komasen333 2013年7月2日11時32分から2014年8月22日13時01分まで ---------------------------- [自由詩]たとえば、今日で世界が終わるとして・・・/komasen333[2013年7月2日11時32分] たとえば、今日で世界が終わるとして・・・ 今日で世界が終わるわけなんかないし・・・ それじゃ、会話が始まらないじゃない? それじゃ、空想が広がらないじゃない? 会話なんてしたくないし・・・ 空想なんて無駄でしかないし・・・ つれない人ね いつかの私みたいだ 遠い過去の私みたいだ つれない人ね いつかの私みたいだ 遠い未来の私みたいだ すれ違っていく こんなに近くても こんなに近いからこそ 解れに解れていく こんなに深くても こんなに深いからこそ 分かり合えない 分かり合おうとしても逆効果 見出せない妥協点 触れられない一致点 辿り着けない共通点 たとえば、今日で私が消えるとして・・・  今日でキミが消えるわけなんかないし・・・ そうとは限らないじゃない? そういう世界に私たち生きてるじゃない? 9.11を思い出しなさいよ 3.11を思い返しなさいよ 貧富とか、人徳とか 経験とか、仁徳とか 立場とか、環境とか、全く関係なかったじゃない? 会話なんてしたくないし・・・ 仮定なんてあくまでも仮定でしかないし・・・ つれない人ね いつかの私みたいだ だからこそ、心配なんだ つれない人ね いつかの私みたいだ だからこそ、心配が募るんだ ---------------------------- [自由詩]泥臭き爽快/komasen333[2013年7月5日17時23分] 運命 振りかぶって何球も、何球も 性懲りもなく くり返し、くり返し 運命 胸トラップで何回も、何回も 性懲りもなく くり返し、くり返し フォームなんて 気にし過ぎずに フォーメーションなんて 気にし過ぎずに 衝動のまま 感動のまま 勢いでもって どこまでも、どこまでも 情動のまま 鼓動のまま 勢いでもって いつまでも、いつまでも 描いちまえば、もう 言葉なんていらなくなる 言葉なんてどうでもよくなる 描き続ければ もう 言葉なんてどうでもよくなる 言葉なんて二の次になる 運命 振りかぶって何球も、何球も 性懲りもなく くり返し、くり返し  泥臭さがこの胸を、その胸を打つ 運命 胸トラップで何回も、何回も 性懲りもなく くり返し、くり返し  泥臭さが爽快感を連れてくる フォームなんて 気にし過ぎずに フォーメーションなんて 気にし過ぎずに フォークボールなんて 投げられなくてもどうってことない フォーバックなんて 守れるならどんどん流動的でOK ---------------------------- [自由詩]Morning Moment/komasen333[2013年8月4日23時05分] 詩? 「興味ない」 まあまあ、そう言わずに。 流し読み感覚で。 はじまりの朝だ。 もう、夕暮れだとしても。 はじまろうとしているなら、それは朝だ。 はじまりの朝だ。 どんな暗闇だとしても。 はじめようとしているなら、これは朝だ。 あっという間。 見つめる間もない現在。 あっという間。 振り返る間もない過去。 あっという間。 思い描く間もない未来。 そう思い込みがちな自分の歩幅を大きくし そう決め込みがちな自分の背筋を伸ばす。 朝だよ。 生活に生活に生活を重ねていく。 一瞬一瞬が 何らかのはじまりであり、何らかのおわり。 朝だね。 人生に人生に人生を重ねていく。 一瞬一瞬が 誰かのはじまりであり、誰かのおわり。 信じる。 まずは、そこから旅立つ。 もがく。 まずは、そこから実験に次ぐ実験。 ただ信じるだけだった過去に。 ただ眺めるだけだった現在に。 ただ描いていくだけだった未来に。 ゆっくりと だけど しっかりと 告別をしようと想える。 そんな朝だよ。 そんな朝が来るよ。 もう、夕暮れだとしても。 どんな暗闇だとしても。 はじまりの朝だ。 今日というこの日。 はじまりの朝だ。 今というこの瞬間。 信念片手に孤独を振り払う大統領 病院の窓から満月に目を細める高齢者 幸せと妥協をぐつぐつ煮込む夫婦 檻の向こうのゾウに恋心を寄せる豹 社会や常識の荒波を掻き分けるニート 海の青さに見惚れたままの入道雲 黙々と空き缶を拾い集めるホームレス 理想と倫理の狭間を羽ばたく科学者 可能性を胸に純粋と残酷を学ぶ子ども それぞれにとっての朝。 はじまろうとしている。はじめようとしている。 それは、それは、ビューティフル・モーニング これは、これは、ビューティフル・モーメント 詩? 「いまいちだった」 まあ、それならそれで。 ここまで読んでくれたことに感謝。 ---------------------------- [自由詩]人生のおまけ/komasen333[2013年8月23日2時13分] やりたいこと やるべきこと 満たされること 見つけようとして もがいていく道のり 探しても、探しても 見つからないのはざらで 一生かかって 見出せなくても何ら不思議じゃない 衣食住に不自由しない 国に、時代に、環境に生まれたがゆえの苦悩? 単なる贅沢な、ワガママな、自由主義の成れの果て? 「これだ!」って思えるような やりたいこと、やるべきこと、満たされること 「見つけた!」と思って取り組んでみたら 「何か違う・・・」って思うのはざらで 「それだ!」って思えるような やりたいこと、やるべきこと、満たされること 「見つけた!」と思って続けてみても 「やっぱり違う・・・」と思うのも珍しくない もしかしたら 見つからないものかもしれないね ずっと続いていくような やりたいこと、やるべきこと、満たされることっていうのは もしかしたら 存在しないものかもしれないね 飽きることのないような やりたいこと、やるべきこと、満たされることっていうのは どれだけ満たされても 根本的な寂しさがなくなることはないだろう どれだけ幸せになっても 根源的な虚しさがなくなることはないだろう レールの上を ひたすらなぞるだけでも やりたいこと やるべきこと 満たされることを 「できている」と実感している人も確かにいるだろう その時々の孤独 しっかりと噛みしめて その時々の関係 最大限に噛みしめて やりたいこと やるべきこと 満たされること 見つかったらラッキーくらいの感覚で ましてや ずっと続いていくような やりたいこと やるべきこと 満たされること それらと出会えるかどうかは 人生のおまけくらいの感覚で待つとして ひたすら試して ひたすら遊んで ひたすら働いて ひたすら脱線して ひたすら考えて ひたすら楽しんで 気づいたら稼いでいて 気づいたら役に立っていて 気づいたら幸せになっていて 矛盾するような循環 実現したくて、証明したくて、現実にしたくて 思い浮かぶということは 想い描けるということは 可能性は0じゃないってことだから 抽象論でも 幻想論でも 試行できるところから 実践できるところから それぞれのリズムで それぞれのメロディで 次第に大きな、大きな、グルーヴとなって 一歩ずつ一歩ずつ ダイナミックな何かを ドラマチックな何かを ロマンチックな何かを 楽しんでいけたらね 楽しんでいきたいね 楽しんでいけるよね とりあえずでも なんとなくでも 思い込みでも 勘違いでも 錯覚でも 今、思い浮かぶ できることを 今、思い浮かぶ したいことを 素直に、ストレートに  柔軟に、フリーダムに ---------------------------- [自由詩]アンドロメダに向かってハンドキック/komasen333[2013年8月29日1時46分] 悲しみは拭えない わざわざ拭おうとも思わない 一生分の悲しみを抱え込んだまま 何も、それは私に限ったことじゃない 虚しさは払えない わざわざ払おうとも思わない 一生分の虚しさを背負い込んだまま 何も、それはあなたに限ったことじゃない もう一度会えたら もう一度話せたら 想い描かない日はない もう二度と会えないのに もう二度と話せないのに 想い描かない日はない つまらない動機で 殺人なんかしてないで つまらない大義で 戦争なんかしてないで わかった顔して 簡単にスルーしないで 忙しそうな声して 簡単にフェードアウトしないで その喜びに寄り添う詩を その怒りに寄り添う詩を その哀しみに寄り添う詩を その楽しみに寄り添う詩を なんとか書けるようにと 会えるのに、会いに行かなかった 話せるのに、話そうとしなかった 抱きしめれるのに、抱きしめなかった 分かち合えるのに、分けようとしなかった 最後の電話が 克明にこびりついたまま 現実は物語になりがちで 物語は感情に流されがちで 感情は感化に脆弱すぎて 自分で自分の輪郭さえ満足になぞれない 思春期から続く 漠然とした空白、空白、空白 また会いたい また話したい また抱きしめたい また分かち合いたい 会ったこともないのに 話したこともないのに 抱きしめたこともないのに 分かち合ったこともないのに その誰かを その何かを ありありと思い浮かべながら 幻想の湖畔に佇んだまま 誰に届けるでもない 何に捧げるでもない詩を 1篇、2篇、3篇と 今夜も、アンドロメダに向かってハンドキック ---------------------------- [自由詩]爆音で奏でる真夜中/komasen333[2013年9月28日2時03分] 弾きまくった。 色んな曲を弾きまくった。 ひたすら、ひたすら弾きまくった。 BOOM BOOM SATELLITES 「HELTER SKELTER」 淡々と切り裂くように弾きまくった。 The Cure 「Friday Im In Love」 天空を浮遊するように弾きまくった。 LUNASEA 「FOREVER & EVER」 宇宙へ飛び立つように弾きまくった。 Depeche Mode 「Home」 永遠に手を伸ばすように弾きまくった。 TK from 凛として時雨 「white silence」 世界に祝福を捧げるように弾きまくった。 Dir en grey 「THE FINAL」 重力をぶっ放すように弾きまくった。 ART-SCHOOL 「ロリータキルズミー」 複雑を抱きしめるように弾きまくった。 L'Arc〜en〜Ciel 「SHINE」 色彩を塗り重ねるように弾きまくった。 The Smiths 「I Know It's Over」 人生に光を投げかけるように弾きまくった。 弾きまくった。 時に爆音で、時に謙虚に、弾きまくった。 心地よかった。 うっすらと汗が滴り落ちた。 想いや考えが駆け巡った。 鼓動は高鳴り、心象はまとまった。 弾きまくった。 ギターで弾きまくった。 真夜中に弾きまくった。 エアーギターで弾きまくった(爆) ---------------------------- [自由詩]モテ期がやって来た。/komasen333[2013年10月1日6時57分] モテ期がやって来た。 唐突にやって来た。 夏までがピークだと思っていたら 秋になってからもやって来た。 秋と言ってもまだ9月。 昼間は夏のように暑い日があるから モテ期がやって来るのも不思議じゃない。 いやあ、まいったな。 いつの間にかモテまくりだもん。 ほんと困っちゃうな。 僕の血なんかに こんなに需要があるとは。 ほんと モテて、モテて、仕方ないな。 程々にしてくれないと困るよ。 かゆくて かゆくて 仕方ないじゃないか、蚊。 ---------------------------- [自由詩]ルルル ラララ/komasen333[2013年10月6日11時42分] 描いてゆく 抽象的でも 何かを 絶え間なく 約束  したわけじゃないけれど 続けていれば、またどこかで会える そんな気がする 1秒1秒  かけがえのない熱 重力を受け入れて、歳月を抱きしめて 趣くままに この足を 走らせる  手を抜くことを知らぬ少年のように 願うままに この想を 込めていく  目を曇らせることを知らぬ少女のように 遠い過去で 静かに微笑む  あのあなたに焦がれたまま 遠い未来で 和やかに微笑む あのわたしに励まされたまま 描いてゆく  ひたすらに信じて いつか どこか 届く 響く また会える そんな予感の下で 描いてゆく  ひたすらに信じて いつまでも どこまでも 届いていく 響いていく 絶え間なく 1秒1秒  かけがえのない夢 生活を受け入れて、人生を抱きしめて 世界は わたしを楽しませてくれる わたしは 世界を、わたしを楽しんでいける そんな歌ばかり聴きながら こんな歌ばかり口ずさみながら そんな詩ばかり読みながら こんな詩ばかり綴りながら ルルル〜  ラララ〜 ラララ〜  ルルル〜 ---------------------------- [自由詩]ソフトレイン・パーク/komasen333[2013年10月12日23時57分] 朝、昼、晩 食べて 「おいしい!」で おしまい? 朝、昼、晩 触れて 「おもしろい!」で おしまい? 朝、昼、晩 聴いて 「うれしい!」で おしまい? 味気ない つまらない 物足りない 自然と ふらりと 透明なステップ 二足歩行の 気まぐれ 青々とした公園 大きな、大きな公園 都会のど真ん中 切り取られた楽園 木漏れ日のベンチ 曖昧な 絶対的な 距離感  2人 若々しさを自覚してない若々しさ 彼氏未満?  らしき大学生 いかにもなソフトクリームを2人分 見え透いた駆け足 自分を押し売りするので精一杯 彼女未満?  らしき大学生 今時すぎるスマホいじり あからさまな暇つぶし 自分中心でいっぱいいっぱい 関係は、人生と人生の対峙 悲観的なニュアンス抜きにしても 文化は、物語と物語の相克 虚無的なエッセンス抜きにしても だだっぴろい公園 片隅 というほどでもない 片隅の木陰で 青い  あまりにも青い 空   見上げたりなんかして 久しぶりに、ぼ〜っと だけど ぼ〜っとしているようで 心象は騒がしく 頭はやかましく 「ぼ〜っとするのはどれくらいがいいんだろう?」とか 「ぼ〜っとする相場の平均は、どれくらいなんだろう?」 なんて 考えてしまう時点で この「ぼ〜っと」加減も、胡散臭い ふいをつくように しとしと にわか雨 肌レベルでは、冷たい雨 細胞レベルでは、あたたかい雨 深層レベルでは、そんなに悪くない雨 あわてて 透明なステップ 二足歩行の 遺伝子 雨 しのぐため 公園入口付近の売店へ ビニール傘 求めて たぶん、あるだろうと求めて 午前、昼、夕暮れ間近 歩いて 見つめて  歩いて 座って ぼ〜っとして あわてて  歩いて 歩いて  「つかれた!」でおしまい。  今日のところは、おしまい。 ---------------------------- [自由詩]パレードモード/komasen333[2013年10月28日13時56分] 汚れてしまった そう思ってみても よく見てみれば この汚れも、アートみたいに見えなくもない 穢れてしまった そうとしか思えなくても よく考えてみれば この穢れも、ジャンプ台だと思えなくもない できないこと 数えるのはもう卒業 したくないこと 数えるのはもう卒業 できること  ちっぽけでも  数えてみれば あれ? 結構あるかも したいこと  少しずつでも  数えてみれば あれ? 結構あるかも 汚れてしまった 意外とそうでもないこと 多々あるのが、世界の常 穢れてしまった 意外とそうでもないこと 多々あるのが、人生の常 にっこり にっこりするような状態じゃなくても にっこりできるような精神じゃない時ほど 汚れてしまった それが事実だとしても、それがどうしたの?  捉え方を変えてみたら、どうってことないよ  なんてキャラ設定も心地よくなる 穢れてしまった それが本当だとしても、それがどうしたの?  考え方を変えてみたら、どうってことないよ  なんてマインド設定も心地よくなる 強がりでも、強がってみるよ  楽しんで強がってみるよ  転がって強がってみるよ できること  ちっぽけでも  数えてみれば あれ? 結構、楽しめるかも したいこと  少しずつでも  数えてみれば あれ? 結構、喜べるかも ないもの  数えるだけはもう卒業 いい意味で  「ないものねだり」だけは絶えず思考 あるもの  見失うのはもう卒業 いい意味で  「あるもの活かし」で何とかしようと試行 この旅の理想郷はそれぞれ違うでしょう この旅の終着点は誰にもわからないでしょう ただ 1つだけ はっきりと 願うこと この旅が それぞれにとって いい経験となりますように いい自信となりますように いい展開となりますように いい記憶となりますように ただ それだけ くっきりと 願いながら 思うように 自由を活かしていく 描くように 自由を味わっていく ああ、嬉しいな ああ、面白いな ああ、楽しみだな いつまでも どこまでも こんな感覚のまま  こんなモードのまま こんなパレードのまま ---------------------------- [自由詩]最愛芸術/komasen333[2013年11月10日16時38分] 言いきれる瞬間を 少しでも多く 終わる前に 終わるまでに 心 奏で上げ 叙情を色づけ 思想をくねらせ 身体ごと宇宙に旅立たせる連続 いい加減にやっても いい意味で真面目になっていくような ふざけてやっても いい意味で真剣になっていくような 素晴らしい芸術よ ありがとう、ほんとありがとう インスピレーションの列車 絶え間なく発車 美しいファッションよ ありがとう、ほんとありがとう エモーションの発射 絶え間ない発射 見とれるような眼差し ありがとう、ほんとありがとう クリエイティブの尊さを アクティブの喜びを インタラクティブの醍醐味を 感謝 尽きることのない感謝 すべての芸術 すべてのファッション すべての眼差し 何としてでも還元して咲かせる道へ 見たこともないような花を この風景一面に 何としてでも完成させて薫らせる 触れたこともないような花を その風景一面に 信じてくれてありがとう、あの頃 愛してくれてありがとう、この頃 よろしければよろしく、これからも その綺麗に何度癒されたことだろう その綺麗に何度救われたことだろう その綺麗に何度満たされたことだろう 単なる綺麗では収まらない綺麗さ 善悪を越えたところで保たれた綺麗さ 時代を越えたところで磨かれていく綺麗さ このため息は、すべてその芸術のために このため息は、すべてそのファッションのために このため息は、すべてその眼差しのために ここから、いつだって ここから、どこへだって ここから、いつまでも ここから、どこまでも その芸術とともに そのファッションとともに その眼差しとともに 終わる前に 終わるまでに その綺麗さを祝福するような その美しさに捧げるような その素晴らしさに応えるような 何かを 僕なりの何かを 何個も、何個も、作ろう 何枚も、何枚も、描こう 何冊も、何冊も、綴ろう 何秒も、何秒も、刻もう その綺麗さを見落とさなかった その美しさを強く深く抱きしめた その素晴らしさを大切に育てた 僕という風景の一面に 君という風景の一面に 見たことも触れたこともないような花を咲かせ 語りきれない 捉えきれない 冷めない 覚めない 褪めない 現在という連鎖を 連鎖という永遠を 永遠という名の作品を つたなくても 立ち止まっても 飽き飽きしても 二人きりの指切り 大事にしていきながら 何年も、何年も、何歳になっても ---------------------------- [自由詩]つまり、月夜に追憶27/komasen333[2013年12月1日2時53分] つまらなさを嘆き つまらなさに沈み つまらなさを助長し つくべき嘘をつかずに つかなくてもいい嘘をつき 強がることに慣れ つながることを恐れ ついたて越しのよそよそしさで つんつんとした殻を被り つくづく心だけ幼いまま つくづく体だけ老いながら 付け焼き刃な涙を添えて つぶらないつかの瞳 艶やかないつかの仕草 つんざくようないつかの歓喜 つまびらかな追憶に 追憶を重ね重ね 付かず離れずな陰影くっきり 追従する受け身を引き摺りながら 追悼するような謙虚を忘却したまま 月夜に つまらなき つぶやき繰り返す。 つまり 尽きぬ溜め息をついては ツキがないとアルコール片手に つんとする鼻先をすすってばかり。 ---------------------------- [自由詩]走りゆく鏡/komasen333[2013年12月11日12時08分] 走り始めた 向かい風さえも、今は心地いい 走り始めた 追い風に押され、心は晴れやかに 0から  1つ1つ  たしかな熱とともに すべてが真っ白なまま  始まりを待ちわびている 走る意味に 囚われるのではなく 走る煌きに まっすぐに染まっていく 高揚を選び取る 夢のような 道のりなのだとしても 幻のような 歩みなのだとしても この今は  その今は 「何か」を夢見ている  「誰か」へと届けようとしている 走る心を見て 勇気づけられること あまた 走る鏡を見て 思い起こさせられること あまた 朝が今日も 昨日とは違う朝が 走ってゆくすべての心を やさしく 包み込んでゆく 朝が今日も 明日とは違う朝が 走ってゆくすべての鏡を やさしく 抱きしめてゆく 果てなき荒野に吹く向かい風  全身で受け止めて 深い深い森を駆け抜ける追い風  五感で感じ抜いて 漫画みたいに ドラマみたいに 映画みたいに 小説みたいに 芸術であるかのように 無理することなく乱反射 ---------------------------- [自由詩]黒い 黒い 果てしなさ/komasen333[2013年12月26日21時51分] 漠然とした倦怠感。 終わりゆく夕陽を見つめ 今日を悔いながら 眩しかった昨日を懐かしむ。 少し深い方をみれば 生き生きと今日を抱きしめている人々がいる。 絶望を噛んでいる場合じゃないと 奮い立たせてくれる。 漠然とした悲壮感。 走ってゆく列車を見つめ 今日を逃さぬように つたない詩たちを解き放つ。 少し遠い方をみれば 必死に今日を駆け抜けている人々がいる。 諦めを貪っている場合じゃないと 思い起こさせてくれる。 一見 世界が幸せに満ちていても まったく潤っていない人々がいることを忘れずに。 表層で 世界が輝きに満ちていても まったく陽を浴びていない人々がいることを無視せずに。 ただ歩くだけでも 自然な笑顔がそこら中に溢れている 今日みたいな日は 描きながら 祈りながら 想いながら 孤独だけがもつ芸術を信じ 少しでも長く 少しでも遠く 少しでも深く浸透するように 彼は、試して作って羽ばたいていく。 大きな 黒い黒い 果てしない宇宙の風に押されながら。 彼女は試して作って潜っていく。 大きな 黒い黒い 果てしない宇宙の波に乗りながら。 ---------------------------- [自由詩]時間を捨てろ!/komasen333[2014年1月2日13時50分] 時間がない? バカを言え。 時計を見るな! 時間がない? バカを言え。 時計など捨てろ! あんたより時間がない中で どうにかこうにかやり抜いている人が 何万人いることだろうか。 あんたより時間がない中で なんとか工夫して乗り越えている人が 何億人いることだろうか。 時間がない? 世界で一番忙しい仕事についているわけでもないのに。 時間がない? 世界で一番忙しい創造を続けているわけでもないのに。 時間がない? 世界で一番忙しい立場で生きているわけでもないのに。 時間がない? バカを言え。 時計を見るな! 時間がない? バカを言え。 時計など捨てろ! あんたより忙しい人は世界に何万人といるよ。 俺より忙しい人は世界に何億人といるよ。 ---------------------------- [自由詩]マナー、人生と世界における虚無感に対して/komasen333[2014年1月19日16時00分] 歩いても歩いても見つからない。 だから、人生は続いていく。 探しても探してもわからない。 だから、人生には終わりがある。 繋いでも繋いでも変わらない。 だから、世界は続いていく。 あなたがいなくても大丈夫。 わたしがいなくても大丈夫。 あなたが いつ いなくなっても大丈夫。 わたしが いつ いなくなっても大丈夫。 あなたが 最後まで いなくても大丈夫。 わたしが 最後まで いなくても大丈夫。 あなたが 最初から いなかったとしても大丈夫。 わたしが 最初から いなかったとしても大丈夫。 その事実に 侘しさや寂しさや虚しさを覚えることがある。 ごく自然なことだと思う。 だけど それらの感覚を 抱き続けるのはエゴでしかない。 それらの感覚を 吐き出し続けたいなら 芸術にまで高めなければならない。 最低限のマナーよ、それがその人生における 最低限のマナーよ、それがこの世界における ---------------------------- [自由詩]神々しき太陽の重力 痛々しき月夜の浮力/komasen333[2014年2月14日15時12分] 忘れられない。 「 無理して忘れようとしなくていい 」 慰めるように 自分に言い聞かせる。 けれど、忘れたい。 やっぱり忘れたい。 忘れないことには 本当の意味で進むことはできない。 あまりにも大きな太陽だった。 あまりにも輝かしい太陽だった。 照らし出してくれた。 何気ないことまで、神々しく思えるほどに。 意図的じゃない。 無意識でもない。 自然な風に乗せて、果てしない感覚を呼び覚ましてくれた。 尽きない感謝。 溢れている、毎日のように。 尽きない後悔。 溢れてくる、今でも唐突に。 思い出しては切なくなる。 思い出しては嬉しくなる。 あの頃と、何一つ、変わっていないかのように。 忘れたい。 忘れられない。 忘れたい。 忘れられない。 「いつか、きっと忘れられる」 慰めるように 月光に歌い上げる。 ---------------------------- [自由詩]【 si 】/komasen333[2014年4月5日14時11分] 4 始 視 試 思 資 She 紫 糸 私 使 仕 志 刺 止 子 師 至 士 死 弛 紙 史 枝 sea 詩 ---------------------------- [自由詩]咲いては音楽、散っては忘却。/komasen333[2014年4月15日14時56分] 季節を 終わらせましょう。 実らない季節を あきらめましょう。 踏ん切りをつけて 新たな歩みを始め 次なる光を探していく。 悲しみを増幅させてまで しがみつく過去なんて。 寂しさを引き摺ってまで なぞり返す過去なんて。 風にゆれる桜を見つめる老父。 「今年も桜を見れた」と、喜びを噛みしめる。 満開を目映そうに見上げる学生。 繰り返す原風景の1つとして胸に刻みつける。 舞う中で和やかに笑いあう新社会人。 これから始まる新生活の不安と期待が駆け巡る。 アスファルトに散った花びらを拾う女性。 「あと何度この桜を見れるのか」と考える木漏れ日。 それぞれの歌を鳴らしながら それぞれの詞を思い浮かべながら それぞれの人生と重ね合わせ、今を見つめ直す。 現在位置の尊さ 未来地図の不確かさ ない交ぜにしながらも 無言で咲いては舞い散る桜のように 淡々と繰り返していく。 これまでも これからも ひたすらに。 それぞれ 流されるままに 風に吹かれるままに。 咲いては歌にされ 散っては忘れ去られる 桜のように。 ---------------------------- [自由詩]約束のエスカレーターの下/komasen333[2014年7月2日22時50分] いた。 いてくれた。 夏を思わせる涼しげなワンピース。 ひらり、ふわり、重力もひるんだ昼下がり。 約束のエスカレーターの下 ナチュラルに手を振ってくれた、くれた。 それにつられて ぎこちなく手を振り返した、返した。 キミは微笑んだ。 ぼくは弾けた。 世界は面白いくらいころがった。 よくある高揚だよ よくある効用だよ。 面と向かって言うと 鬱陶しがられるだけだから わざわざ言わないけどさ。 オブラートに包んでも 嘘くさく響くだけだろうから わざわざ伝えないけどさ。 きれいだよ。 誰よりも美しく見えるよ。 スゴイよ。 誰よりもこの心を揺さぶるよ。 約束のエスカレーターの下 近況を交わしつつ歩き始めた、始めた。 逢えた。 また逢えた。 数年ぶりに逢えた。 細身なシルエットに寄り添うワンピース。 ひらり、ふわり、憂鬱もゆるんだ昼下がり。 来た。 来てくれた。 しあわせでした それだけで。 しあわせでした その微笑だけで。 ---------------------------- [自由詩]集段的 The end 系/komasen333[2014年7月4日17時54分] 君だけいればいい 僕だけいればいい 甘ったるい願望 渦巻いてしまう今日この頃 呑気に君だけのこと 考えていられればいいけれど 世界は二人だけのものではないから 色々あるよね 集団的自衛権は閣議決定で容認 抑止力は高まるって首相は記者会見 閣議決定での憲法解釈変更の妥当性は宙ぶらりん 限定的な集団的自衛権の目的や範囲は取っ散らかったまま 関心の強さは様々で 議論の経緯に関する知識はばらばらで 閣議決定による解釈変更に絞って賛否を述べている人もいれば 集団的自衛権の是非に絞って賛否を述べている人もいれば その両方に対して賛否を述べている人もいる。 議論はふわふわしたまま 閣議決定は終わり 関連法案の提出や国会論戦へと向かっていく。 選挙で選ばれた時の政権 どこまで決めてもいいのか 進めていいのかの捉え方は違ってきて。 決められない政治の中でも 決めるべきことを決めてくれる政治はあって。 どんどん決めてくれる政治の中でも 熟議を置き去りで決めすぎる政治もあって。 難しいさじ加減ではあるけれど 権力は一度走り出したら止まらないから。 時に驕りを自覚できなくなるから。 反対者は 憲法を瓦解させるような試みといい 賛成者は 憲法を是正する試みという噛み合わない議論。 為政者は 閣議決定での解釈変更に対する 観念的な批判に臆することなく 緊迫する国際情勢などに 現実的な対応をとる必要性を説く。 反対者は 憲法改正ではなく 閣議決定での解釈変更で済むという根拠 限定的な集団的自衛権の必要性や 将来的な歯止めに関する論理的説明を求める。 君だけいればいい 僕だけいればいい 甘ったるい願望 渦巻いてしまう今日この頃 呑気に 気ままに 君と自分だけのこと考えていられればいいけれど 世界は二人だけのものではないから 世界は国会だけのものではないから 世界は政権だけのものではないから 世界は誰のものでもないから 色々あるよね。 ---------------------------- [自由詩]永遠幻想も、永劫魔法も。/komasen333[2014年7月6日15時56分] いつになったら忘れられるのだろう。 あの恋を、この恋を。 いつまでも忘れられないのかな。 あの恋を、この恋を。 晴れやかな休日でも 「外に行こう」って気にはならないよ。 元気がないとかやりたいことがないとかそんなんじゃないけれど。 雨がしとしとの平日でも 「サボろう」って気にはならないよ。 無理をしてとか没頭してとかというわけでもないけれど。 離れない、鮮明な笑い声。 自分にはふさわしくないって 合わせることはできないって 決めつけて生きてきた。 戻れない景色の中で ついついあの頃の中に佇んで できなかったことしようとする自分がいる。 いつになったら忘れられるのだろう。 あの恋を、この恋を。 いつまでも忘れられないのかな。 あの恋を、この恋を。 もし いつか忘れられるとしても 何もかも忘れるって形にはならない気がする。 あの恋が この恋があったからこそと 感謝を大きく注いで歩んでいることを願うよ。 たとえ いつまでも忘れられないとしても そのことを理由に 立ち止まり続けるって形にはならない気がする。 あの恋が この恋があったからこそと 活力を大きく胸に燈して歩んでいることを祈るよ。 忘れたくても、忘れられないあの恋。 忘れたいけど、どこかで忘れてしまいたくないこの恋。 胸の中に宿っている 記憶の中を泳いでいる すべてはそう、あの恋がくれた幻想。 すべてはそう、この恋がくれた魔法。 一人でも 一人きりでも 寂しくならないようになっている幻想。 苦しく切なく虚しくならないようになっている魔法。 ---------------------------- [自由詩]空を飛び、海に潜り、夢に耽る。/komasen333[2014年7月9日14時22分] 空を飛ぶ夢。 空を飛ぶ夢。 空を飛ぶ夢。 最近よく見る。 海に潜る夢。 海に潜る夢。 海に潜る夢。 最近よく見る。 その輪郭と微笑み。 その輪郭と微笑み。 その輪郭と微笑み。 最近、薄れつつある。 叶えるよ、その日までに。 叶えるよ、その日までに。 叶えるよ、その日までに。 何としてでも。 つなぎたいよ、その日までに。 つなぎたいよ、その日までに。 つなぎたいよ、その日までに。 何としてでも。 いや、これも嘘臭いな。 物語臭が半端ないな。 ま、いっか。 やるだけやってみるよ、とことん。 間違いじゃない。 間違いじゃない。 間違いじゃない。 言い聞かせる、読み聞かせる。 間違いじゃない。 間違いじゃない。 間違いじゃない。 このまま進んでいけばいいってことにする。 間違いじゃない。 間違いじゃない。 間違いじゃない。 そのまま突き抜けていけばいいってことにする。 嘘でもいい。 嘘でもいい。 嘘でもいい。 幻想も悪くない。 幻想も悪くない。 幻想も悪くない。 とことん浸かってしまえば。 嘘も嘘らしくなくなる。 とこととん染まってしまえば 幻想も幻想らしくなくなる。 空を飛ぶ夢。 海に潜る夢。 その輪郭と微笑み。 嘘でもいい。 幻想も悪くない。 ---------------------------- [自由詩]さまざまサマ〜/komasen333[2014年7月14日16時53分] サマ〜 皆サマ〜 お母サマ〜 お父サマ〜 息子サマ〜 娘サマ〜 お客サマ〜 神サマ〜 よろしくサマ〜 扇風機サマ〜 かき氷サマ〜 夏休みサマ〜 サマータイムサマ〜 流しそうめんサマ〜 海水浴サマ〜 アバンチュールサマ〜 暑中お見舞いサマ〜 クールビズサマ〜 受験勉強サマ〜 バーベキューサマ〜 バカ騒ぎサマ〜 肝試しサマ〜 花火大会サマ〜 猛暑日ムシムシサマ〜 エアコンガンガンサマ〜 ミンミンうるさいサマ〜 開放サマ〜 失敗サマ〜 奔放サマ〜 内省サマ〜 大胆サマ〜 夕焼けサマ〜 喜びサマ〜 怒りサマ〜 哀しみサマ〜 楽しみサマ〜 冴えないサマ〜 イケイケサマ〜 とばっちりサマ〜 羽を伸ばしまくりサマ〜 板挟みサマ〜 なんだかんだで感動サマ〜 さまざまサマ〜 それぞれサマ〜 心置きなくサマ〜 ---------------------------- [自由詩]アンインストール オール オーバー パレスチナ&イスラエル/komasen333[2014年7月27日17時33分] 分断された悲劇 繰り返す応酬 反射する憎悪の悪夢 報復の名のもとに祭り上げられる犠牲者 物言わぬ亡骸をいいことに 物言えぬ霊魂をいいことに 報復の根拠とされる犠牲者 同質同量の被害と苦痛を与えるべきだと 感情に流される集合的過激 繰り返しても 何も解決の道筋に寄与しない 意識しながらも 轟音と過激に流されて止まない 新たな報復が 新たな憎悪を引き出し その憎悪がまた違う報復の引き金となる 個人的衝動を無理矢理でも束ねて 地域的連帯による報復に持ち込む暴論 集団的憤怒をいたずらに増幅させ 国家的連帯による報復に持ち込む暴論 歴史的背景という意地と意地の衝突でがんじがらめ 地理的背景という呪縛と呪縛の相克でがんじからめ 宗教的背景という口実と口実の慟哭でがんじからめ 経済に糸を引かれている自覚を薄め 軍事に傾斜していく安易 偏狭な愛に唆されている背景を見ず 軍事を研ぎ澄ます綱渡り アンインストール オールミサイル アンインストール オールマシンガン アンインストール オールヘイト アンインストール ハイパーナショナリズム アンインストール ハイパーキャピタリズム アンインストール ハイパーエゴイズム 唐突に 罪なき少年たちは誘拐されて殺された その報復で、別の罪なき少年たちが殺された 何の落ち度のない少年たちは 憎悪と報復の根拠として軽々しく扱われた その憎悪は あの憎悪は 双方の憎悪は ただの暴力でしかなかった その報復は あの報復は 双方の報復は ただの暴力でしかなかった ---------------------------- [自由詩]いずれ 燃え アルケー/komasen333[2014年8月10日2時08分] なくなる  なくなる  いずれ いなくなる いなくなる  いずれ ならば  悔いなく 悔いという悔いを焼べて 今という連続を燃やす 燃え  上がれ  才能 燃え  上がれ  努力 燃え  上がれ  思考 一ミリも残らぬように 一グラムも残らぬように 最後の最後に 最期の最期に 完全燃焼されているように 燃え  上がれ  経験 燃え  上がれ  想像 燃え  上がれ  思想 絶え間なく  絶え間なく  絶え間なく 果てしなく   果てしなく   果てしなく 燃え  上がれ  人生 燃え  上がれ  創造 燃え  上がれ  実存 潔く 眩しく 激しく 優しく 逞しく 美しく 芳しく 華々しく 清々しく 神々しく 切なく 泥臭く 狂おしく 素晴らしく 柔らかく 柔らかく 柔らかく ---------------------------- [自由詩]月9、リビング、キムタク2014。/komasen333[2014年8月11日15時12分] キムタク まだまだバリバリ? 最新の月9 まずまずの数字だって。 未だに それなりに一線ってのも中々の話。 ってか、よく考えるとたいしたもん。 何様な評論。 曖昧なまま彷徨ってきた中で 目移りばかり磨いてきた気がする。 それ以外は、目ぼしい成長も皆無自覚。 宙ぶらりんな 帰宅直後のリビング 何となくつけたテレビ あの頃より太った さすがに老けたキムタクが 堂々とあの人気作の続編をやっていた。 懐かしさが込み上げて ドラマの名場面とともに 当時の 若々しい 甘ったるい 痛々しい でも、頑張っていた自分が思い浮かんでくる。 キムタク 役柄も スタンスも あの頃のままな続篇。 静かに ぼ〜と見つめる 月9のリビング。 チューハイが 喉を刺すように染み渡り 「ターニングポイント」 って 言葉が駆け巡る。 ふいに、ふいに、不意に。 ---------------------------- [自由詩]69回目の夏におけるベルリンの壁のような隔たり/komasen333[2014年8月15日0時38分] 保守派の彼女は言った。 「先の戦争は敗戦。 戦略や戦術が間違っていた」 リベラルの彼氏は言った。 「先の戦争は終戦。 そもそも戦争すること自体が間違っていた」 先の戦争は 戦いに負けたことを意味すると同時に 戦いが終わったことを意味している。 一度も 「終戦」という用語を使わなかった彼女は 先の戦争の是非 様々な戦争の是非には全く言及しなかった。 最後の最後まで戦略論や戦術論だけを滔々と述べた。 一度も 「敗戦」という用語を使わなかった彼氏は 先の戦争の戦略や戦術の是非 様々な戦争の戦略や戦術の是非には全く言及しなかった。 最後の最後まで外交論や平和論を滔々と述べた。 議論は平行線を辿るどころか ベルリンの壁のように絶対的な隔たりで 双方が独り言を延々と繰り返しているかのようで。 どちらの言い分にも ある程度共感できる部分はあると思いつつ 議論とはとても呼べない乖離が気がかりだった。 「敗戦」という土俵 「終戦」という土俵 「戦略論」や「戦術論」という土俵 「外交論」や「平和論」という土俵が 交わるようで 肝心なところで交わっていかない。 完全に独立した土俵として 評価や価値が固定化して 歴史的観点の過剰分散と 各観点の超絶的な孤立が加速する縮図を見た気がした。 「先の戦争」と言いながら 共通土俵として語っているつもりが 全然交わらない主張を 全然交わらない評価を 全然交わらない価値を それぞれの観点で それぞれの箱庭で ただ述べるだけに終始しているだけではなかったか。 眼前に相手がいるにも関わらず 自説に向かって自説を語り 持論に向かって持論を語り 聞き手なき状況をリフレインしていただけではなかったか。 絞り込むべき議論の土俵が 優先的に語り合うべき議論の土俵が 未だに定まっていない気がした、69回目の8月。 ---------------------------- [自由詩]解き明かせない謎をくれた人/komasen333[2014年8月17日12時09分] 来世とか前世とか 全然信じていないよ。 これまでも、これからも。 あいにく科学的思考に夢中なものでね。 だけど、不思議だな。 君といると 君の言う「永遠」は とても心地よく思えたよ。 運命とか魂とか まったく信じていないよ。 これまでも、これからも。 あいにく合理主義に焦がれているものでね。 だけど、何でかな。 君といると 君の描く「永遠」は とても美しく見えたよ。 大きなものをくれた人。 大切な大切な解き明かせない謎をくれた人。 言葉を尽くしても尽くしても 少しも伝わらないような感覚しか生まれないけれど。 大きなものをくれた人。 大事な大事な遊び尽くせない謎をくれた人。 表現を重ねても重ねても 少しも返せないような感覚しか生まれないけれど。 恩返しはできなかったけれど 手紙らしい手紙を書くことはできなかったけれど 詩らしい詩を届けることはできなかったけれど。 最後だから 精一杯、伝えなくてはならないと。 精一杯、伝えなくてはならないと。 自然と柄にもなく。 最期のように 誠心誠意、ここに浮かんでくる想像をすべて 精神誠意、ここに残っている想像を一つ残らず。 最期のように 一生懸命、ここに流れてくる創造をすべて 一生懸命、ここに残っている創造を一つ残らず。 「精一杯」なんて何年ぶりに使うだろう。 「誠心誠意」なんて何歳以来だろう、使うの。 「一生懸命」なんて当分、使うことないって思っていたけれど。 大きなものをくれた人 大切な大切な解き明かせない謎をくれた人。 大きなものをくれた人 大事な大事な説明し尽くせない謎をくれた人。 大切な大切なあなたに伝わるように。 大事な大事なあなたに滲んでいくように。 最後だから 最期のように ラストソングのように 永遠に枯れないような感謝を。 無理なく、柄にもなく、詩の中に。 ---------------------------- [自由詩]ふくよかな球体 晴れやかな柔軟 果てなき白夜/komasen333[2014年8月22日13時01分] うねる 静かな炎は囁くように くねる 穏やかな波は叫ぶように 照り返す 白き光の渦 盛り返す 情動の深き熱 粘りつく透明なる泡沫 したたり落ちる蒼く儚い空 掠れる残響  こすれる色彩 夥しい回路は  刹那に急迫性を帯び  絶頂と不安を混ぜ合わせる 時間に許された  艶やかな一挙手一投足 空間に選ばれた  崇高なる光と色と熱の折衝 伸び上がる  限界など知らぬような目映さ 伸び上がる  重力など知らぬような鮮やかさ 溶けて 溶けて 落ちて 浮かんで 落ちて 浮かんで このままで そのままで このままを そのままを いつまでも どこまでも 滲む背徳  わけもなく背徳 迸る罪悪  子供じみた罪悪 記憶に埋め込まれてゆく  繊細な深奥な水源を遡るような物語の残像 拡張する球体 破裂する柔軟 ふくよかな晴れやかな浮遊 濡れながら乾かしていく  渇きながら濡らしていく 透明なまま  音響は抑揚を深めて 透明なまま  動きは上昇を極めて すべてが揃った瞬間  満ちる、遠のく、気づく 世界は孤独のためにあったのだと 世界は二人のためにあったのだと 世界は出会いのためにあったのだと 疑いもなく笑い合い  信じることだけに染まり  他者は自分となり  自分は他者となる  矛盾なく  論理と感性は結合し 歓声と功利は完成へ流れ出す ---------------------------- (ファイルの終わり)