薬熊 2011年3月11日18時19分から2011年8月24日15時57分まで ---------------------------- [自由詩]揺れる/薬熊[2011年3月11日18時19分] これっきりの今日を全部忘れて また新しく作り直そうよ 充足感からくる喜びを常に維持するために必要なことを教えてよ ほら笑って 文明はよいもの だから 知ってしまったことは不幸ではないのだよ 「見分けがつかない  愚かな私には  目の悪い私には」 おねがい 雨が降って、世界を遠ざける 白いカーテンに包まれた、私たちはふたりきり ふたりだけでいいよ この世界には ---------------------------- [自由詩]私は食べたのです/薬熊[2011年3月12日21時54分] 空虚である 「あなたは拒食症なのですか。」と ここまで出かかったのだけれど それでも あたしには勇気がなくて ほら 愛す 勇気さえもなくて 死んだら 泣くけれど ねぇ あの娘でいいから愛して そうじゃないと あなた 今にも 今でも ボロボロ 指は骨折して 筋肉は傷んでいて 内臓さえもちゃんと機能していないし 心さえ 惜しいことをしているわ 誰よりも数学が得意なのに 昔から 自分を大切にしないんだから それはだめだよ あなたが一番偉いのに なんて 信じないか 空虚である そうして いつしか ぜんぶ 消えてなくなる ---------------------------- [自由詩]夜のライト/薬熊[2011年3月14日15時15分] 受話器越しの声があたたかい 電話ボックスで"ふたり" それは嘘が真実になった瞬間だった。 疑いはない。実感そのものが、どこにもないのに。  もっと奥まで  目が冴えないから ただ愛のみが堆積していく。 いつか風化していくのだろうか。 「野晒しのココロ」というものに憧れる (なれない) かなわないなと 思う ―どうか、どうかお互いが惹かれ合っている内に キスをしよう ---------------------------- [自由詩]狂ったスカイ/薬熊[2011年3月16日2時10分] ―葡萄を与えて下さい いつのまにか 本心を見失って居て 揺らぐ蝋燭の様に ざわめく ソラSky いつのまにか 彼女は狂って居て とめどなく溢れる 涙と共に…叫ぶ≪Cry≫ 本当に愛してたのに どうしてだよ 言葉を忘れてしまった 例の――… 機械みたく繰り返すひとつの言葉 “これ”を受け入れろとでも? 耳が侵されそうだよ 僕に出来ることなんて 何が有る ただ抱き寄せただけだった 苦しくても、何も… 何が言いたい どうしようもなかった そこには 自己顕示欲が無かった 愛が足りない? ただひとつの果実の為に とめどなく溢れる後悔と破壊…「ソラル!」 本当に好きなだけなのに どうしてだよ もう僕を視て居ない 例の――… 機械みたく繰り返すひとつの言葉 “これ”は呪縛なのか No.を そうしてSky 変容して 僕から離れるんだろ 絶対 ××以外の全てを与えるから お願いだから… いつのまにか 大切なものを喪って居て ふれたら感じる熱いCandle それでもずっと ずっと僕は 「――――――」 「“どうか、葡萄を給へて…不安が、どうしても拭えないの!  葡萄を給へて下さい”」 僕では無い… もう 振り下ろすことも、無い never… ---------------------------- [自由詩]atom/薬熊[2011年3月19日22時33分] 深夜も稼働する3交代の恒常 (綻んだ)私の身体も治して 何も要りません 与えられるもの全てが下らない 私たちの愛が充実していれば、運動なんて無くとも 満ちて居られる。 トラス構造で私たちの愛を支えて。 To LOVE.濃度の濃いaqで低下しない圧力。 運動が改革と共に生む不安定。四節リンクという恐怖。 私はペダル。 問題から目を逸らし、曖昧にしてぼかす。 往復運動じゃ足りないよ。 私たちの間に正規の連接棒(キューピッド)はいないのか。 擦らない 貫いて 10の7乗倍の愛で私を包んで ---------------------------- [自由詩]天使を食べたい/薬熊[2011年8月24日15時57分] 天使を食べたい 天使の血肉を貪りたい 身体の弱い天使 その上、均衡のとれた、成熟してゆく肉体 その捲くられた腕を、晒された頬を、耳たぶを、髪を、・・・・・・ そんなにも美しい姿をみせないで わたしの隣に来ないで  本当は、貴方の唇を求めているから 天使もあの背徳の行為をしているらしく それならばわたしをも求めてくれやしないかと 教え込む、とは言わないから わたしで遊んで欲しいと 一度わたしは天使を冒涜し、捨てられたのだけれども 天使のその溢れんばかりの魅力に、眩む 天使は、弱い なにもかもが優れている 「天使、」縋りたい もう一度、天使に助けて貰いたいんだ 『慾』 きみを救うことはわたしにはできないと言うのか 好いてしまった 「優しくされてしまったのです。」 愛してしまった 「愛されてしまった。」 見附けてしまった 「天使の手の傷と脆さを。」 忘れてしまった 「天使と、私自信を見失い―・・・。」 わたしは無力だ 天使の前に在る揺るがない価値観に 日常を選択してしまうわたしはゴミ同然 汚物 ---------------------------- (ファイルの終わり)