藤鈴呼 2014年7月18日23時25分から2014年9月18日17時28分まで ---------------------------- [自由詩]瞳/藤鈴呼[2014年7月18日23時25分] くまの ぬいぐるみのような てかてか した 黒い 物体が 枝垂れ桜の 近くに 有ります 東屋へ 行く途中 「道中 お気をつけて」 と 見守って くれているかのよう 水面に映る 紅葉 いちまい ちょっと 寂しそうに 思えて 目を閉じる 寸前 空と 木陰の 作り上げた 猫型ロボットを 見つけて 見詰めてしまったから 閉じることを 忘れた 瞳 ---------------------------- [自由詩]花火のように/藤鈴呼[2014年7月21日11時12分] ヒイラギの葉のように トゲトゲした ココロ模様が 白く 馨しい 花びらと ともに まるで 花火のように 砕け散って しまいました ---------------------------- [自由詩]夢見石/藤鈴呼[2014年7月23日11時11分] 編み込んだ 分だけ 手垢の 残る ストラップ 石の 意志 漸く 編めた 手汗さえ キラリ 光る ビーズならば 合間に 穴が開いているのも 定番 石を 傷つけていない、 これは 大きいのかも 知れません どこにでも 転がっている 当たり前の 石ころを どこの誰にでも 見える状態から 独り占めして しまっているのは 逆に 罪深い気も しますけれど その分 手元の 包み紐と 共に 温もりを 伝えて 勘弁いただきたい ところです 夢見石にでも 変身できそうな 嬉しさを 得ました ---------------------------- [自由詩]ミシンは/藤鈴呼[2014年7月28日0時27分] 糸色 意図的 色々と 軽く 韻を踏んだつもりに なりながらも ミシンは 踏めぬから 人には 踏まれぬようにと 歩き 続ける これぞ 雑踏 雑多なコトを 考えながらも 大雑把に 活きるが故に 雑魚と 呼ばれるコトが 有ろうとも 釣られはせぬ 吊り下げた 美しき庭の△を 眺めながらに ただ 春を 待つのみ ---------------------------- [自由詩]顔文字/藤鈴呼[2014年7月29日17時40分] ありがとう ごめんなさい あいしてる だいきらい 色んな感情を 代弁する 顔文字は とても 便利 動き回る 絵文字や 遣ったことのない スタンプだって 魅力的だけれども 機種も 関係なく 何となく 連想させる 顔文字は きっと 最強 喜怒哀楽を 強く 出すと 嫌われると 体感した日から 穏やかな 笑顔で  静かに 生きることを 心掛けて 来た 本当は 違うの  そう 分かって いながらも 私じゃない 世界で 新しい名前を ゆっくりと 呟ける時代 テスト用紙に書いた 本名よりも 馴染み深く成り果てた ハンドルネーム 最後に付ける ☆マークや ♪マークで 何とはなしに 可愛らしさを 表現してみたり 言えぬ・癒えぬ・その代わりにと こそっと添える 免罪符 嗚呼 だけど 違うんです それだけで 謝った気に ならないで 下さいな そんな 考えが 誤って いるのです どこからともなく 微妙な表情の顔文字が 脳内に 転がり込んで来て 離れない 手元に有る どんな顔文字 遣っても 表現しきれぬ この気持ち 浸かってしまう 感情の波が 見えない 音も浮かばぬ世界で 今 また 顔文字に 潰されそうに なって行く ---------------------------- [自由詩]ハイヒール/藤鈴呼[2014年7月30日22時34分] 認める 認める 認めるじゃないの 認める みとめるじゃないの したためる 舌に溜めた 戯言が  ゆっくりと 浮遊して ふわり 飛んで行ったような 気がしたけれど 黄色くて 青かった筈の 空で有った場所を 見詰めながら ぽつり キミが 呟いた 「希望の 青空だ」 満場一致で 大喝采 笑顔の筒に ハイビーム それから 笛を吹いて ちょっと お喋り 気が済んだから 窓拭き大会 殻武器も オツなんだもの カタイゾウキン 遣ってね よっこらせっと 雨を頼りに 歩き出す あなたからの 便り 今度は 届くかしら 空の上まで ---------------------------- [自由詩]オムライス/藤鈴呼[2014年8月1日21時09分] 黄色いドレスを纏う少女が くるくると回る キラキラの粒を反射して とても 綺麗だ 転げ落ちそうになる瞬間には 硝子の靴を受け止めてくれる 王子様が 居る 名前は フォーク 銀色の剣を持った 紳士だ 春には緑の芝の上 夏には青い海の中 秋には茶の葉の下 冬には白い雪の中 色んな場所が  彼等のステージに なったけれど やはり 此処が 一番 安定するよねと 二人が選んだのは とっておきの デミソースの地 皿の国 観客のベジタリアン達も ミックス ミックス! と 歓声を 贈る夜 僕等 まとめて 紅の唇に 吸い込まれた ---------------------------- [自由詩]惑い独楽/藤鈴呼[2014年8月4日20時54分] 私達は 駒だけれど コマにだって 上手に回る コツが有る 力の入れ具合を 間違えたなら 空回り するんだ そんなコトも 分からないで あっち こっちに 絡ませたタコ糸を 無理矢理 引っ張って置いて やれ 回り方が 悪い もっと 周りを 見ろ 文句ばかり 垂れ流すのは 間違って いるんじゃないの? そう 歌っているよ 目の前の こま ちゃんと その 表情を 汲み取って みなよ 模様の 描き方も 知らないで 何だか ステキだねぇ なんて 歯の浮くような セリフ そんなんじゃ 虫歯になっちゃうよ 知ってる? 歯槽膿漏に なったら 噛み応えが 無いどころか 噛む行為 そのものが 死にもの狂い なんだから そんな風に 廻らせないで ---------------------------- [自由詩]すする/藤鈴呼[2014年8月5日23時46分] アツアツ の ラーメン を ハフハフ と すすった後で 店を出た キミが 叫ぶ すごいよ! 何がだろうと 振り向くと 白い 波 波 波 舞い踊りながら 暗闇に 映える あんなに降り積もった雪を こんなに積み上げる事も 随分 大変だったろうに そんな 会話とともに 通り過ぎる 直前だった 広い 駐車場 拾い上げたのは 一抹の 不安 それとも 希望 とろとろの 汁の上に ふわり 乗せた 海苔が 滴で 満たされて しまう迄に 結論を 出せ 長い 麺を 一挙に すする事が 出来たなら 今夜 すすり泣く ことから 逃れられそうだと ---------------------------- [自由詩]タオル/藤鈴呼[2014年8月7日9時43分] 暗闇に溶けた膿を ゆっくりと 取り出す為に タオルを 絞る くねくねに 歪む 表情は ちょっとダケ じれったい ちゃぷん と 湯水に漬けたら とって置きの漬物が 完成しそうだ 歓声の溢れる広間で 本当に溢れるのは 飽和状態になった 幾つかの 想い 気持ちが 重いからと 煙たがられた 過去も 思いのままに 書き殴った 幾つもの 掲示板への カキコも キコキコと 一つずつ ネジを 閉めたなら それで 御仕舞 今日は 閉店ですヨ ガラガラ ピシャン 冷たい 音がする ぴちょん 搾り出した 唇の中から 新しい言葉が 飛び出して 蛙に成った もう帰ろうよ お家は もうすぐ どうして いつまでも ウジウジ しているの? 見上げた 純粋無垢な瞳が キラキラと 瞬き過ぎて 直視 出来ない その 輝きごと 全て タオルで 拭き取って しまった ---------------------------- [自由詩]湖面/藤鈴呼[2014年8月18日14時38分] ピキッと入った 切れ目が 縁の切れ目と 呟いて 円形の 筒を 見詰める 堆く 積まれた 其れは 彼方迄 伸び 留まる事を 知らない トクン トクン この 心臓を 赤い 血液が 流れて 幾の 幾つのポンプが 循環したら もう一度 戻って 来られるのかしら お前は 間違って居る そんな 台詞と ともに ピシッ と 指差されるかのような 苛立ちと ともに 冷たい 湖面を 見詰めれば 反芻する 山彦が 遠くに 近くに 聞こえる 聴こえぬ 効いてる 訊いてみる ピシッと入った 凍りの線が 妙に 綺麗で 見とれたまんま その場から 離れられなかったよ ---------------------------- [自由詩]やさしいことば/藤鈴呼[2014年8月19日19時07分] 優しい言葉ばかりを 紡ぎ出す事は 容易い 思っても居ない心を 並べ立てて  笑顔で お喋り そういうモノでは 無いでしょう 一つ 一つの 糸を 絡め合えば 喧嘩にも なる 蜘蛛が 空へと 昇れたのは 何も 尻から 吐き出す糸を 逆噴射したからでも 無く 泣き出した 子供を あやしながらも 耐え切れずに 逆切れしたからでも 有りません 其処に 空が 有ったから などと言う 単純明快な 話でも 無い ぽかん と 開けた口のままで ぽとん と 涙を 流しながら 見上げた 雲が そんな 形に 見えたから ちょっと 呟いて みたの ---------------------------- [自由詩]やさしさコート/藤鈴呼[2014年8月20日19時50分] 優しい言葉を 探す ねぇ 何が 優しいのですか 易しい の デスカ? やさぐれて しまっては 本当の やさしさが 隠れてしまって 哀しいの 見え隠れ している内は まだ良いの すっかり 雲の 影になった 真冬の 太陽みたいに ただでさえ 貴重なのに もう 二度と 目にすることなど 出来ない 芽も 出ない そんな やさしさコートで 包まないでね 手厳しい 事実も やさしく やさしく コーティング コーチングされたら 一番 良い形の 「やさしさ」 滲み出るかしら それとも 酔い形で ふらつくかしら 宵の月と ともに またたくの かしら ---------------------------- [自由詩]星型の オクラ/藤鈴呼[2014年8月23日21時48分] 調理の得意な人は  もう一次元 ステキな世界へ 連れて行って くれる そんなレシピを  考案して くれる アナタは めっけもん 今流行りの もやしもん よりも なめこたん よりも  可愛らしいかは 知らないが オクラの断面が 星型だと言う 事実よりは ずっと 有効 包丁を 突き立てて 一番 柔らかく 染まる角度で  スッと引く 引き際が 肝心 人も 波も 包丁も 然り うどの大木ね と  嘲笑されたからと言って 悩まないで 下さいな 心の角度に 寄り添いながら スッと 惹いて見たら アナタの 弾いた 夢物語が 只今から 始まる合図 聞こえる プロットも パレットも  存在せぬのに 何よりステキな 色合いに 染め上げるから ---------------------------- [自由詩]ねこかぶり/藤鈴呼[2014年8月25日22時22分] あなた の そとがわ は 気前の良い 人間だけれど わたしは 知ってるの 内側に住む にゃんこ性質 一枚ずつ 薄皮を ぺりっ と 剥ぐように 朝の 薄氷で コテッ と 滑るように ひとにゃん ふたにゃん 脱いで みましょうか 先ずは 三毛猫 にゃんこの 王道 か どうかは わからにゃいが アメショーの 雑種なんて いかがでしょうか 続きましたる ペルシャ猫 白いベンチが 似合います 窓辺と カーテン そよぐ風 涼しい顔で 見つめます そして 黒猫 みんなに 嫌われ 可哀相 私は あなたを 愛してる ブラック・キャットは ミュウの イメージ・キャラクター 真っ白く 細いニャンコが 冬の 小道で 丸まってたら 要注意 タイヤを そのまま 転がせば 雪玉と 勘違いして 殺めて しまいますよ 一番 要らぬ キャラクターから 殺めてしまえ こんな わたし あんな あなた どんな わたしたち? 嗚呼 でも 思い出したわ 猫被りでは 足りぬ 事実に アタシ 寅年 だったもの やっぱり 猫じゃあ 足りないの あなた 猫 かぶってるわね わたし 虎 かぶっているの だから 二人は 被らない 永遠に 分かりあうこと 知らぬけど あなたが 猫を ひとにゃん 脱げば わたしは 牙で ぎゃあ と 啼く 噛み付いたりは しませんヨ ベンガルだって わきまえている 飛び付いた 瞬間に 殺されて しまうのですから ひとにゃん ふたにゃん 可愛い角度で  喉を鳴らして 甘えます 撫ぜる手の 温かさだけ 憶えたら 今度は 優勢 あなたは 雄性 わたしは 郵政民営化 駐車場の 白い雪が 猫の形に 固まって 中まで 入れないの どんな牙を もってしても スコップみたいに 掻き出せぬから 雪は 雪 雨みたいには 流れない 絶対に 流されないの そう 呟いて 邪魔な 着ぐるみ 脱ごうとしたけど 寅年だから 脱げないの 永遠に ---------------------------- [自由詩]栄光/藤鈴呼[2014年8月27日20時33分] 何処に 隠れてしまったのか 探す この 窪みか この 暗闇か 真っ暗だと思えた町並みに 灯りが見える度 ちょっとだけ 救われた 気になって 目を凝らして 前を 見つめるけれど 果たして それは 真実の 明るさだろうか 年月をかけた分だけ 年輪のように 広がるならば 傷も また 然り 切り裂いたり 粘着テープで くっつけたり 100均のボンドを 探し求めたり 喜んだり 貼り付いたり 針つけられたり でも 刺されなければ 平気です 痛く ないから 物理的な 痛みを 伴わないから あたし 平気です そう 呟いて 音無しの滝と 灯篭に 全てを 閉じ込めた ---------------------------- [自由詩]黒猫とタンポポ/藤鈴呼[2014年8月28日20時26分] 軋む葦を 隠れ蓑にして 僕は 歩き続けた 春に成れば ふわふわ の アイツに 会える それが 何よりも 楽しみだったから あんなにキレイな 月世も 湖から 消えてしまった 湖面に映る もう一つの物語が 大好きだったのに 残念だ 無念だ 泪を落としながらも 歩き続けた 黒猫の 軋む脚に 葦が 絡まる 白鷺が 我慢強く 佇んで生る スッと 気高い 格好良さに 心 打たれて 思い出した ふわふわ の アイツのコト とても 華麗に 空中を 飛び回るから お前は 本当に 自由だネ いつだったか からかった コト アイツは 黄色の花びらを ヒラヒラさせて 踊っていた 笑う ダケじゃ なく おどける ワケでも なく 楽しそうに 微笑んで いた ---------------------------- [自由詩]魅惑のムール貝/藤鈴呼[2014年8月29日20時58分] 閉じたり 開いたり 貝殻 カララ 真空管の 声がする カラカラの 頭の中を 巡り 巡って 焦った喉が カラカラと 哭く 透明な 真空パック 野菜を 封じ込める 便利グッズ 少し 盛り上がった 白菜を 冷蔵庫に 隠す 豚コマと 一緒に 本だしで 煮込んでしまおうか ぽろん ぽろん 乾いた太鼓を 叩くような 不思議な音が 響く 夕刻 空っ風の中で けなげに飛ぶは ホッチキス 何を 綴じたら 良いのかと 考えながら 真っ先に 閉じるのは 瞳 毎晩の 仕草も 交わす 台詞も お決まりの  解決策は 見えないの そんな筈は無いわと言って 羽根を 翻した鳥が ムール貝の 宿に 帰る パカッ と 玄関が空けば 吸い込まれて 眠るのでしょう お部屋は めためたの  貝殻じゅうたん 切っ先が 鋭くったって 大丈夫 きっと 安眠 出来ますよ ---------------------------- [自由詩]白い鍋の夜/藤鈴呼[2014年9月3日15時26分] 此処には 白菜の 代わりとなる 透明な ダイヤモンドも 人参の 代わりとなる 紅き ルビーも モロキューみたいに 爽やかな エメラルドも ないけれど くっつりと 寄り添って 温まる 瞬間なんです 古代から 暖を取るなら 火 物事を 水に流せる 海 その代わりに 水炊きをして はふはふ と 笑いながら イライラ も 取り除いた事でしょう 音が 分からなくなる 聞き耳を立てる壁が 四方八方で 睨みをきかせ 何処からの 発言なのかが 見渡せなくなった時には 後ろも 振り返らず 見ずに 水入れ 水煮じゃ じゃじゃじゃ そだなこと言ったって 仕方ないべ と 酌み交わすのは 一升瓶 殴る為の アイテムでは 有りませんよと 舌鼓 あなたの瞳が いつかの夕陽を 反射して ルビー以上に 耀くの ---------------------------- [自由詩]カチューシャ/藤鈴呼[2014年9月5日21時58分] きゅっと結わえた髪が 頭の中を クリアにする カチューシャは ハワイの香り 正月までの 気忙しさを すっかり 忘れて 雪なんて 世の中に 存在しませんヨ とばかりに 大きな 鉄の鳥で 遠く迄 飛び立つの ゆらゆらの ダンスとともに 首に燈った 彩りの花 それを 思い出しながら 手元のティッシュで 花づくり 何かの祝い会 運動会 壁際に 幾つも 飾ったでしょう 真ん中を ホチキスで 留めてね 一枚 一枚 広げて行くの 何となく 花に 見えるのよ 氷の花みたいに 不思議だった 内側から くり貫いて行くと いつの間にやら 花が咲く ウインドーショッピングみたい 外側から 見つめるマネキンは 何時だって 楽しそう 世の 憂い 全て 捨て去って 笑って いるから 脳みそに 花を 飾る ぽお とした 冬の寒さ以上に キリリと 締まるよ 物語に 埋もれた瞬間 ワタクシを 包む もう一枚の カチューシャが 完成するのです 歓声に 呑まれて 現実の世界に 飛び出せば 目の前に ステキな カチューシャ ねぇ お姉さん これ くださいな お幾らですか ---------------------------- [自由詩]アブラカタブラ/藤鈴呼[2014年9月6日22時29分] 脂の乗った腹は 嫌だけれども 油の乗った 人間には なりたい 油ばかり 売っていては 物事から 脱線して しまうけれども 売る油すら 手元に無いようじゃあ 潤いが 無い 気もするの 嗚呼 だけど やっぱり キレイさっぱり 生きたいのと さっぱり 前進しない 物事に 全身を 身震いさせながら 呟けば 凍った氷も パリリ 砕ける その中に 染まった花を ゆっくりと 取り出して 見ましょうか-- ---------------------------- [自由詩]清々しさに魅かれる時/藤鈴呼[2014年9月7日19時35分] ライブ感の 高揚 紅葉の色彩感にも 負けず 移ろう時の雫を 抱きしめるかのような 音の波 いきものがかり ネーミングが 面白いと クリックしたくなる どこかの ホームページと おんなじ 気持ち良さげに見える ドリカムの みわさんが 昔っから 好きだった 曲は 余り 知らないのにね テレビ番組でしか 見て居ない 弾き語り 斉藤和義 スガシカオ 何だか ひきこまれた ラヴ・ソング 懐かしい 杏子さんの声 こんたは何処へ 行ったのか 絡み合い 掛け合い グルーヴ感 グループ缶 さっぱりとした 果実が好きだよ 柚子チューハイ 全てを 苺で 染めようかとも 思ったけれど 棚に戻した ストロベリー 練乳イチゴ 魅惑の時代 離れ行く 物語 マキようこ あの サバサバ感が 好きなんだ 「だけど あれは キャラでしょ?」 うん そんなの 知ってる ドラマの中だけだって 本当は どうなんだって どう 思われようがって 関係ないや そんな 呟きが アンコールの ウェーブとなって 流れる 流される 乱される 富士宮焼きそばは パック麺で 食べたよ 太麺だった 濃いソースが 決め手だった だけどね ジモティーは言う そんなの 違う 何処の世界でも 同じ 売り出した味が 全てだと 思っている 味わった 舌に 下なんて ないと 信じ込んで 生きるんだ ---------------------------- [自由詩]モノクロ花火の夢/藤鈴呼[2014年9月9日9時49分] 火花 踊る  恐怖 揺れる  刹那 祈る マチマチの心が 町町に 溢れ まちまちに 当たり 弾ける 田畑を 焼き尽くす 大文字の 彩りが 秋に肥え 冬を越え 枯れた事も 忘れて 声を 上げる ピリピリと 肌を焼く何かは ハンドクリームで 宥める 香りがついていたら ラッキー ちょっとだけ 思い出す 温もり 彩り 切なさ 目を閉じても 脳裏を埋め尽くす 幾つもの 願いを 抱きしめて ---------------------------- [自由詩]飯の種/藤鈴呼[2014年9月10日20時06分] 探し物は 何処に売ってる? 呟く台詞に 思いつく スーパーマーケットならば 何とか なるんじゃ ないかって 倖せの種ならば 誰かの心に 宿ってる? 歌詞カードを 見比べたなら 似たような曲 聞こえて来そう CDショップに 有りますか コンビニならば 揃って いますか ---------------------------- [自由詩]志/藤鈴呼[2014年9月11日19時41分] どうやって 生きよう と 考えている 心 そのものが 生きている 証拠だと かつて あなたは 言いました こころざし を 忘れたら 四季を 感じられなく なって 志気も 敷かれて しまうから 春は 未だだけれど (いいや 違う 暦の上では…) 蒼い シートを 用意して (そんなに 簡単な 事じゃない…) カッピカピの ビニールで包んだ あなたのハート 取り出して 鶏だしで 煮込んで みようか こごみ みたいに 丸まったなら 今度は 天婦羅 揚げて みようか ---------------------------- [自由詩]かたがわ/藤鈴呼[2014年9月12日18時54分] 横顔に隠されたものを 探してみませんか 半分の わたくしは 見せておりますが もう片方の アタクシは 診せられませんので 店に 置いて 来ました 魅せられる時が来たなら 披露 いたします 疲労した声で 拾い上げたのは 幾つかの うずまき缶 アンモナイトの殻は オーロラみたいに 耀いて 私達を 魅了しますが 中身は 見つかって いないもの どんな 時代だったのか ヤドカリみたいな 宿だったのか 地層を 引っくり返せば 御馳走様とばかりに 今日の おかずも 明日の 予定も 決定されるのですが 蹴り上げて しまえ あなたが 大切な 証拠を 隠滅して しまったから もう 分からないのです くるくるとした 不思議の中に 包まれて しまって マイクロファイバーの ガウンで 温めた ワタクシの 中身みたいに 少し 発熱していますが ハッスルする程の 気力はなくて 反吐が出る直前で 洗濯機を 回す 最近は 二度押ししないと 上手く 動かないのです キシキシと 悲鳴を上げる 通報されない内に 耳を 塞ぐ 不思議な うずまき缶は どんな 缶切りでも 開かない くるくる螺子よりも 最少の 粒子よりも 複雑な 形なのです ---------------------------- [自由詩]チョコの窓から/藤鈴呼[2014年9月14日18時32分] チョコレートかな クッキーかなと わくわくしながら進む お花畑 小さな園庭に咲く 白い花 雪の季節だから 溶けてしまうかな 今にも 頬から とろけそうな 板チョコが 桃色に染まる 心に寄り添い 楽しそう 好きだよ 好き? ほんとに? ホント 茶色の窓が 幾つも開いて 沢山の言葉が 飛び出したなら 笑顔と 倖せが いっぱい いっぱい 広がるね ---------------------------- [自由詩]あんもないと/藤鈴呼[2014年9月16日19時19分] 古代から もてはやされた 不思議な 螺旋 虹のような 瞬き アンモナイト・パイライト 余計に 煌めけ やわらかな 肢体を 固い殻に 隠した ままで どこの時代に 置いて来た? どんな事態に 侵された ビー玉状の 烏賊の瞳の如く 透明感を 演出できるか 流れ始めた 油の如く 水溜りを 形成するのか 素人も 芸術家も アーティスティックに 耀け プラチナの 鎖の奥に 繋がれし 寂しげな心 カラカラ と 響く のそのそ と 蠢く アンモナイト・パイライト ---------------------------- [自由詩]なんだおまえは/藤鈴呼[2014年9月17日18時07分] どうしたんだ 何だ お前は 呼んだつもりは ないけれど ブルーな気持ちで しゃしゃり出て 一瞬 綺麗と 思わせといて この 恍惚の 表情を 嗚呼 一瞬で 狂わせる どうしたんだ 誰だ お前は 何の トラブルだ トラブルメーカーとは 友達に なった憶えは 無いんだゾ 一体 何を シャットダウン すればいい どの窓が  立ちあがったら 晴れるんだ 腫れる窓 湿布 貼っても 治らぬは 道理 どうりで 直らぬ訳だ 真っ直ぐばかりが 正解じゃない 馬鹿正直は 損するモンだ なんだ どうした 何時の お前が 画面に 巣食って いたものか 誰が 救って くれるのか なんだ おまえは ---------------------------- [自由詩]早く来い来い バレンタイン/藤鈴呼[2014年9月18日17時28分] バレンタインを 目の前にして 恋バナに 花を咲かせる輩も 多いのでせふ  そして鼻 高々  上手いこと 告られる日を 待っている  恋のパワーは 素晴らしく濃い 早く来い来い バレンタイン 先日 告白するなら直接しかない、と言った後 何故? と ドン引きのような 台詞を受けた 色んなツールが ありふれているから そっちの方が 楽なのね 感情ごと アタシ アナログ人間か?! と 少し 冷風が 吹き抜けた 気がしたけれど 直接の 温かさには 叶わないでしょう? 声のトーン 表情 仕草 ねぇ 違うの? それ以上に 氷上の表示に 従うのでしょうか 可愛らしい 絵文字 動くから 暖かい? 目の前の 毛布 人肌 それ以上に? 嗚呼 でも やっぱり 好きな時に マイペースで 相手の都合を考えず やり取り出来る メールは 最高の アイテムだもの ダイヤル回すことも なくなった 昨今 プッシュボタンが 有ったって それ以上に 押すのは クリック ボタンなの ---------------------------- (ファイルの終わり)