールを飲みながらカードで占うクローディアを見かけたことがあった。 彼女は優しかったし、 いつも悲しそうな目をしていた。 彼女の犬も、そんな同じ目をしていた。 ある日、あたしは学校の大事な試験があって、クローディアはお守りに、と言って、幼い頃からしているという大切な指輪をあたしに預けてくれた。 この指輪は、試験の期間中、あたしを守ってくれた。 あたしは知らなかった。 あたしが試験を受けている間の日に、クローディアは病院へ検査を受けに行っていた。 クローディアの指輪は、あたしが持っていたままだった。 クローディアの病気は、再発していた。 あと、三ヶ月だった。 その後クローディアは、あたし達の前にあまり姿を見せなくなった。 犬をどうするの?と、アニーの娘の一人が言った。 犬はあくまでもクローディアの犬だったし、クローディアのいない世界を、みんなが考えられなかった。 指輪を返したとき、クローディアは弱々しく微笑んだ。 その後のことを、あたしは知らない。 この直後、あたしは日本へ帰国することになり、次に渡仏したときには一人暮らしをするアパートが決まっていた。 あんなに仲の良かったアニーの娘達とも、連絡をとらないままにもう二年が過ぎようとしている。 あたしは クローディアの最期を知らない。 指輪がなかったことがクローディアの力を弱めた。 少なくとも、あの奇跡を目の当たりにしたあたしには分かる。 そしてあたしは、クローディアから逃げたのだ。 本当は分かっている。それはあたしのせいではないこと。 クローディアはあたしを責めたりはしていないこと。 でも、死というものは、 足音を少しずつ大きくしてこちらに向かう。 クローディアのような魔女にも、それは同じだった。 死は、けして美しいものではない。 あらがってあらがって、 醜く人は亡くなっていく。 それが正しい。 クローディアを最後に見てから、もう少しで二年。 あたしはあのアパートの誰とも連絡を取っていないけど、 クローディアはもう確実にいない。 せめてクローディアの死んだ日が 今日みたいな雨で しとしとと降り続く雨で あたしが泣いた そんな日だったらいい je t'adore, ma deesse. ---------------------------- [自由詩]祈りを絡げて繋げる夜にうたえ/藤原有絵[2006年10月7日8時21分] 貴方が愛されて 泣いてしまう夜を 時々知っている 涙を落とす 貴方たちよ 私は 祈っている 温かい腕に抱かれて 眠れ と 私は 想っている 私たちが繋がっていますように と 貴方が私を忘れてしまう日も 私が繋げていたい 私が忘れてしまう日が 貴方たちに繋げられるように 愛していますよ 何度も何度も お便りしますよ 私はいつも 貴方たちの傍にいないけれど ずっと繋がっている ---------------------------- [自由詩]「ピース」 /服部 剛[2006年10月7日9時31分] 職場の先輩が  強気な部下のOLに牙を向かれ  いじけてた  この日、日誌の僕は  書類をコピーしたら  紙が詰まった  事務所に行って  先輩呼んで  「 頼りにしてます、助けてください 」  先輩はコピー機について  あれやこれや教えてくれて  少し胸をはって事務所に戻った  人それぞれ、棘(とげ)があるのは仕方ない。  凸凹だらけの自分や人を組み合わせ、  「今日という日のパズル」を作ろう。  ---------------------------- [携帯写真+詩]雪がとければ春が来る/プル式[2006年10月7日10時02分] 心の中で呟いてみる それは音にならない 透明な言葉 だのに君は振り向いて どうしたのと聞いた 僕は嬉しくってさ 何でもないって言いながら 笑っちゃったんだよ どうしたの 何でもない たったそれだけの言葉で ---------------------------- (ファイルの終わり)