komasen333 2012年1月31日10時45分から2012年6月18日0時35分まで ---------------------------- [自由詩]小説花火映画/komasen333[2012年1月31日10時45分] 必死になって  一瞬でもいい、小説になりそうな時間を繰り広げて 必死になって  一瞬でもいい、花火になりそうな時間を打ち上げて 必死になって  一瞬でもいい、映画になりそうな時間を映しとって 必死になって  一節でもいい、小説になりそうな人生を繰り広げて 必死になって  一発でもいい、花火になりそうな人生を打ち上げて 必死になって  一章でもいい、映画になりそうな人生を映しとって 記憶に留まるとしても 歴史に刻まれるとしても     行き着くところは同じ 記憶に留まるとしても 歴史に刻まれるとしても     成れの果ての姿は同じ ハジマリオワリ  抱いてきたのか抱かされてきたのか?   それは何かや誰かが教えてくれることではない 抱いてきたのか抱かされてきたのか?   それは何かや誰かが決めてくれることではない 抱いてきたのか抱かされてきたのか?   それはご自分で落としどころを探るしかない 必死になって  一瞬一瞬、小説になりそうな時間のために 必死になって  一瞬一瞬、花火になりそうな時間のために 必死になって  一瞬一瞬、映画になりそうな時間のために 必死になって  一節一節、小説になりそうな人生のために 必死になって  一発一発、花火になりそうな人生のために 必死になって  一章一章、映画になりそうな人生のために オワリハジマリ 担ってきたのか担わされてきたのか?   それは何かや誰かが教えてくれることではない 担ってきたのか担わされてきたのか?   それは何かや誰かが決めてくれることではない 担ってきたのか担わされてきたのか?   それはご自分で落としどころを探るしかない 必死になって  小説になりそうな時間を毎日繰り広げてとはいわない 必死になって  花火になりそうな時間を毎日打ち上げてとはいわない 必死になって  映画になりそうな時間を毎日映しとってとはいわない 必死になって  小説になりそうな人生を毎日繰り広げてとはいえない 必死になって  花火になりそうな人生を毎日打ち上げてとはいえない 必死になって  映画になりそうな人生を毎日映しとってとはいえない 小説になりそうな時間を毎日繰り広げられたところで 花火になりそうな時間を毎日打ち上げられたところで 映画になりそうな時間を毎日映しとられたところで    すぐに息切れ症候群  小説になりそうな人生を毎日繰り広げられたところで 花火になりそうな人生を毎日打ち上げられたところで 映画になりそうな人生を毎日映しとられたところで    すぐにタメ息症候群 ハジマリオワリ  オワリハジマリ 意義があったのかなかったのか?   それは何かや誰かが教えてくれることではない 意義があったのかなかったのか?   それは何かや誰かが決めてくれることではない 意義があったのかなかったのか?   それはご自分で落としどころを探るしかない オワリハジマリオワリ ハジマリオワリハジマリ 1つ終わっても、時間は終わらない 1つ終わっても、世界は終わらない 1つ終わっても、人生は終わらない 小さな1つ終わっても、時間は終わらない 小さな1つ終わっても、世界は終わらない 小さな1つ終わっても、人生は終わらない 大きな1つ終わっても、時間は終わらない 大きな1つ終わっても、世界は終わらない 大きな1つ終わっても、人生は終わらない 大切な1つ終わっても、時間は終わらない 大切な1つ終わっても、世界は終わらない 大切な1つ終わっても、人生は終わらない 最高の1つ終わっても、時間は終わらない 最高の1つ終わっても、世界は終わらない 最高の1つ終わっても、人生は終わらない 最悪の1つ終わっても、時間は終わらない 最悪の1つ終わっても、世界は終わらない 最悪の1つ終わっても、人生は終わらない 究極の1つ終わっても、時間は終わらない 究極の1つ終わっても、世界は終わらない 究極の1つ終わっても、人生は終わらない 完璧な1つ終わっても、時間は終わらない 完璧な1つ終わっても、世界は終わらない 完璧な1つ終わっても、人生は終わらない ハジマリハジマリ オワリオワリ 1つ終わっても、時間は決して終わらない 小さな1つ終わっても、時間は決して終わらない 大きな1つ終わっても、時間は決して終わらない 大切な1つ終わっても、時間は決して終わらない 最高の1つ終わっても、時間は決して終わらない 最悪の1つ終わっても、時間は決して終わらない 究極の1つ終わっても、時間は決して終わらない 完璧な1つ終わっても、時間は決して終わらない 1つ終わっても、世界は決して終わらない 小さな1つ終わっても、世界は決して終わらない 大きな1つ終わっても、世界は決して終わらない 大切な1つ終わっても、世界は決して終わらない 最高の1つ終わっても、世界は決して終わらない 最悪の1つ終わっても、世界は決して終わらない 究極の1つ終わっても、世界は決して終わらない 完璧な1つ終わっても、世界は決して終わらない 1つ終わっても、人生は決して終わらない 小さな1つ終わっても、人生は決して終わらない 大きな1つ終わっても、人生は決して終わらない 大切な1つ終わっても、人生は決して終わらない 最高の1つ終わっても、人生は決して終わらない 最悪の1つ終わっても、人生は決して終わらない 究極の1つ終わっても、人生は決して終わらない 完璧な1つ終わっても、人生は決して終わらない ハジマリハジマリ オワリオワリ ハジマリハジマリ 1つ終わっても 小さな1つ終わっても 大きな1つ終わっても 大切な1つ終わっても 最高の1つ終わっても 最悪の1つ終わっても 究極の1つ終わっても 完璧な1つ終わっても どんな1つ終わっても    時間は終わってはくれない どんな1つ終わっても    世界は終わってはくれない どんな1つ終わっても    人生は終わってはくれない ---------------------------- [自由詩]来るべき冬/komasen333[2012年2月1日9時38分] 普段は意識さえもせぬその季節 迫るときには狂おしいほどの現実感を伴って 唐突に 緩やかに   訪れる春寒は 唐突に 緩やかに   迎える春寒は      個別的に夜霧  個別的に燈る    ときにそれは 不人称の風となって この聴覚に漠然とした抽象度で寄せては程なく返っていく ときにそれは 3人称の風となって この嗅覚を個別的で不可知な地平からうっすらとくすぐっていく ときにそれは 2人称の風となって この鼓動にその個別的な概念を感情的に色濃く滲ませる 適度に改めて突きつけられてくる春寒 そのたび  改めて問いかけずにはいられなくなる 過ぎ去ったとは何か?  事実や記憶の化身した不変の存在か?  あくまでも過ぎ去った非在に過ぎないのか?    適度に改めて突きつけられてくる春寒 そのたび  改めて問いかけずにはいられなくなる 来るべき冬とは何か?   始まりを象徴する春の対極か?  連関を象徴する春夏秋冬の帰結か?    答えは それぞれの心象図にそれぞれの形式で揺らめいては返し 返しては霞んでゆく やがて 霞みきる頃に再び突きつけられてくる春寒 その息吹は自然を装いつつも春に導かれているようであり その一連は蓋然を装いつつも 春夏秋冬に組み込まれているようでもある 現に在るとは何か?  巡りめぐる過ぎ去ったと 未だ来ぬを繋ぐための春寒という存在か?  巡りめぐる過ぎ去ったと未だ来ぬを繋ぐための春寒という存在と 来るべき冬という非在の緩衝に過ぎないのか? ただただ 問いが ただただ 問いだけが ただただ 問いばかりが      横たわり続け ただただ 答えが ただただ 答えだけが  ただただ 答えばかりが      浮かんでは散り続ける ---------------------------- [自由詩]生きていることは素晴らしい/komasen333[2012年2月2日11時58分] 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして過ごせるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして過ごしてくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして過ごし合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして飲めるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして飲んでくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして飲み合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして食べれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして食べてくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして食べ合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして話しかけれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして話しかけてくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして話し合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして歩けるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして歩いてくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして歩き合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして描けるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして描いてくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして描き合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして走れるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして走ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして走り合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして創れるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして創ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして創り合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして壊せるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして壊してくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして壊し合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして喜べるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして喜んでくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして喜び合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして怒れるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして怒ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして怒り合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして哀しめるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして哀しんでくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして哀しみ合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして楽しめるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして楽しんでくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして楽しみ合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして笑えるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして笑ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして笑い合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして頑張れるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして頑張ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして頑張り合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして苦しめるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして苦しんでくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして苦しみ合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして上れるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして上ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして上り合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして下れるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして下ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして下り合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして想えるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして想ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして想い合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして考えれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして考えてくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして考え合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして迷えるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして迷ってくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして迷い合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして悩めるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして悩んでくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして悩み合えるだけで素晴らしい 生きていることは素晴らしい 生きているだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして愛せるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして愛してくれるだけで素晴らしい ここで呼吸して、こうして愛し合えるだけで素晴らしい そんな風に真っ直ぐに想える日がある そんな風に真っ直ぐに保てる日がある そんな風に真っ直ぐに伝えられる日がある そんな風に真っ直ぐに想える季節がある そんな風に真っ直ぐに保てる季節がある そんな風に真っ直ぐに伝えられる季節がある 生きていること   それは、時に素晴らしいこと 生きていること   それは、時に素晴らしいとは限らないこと 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして過ごせるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして過ごしてくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして過ごし合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして飲めるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして飲んでくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして飲み合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして食べれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして食べてくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして食べ合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして話しかけれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして話しかけてくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして話し合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして歩けるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして歩いてくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして歩き合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして描けるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして描いてくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして描き合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして走れるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして走ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして走り合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして創れるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして創ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして創り合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして壊せるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして壊してくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして壊し合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして喜べるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして喜んでくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして喜び合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして怒れるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして怒ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして怒り合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして哀しめるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして哀しんでくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして哀しみ合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして楽しめるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして楽しんでくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして楽しみ合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして笑えるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして笑ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして笑い合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして頑張れるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして頑張ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして頑張り合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして苦しめるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして苦しんでくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして苦しみ合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして上れるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして上ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして上り合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして下れるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして下ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして下り合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして想えるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして想ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして想い合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして考えれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして考えてくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして考え合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして迷えるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして迷ってくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして迷い合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして悩めるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして悩んでくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして悩み合えるだけでは素晴らしいとまではいえない 生きていることは素晴らしいとは言いきれない 生きているだけで素晴らしいわけではない ここで呼吸して、こうして愛せるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして愛してくれるだけでは素晴らしいとまではいえない ここで呼吸して、こうして愛し合えるだけでは素晴らしいとまではいえない そんな風にしか想えない日がある そんな風にしか保てない日がある そんな風にしか伝えられない日がある そんな風にしか想えない季節がある そんな風にしか保てない季節がある そんな風にしか伝えられない季節がある 全肯定がよくて、全否定が悪い       そんな単純な話じゃないのだろう 全肯定もよくて、全否定もいい       そんな単純な話でもないのだろう 生きていること   それは、素晴らしさを意識できるということ 生きていること   それは、素晴らしさを模索できるということ 生きていること   それは、生きていることを意識できるということ 生きていること   それは、生きていることを思索できるということ 生きていること   それは、時に素晴らしいこと 生きていること   それは、時に素晴らしいとは限らないこと どちらが正解で、どちらが間違い       そんな単純な話じゃないのだろう どちらも正解で、間違いはない        そんな単純な話でもないのだろう 生きていること   それは、素晴らしさを意識できてしまうということ 生きていること   それは、素晴らしさを模索できてしまうということ 生きていること   それは、生きていることを意識できてしまうということ 生きていること   それは、生きていることを思索できてしまうということ 生きていること   それは、常に素晴らしいこと 生きていること   それは、常に素晴らしいとは限らないこと どちらが道徳で、どちらが背徳       そんな単純な話じゃないのだろう どちらも道徳で、背徳はない        そんな単純な話でもないのだろう 生きていること   それは、素晴らしいと想えること 生きていること   それは、素晴らしいとは限らないと想えること 生きていること   それは、生きていると想えること 生きていること   それは、生きているとは限らないと想えること 生きていること   それは、たぶん 素晴らしいと想ってもらえること 生きていること   それは、たぶん 素晴らしいと想ってもらえるようになること 生きていること   それは、たぶん 生きていると想ってもらえること 生きていること   それは、たぶん 生きていると想ってもらえるようになること という 宣誓を書いた  監夢官の 手の温もりを感じながら ボクは書いた ボクという「君たち」は書いたんだ ---------------------------- [自由詩]I am ポエマー/komasen333[2012年5月22日12時27分] キミがいなくなるなんて想像できない キミがいなくなるんて想像したくない そうは言っても お若いの そんなトーンじゃ  味わいなんて生まれっこない 体調が悪い  心が不安定  そんなの知ったこっちゃない 何食わぬ顔でオンピーク通勤 病気なんです  虚しいんです  そんなの知ったこっちゃない 有無言わせぬ雑踏をすり抜けながら ちょっくら 階段を昇って見渡せば  黙々とスクラップ&ビルドなシティー ただ、ぼ〜と  眺めているだけなのに   過ぎる一抹の寂しさ それと同時に 伝染するような躍動感も半端なく オレが消えようと   どうってことないシティー オレが消えようと   今日も、明日も、止まらぬシティー 駅前の夕暮れ スーパーへ 保育園へひた走る  お母さんたちにしっかりと敬礼 駅前の夜更け きりっとした眉毛と くたびれたスーツ  お父さんたちに深々とお辞儀 有り余ってる時間   オレは何をしたいのか・・・ 中途半端な年齢   オレは何をすべきなのか・・・ 四の五の言わず  まずは書きたいこと気楽に書いてみれば? そうそう  とにかく書いて、書いて そうそう  とにかく書いて、書いて書くしかない ちょっと誇大ではないですか? 大げさなくらいで  ちょうどいい性分でしょうが 使いこなせないスマートフォン  置いてけぼり 「若者のくせに」とおっしゃる気持ちは山々 だけど  合う合わないは人それぞれ なんとか ゴールデンタイムの歌番組ギリギリセーフ 涙ぐんだオーボエ奏者 証明された今夜 確証はない 論理もない 最初で最後のスター まだまだ引退は早い 憧れに憧れ続けたまま? またまた 憧れに求め続けたまま? はたまた? チンコしこってる場合か 若人 対岸では日夜瓦礫の山を前に 人道しているっていうのに メイクにかまけてる場合か 若人 チューブにつながれる日が 来るかもしれないってのに 閑話休題 どうなるのかTPP? 開国するかしないか  二択ってのもなんか違う気がするね 詳しいことはよくわかんないけど  慎重に慎重を期してもらいたいところ 頼りない政権  批判ばっか野党  気まぐれ無党派  ウンザリ世論 どうなる我が母国 くだんない政争に明け暮れてるうちに  「危険水域間近」  飲み会と変わらぬノリで  よくわかんない評論家と 胡散臭い専門家はニタニタ座談会   それでも  チラホラ 目を見張る政策 それでも  チラホラ ノーベル賞も頂戴 羽ばたいてゆくNGO  担いつつあるNPOも多々 捨てたもんじゃない やっぱ素晴らしい 我が「母国」 憂い   誰もが、多かれ少なかれ 何食わぬ顔でたくましきオンピーク通勤 幽霊   誰もが、多かれ少なかれ そんな雑踏をすり抜けながら  良い意味で無神経フル稼動 振りかぶって 「今日が最初で最後」 各々の立場で  各々の環境で  各々の信念で  最大限のドゥーマイベスト! 蹴り上げて 「昨日までは思い出」 各々の立場で  各々の環境で  各々の信念で  最大限のドゥーマイベスト! 汗水たらして 体でも心でも お好きな方をチョイスして 各々の立場で  各々の環境で  各々の信念で  最大限のドゥーマイベスト! そうそう  とにかく書いて、書いて   振り向いてもらえなくてもさ そうそう  とにかく描いて、描いて   ゼロでもマイナスでもどんどん これぞ! マイ最高法規   わたしゃ 根っからのポエマー ちょっとくらいの勘違いは欠かせない これぞ! マイ最高原理 わたしゃ 死ぬまでポエマー 甚だしすぎる遠慮よりは遥かにマシ キミがいなくなるなんて想像できない キミがいなくなるんて想像したくない よくわかるよ 若人 だけど どっちみちいつかは通る道  どっちみち誰もが通る道 遅いか、早いか  所詮はそれだけのこと  それ以上でもそれ以下でもない 四の五の言わず  なんちゃってでも哲学 がっつりと正面から組み合って  はっけよ〜い、のこった! ---------------------------- [自由詩]鳴り止まぬ潮騒/komasen333[2012年5月23日15時24分] 絶望のない 暗い 暗い 海を泳いでいる 起きたときには そうなっていた そう鳴っていた フライドポテトを食べた直後の 人差し指と親指にまとわりついた まどろんだ違和感のようなものが 断続的に 拙速気味に 心象風景を占領してゆく 責任なき自由か 自由なき責任か 無理矢理 絞り込まれる選択肢の数々 文化が 涵養とも狂気とも程遠い悲鳴を伴い 絶望から 高速で転がってゆくのを半笑いで見送る 政治が 熟議とも独裁とも程遠い嘆息を伴い 断崖から 光速で転がってゆくのを半笑いで手拍子 ありとあらゆる決断を否定し ありとあらゆる延期を肯定する 舐めきった安静で 冷めきった瞳孔で 暗い 暗い  いつかのような波に呑まれてゆく ---------------------------- [自由詩]90年代の焼き増し/komasen333[2012年5月24日16時32分] タメ息にタメ息 90年代から引き摺ったままのニヒリズム 新機軸のように祭り上げて 群れることしかできない 何もしないよりはまだマシ 直接出向かなくても 間接で限りなくリアル 便利とは何とも喜ばしい それも一時 すぐに虚しい なんとも味気ない これまた急進的振り子現象 進んでいるのか 退いているのか 10年、20年後に 歴史の証人たちは何と語るやら わかったフリばっか  東西南北揃いも揃ってお上手で よくわかってないまま リスクとコストを大雑把に積算し 重大選択独断決定 国旗を振って 一心になれるなら苦労はない 国旗を焼いて 出し抜けるのなら苦労はない とか何とか言いつつ はい、喜んで国歌斉唱  スタジアムに限らず、限らず、限らず はい、喜んで起立拒否 体育館に限らず、限らず、限らず どっちつかず 「中庸」と得意気に美化し ぼかしに至らない模範的な小ざかしさ 安全神話の中で ぬくぬくと セリフ少な目の脇役に挙手殺到の末期 ---------------------------- [自由詩]幾千幾億の高揚樹林/komasen333[2012年5月25日14時02分] 淡く儚く散り逝く 切なく脆く飛び立つ 昇る音階に 合わせるように踏み出したおぼろげな勇気 迷い込んだのは 昔話めいた背景音の森 行方はなくとも 目指していた愛は遠くとも 叙情的な交響曲に 包まれるように洗われるように   意識は 大空を翔る鳥達のように伸び伸びと 知らなかった感覚    小さな小さな風景の連続 知らなかった場面    次々に紡ぎゆく自然の呼び声 遠い日々に呼吸していた海の感触 螺旋階段のように昇っていた 深海魚たちの息づく粒 唐突に この心に安楽の潤いとはまた違う  太古の記憶にも近いものを想起させる 知らなかった感覚    小さな小さな連鎖に掬われ 知らなかった場面    次々に紡ぎゆく闇の頒布に救いを見る 狂おしき季節    整然と切り替わりながら それ以上に 雑然と重力に重力を加える 愛おしき季節    整然と彩を重ねながら それ以上に 猛然と光陰矢のごとしを賭ける 幾千幾億の鼓動が 辿ってきた叡智に            静かに細やかに 深く感謝を注ぐ 幾千幾億の時が 目指してきた遥かな遥かな普遍に    静かに細やかに 深く祈りを捧ぐ 歌声は今 高揚樹林の合間を縫うように いくつも峰をまたぎ大地に響き渡る 鳥達は今 遥か彼方から連なる遺伝の面影を 滲ませるように調和を組み 自由に本能的に世界をクレッシェンド ---------------------------- [自由詩]のばせなかった手のひら/komasen333[2012年5月26日10時46分] 思うとさ 浮かべるまでもないんだけどさ 君のことばかり考えているんだ   一日中さ 笑っちゃうくらいさ 君のことしか浮かんでこないんだ どんなときでもどんな場所でも   少しゆとりができると すぐに浮かんでくるんだ 君の笑顔が どんなに欠かせない存在だったのか どんなに君がいなきゃ駄目だったのかが 日を追うごとに   強く、強く僕を締めつけていく ああ、今頃何をしているのかな 全然環境も関係も違うけど 考えていることはあの頃と同じだ 手をのばせば微笑んでくれそうで でも、まっすぐにのばすのは 何か違うような気がして 手をのばせば握ってくれそうで でも、まっすぐにのばすのは 何か恥ずかしくて そんな風に毎日ときめいていた そんな風に毎日焦がれていた ああ、今頃幸せになっているのかな 全然環境も関係も違うけど 考えていることはあの頃と同じだ 手をのばせばよかったな   おもいっきりまっすぐに そしたらたぶん 少し遠慮がちに 少し高らかに    「いいよ」って感じの上から目線で 微笑んでくれていたんだろうな 手をのばせばよかったな   おもいっきりまっすぐに そしたらたぶん 少し恥ずかしげに 少し誇らしげに    「待たせすぎ」って感じの上から目線で 握り返してくれていたんだろうな こんなにも   なんとなくだけどわかっていたのに こんなにも   なんとなくだけど感じられていたのに のばせなかった てのひら のばせなかった 少しの素直 全然ありえないイフなら こんなに長く長く もつことなんてなかったんだろうな 僕の言動次第で 全然ありえたイフだからこそ こんなにも長く、長く・・・ のばせなかったてのひらだけが 今でも時折 無意識に虚空を掴もうとしては 行き場をなくし とりあえず出る気もない 欠伸を抑えては どこか寂しげ ---------------------------- [自由詩]ピラミッドの落書き/komasen333[2012年5月27日10時38分] どうせこんなもんだろ?   なんて姿勢はしてこなかった 我武者羅に ただひたすらに 目の前の一つ一つと向き合ってきた どうせこんなもんだろ?   なんて台詞は発してこなかった 無我夢中に ただ真っ直ぐに 目の前の一つ一つをやりきってきた 心の奥底では 「どうせこんなもんだろ?」が 終始渦巻いていた 誰にもいえないまま 何にもぶつけられないまま 心の奥底では 「どうせこんなもんだろ?」が 終始渦巻き続けていた 誰にも愚痴れないまま 何にも零しきれないまま ただただ 何でも真面目にやりますよ的なスタンス    ばかり器用に身に着けていった ただただ 何でも真面目にやりますよ的なスタンス    ばかり器用に身に着けていくうちに 脱ぎ方を忘れてしまっていた 気づいたときには どこにも辿りつけていかなかった 気づいたときには いつかも越えられていなかった わざわざ気づくまでもなく どこにも 行けない気は何となくしていた わざわざ気づくまでもなく いつかを 越えられない気は何となくしていた どうしようもない現状に 心の奥底で 嫌気ばかり刺している    刺したところで 何一つとして代わり映えしないとしても 刺さずにはいられない 刺さずにはいられない   表立ってはまさかできるはずもなく 足りないとか 満たされないとか そんな単純じゃない   原因は 抽象を極めて幻想的ですらある 足りないとか 満たされないとか そんな単純じゃない   目くるめくように深まっていく 誰のせいでも 何のせいでもない その事実がこの胸を締めつけすぎる 抜けきったところで決して拭えやしない 繰り返したところで決して拭えやしない        予感は確信に近づく 予感は確信に靡く 抜けきったところで決して拭えやしない 繰り返したところで決して拭えやしない        予感は確信に迫る 予感は確信に染まる 「どうすればいいんだ?」って     台詞自体が あまりにもインスタント化されすぎている 「どうしようもない」って     台詞自体が あまりにもバーゲンセールされすぎている 「どこにいけばいい?」って 台詞自体が あまりにもフレーズ化されすぎている 「どこにもいけない」って     台詞自体が あまりにもメロディー化されすぎている 「いつに戻ればいい?」って 台詞自体が あまりにもコピペされすぎている 「いつにも戻れない」って 台詞自体が あまりにも普遍化され過ぎている 追い越しても、追い越しても 追い越しても、追い抜かれていく 追い越しても、追い越しても 追い越しても、終わりが見えない 追い越しても、追い越しても 追い越しても、ちっとも変わらない 追い越しても、追い越しても 追い越しても、少しも立ち止まれない 「どうすればいいんだ?」って 「どうしようもない」って 「どこにいけばいい?」って 「どこにもいけない」って  「いつに戻ればいい?」って 「いつにも戻れない」って     台詞に代わる 適切な台詞が見当たらないまま 適切な生き方を見出せないまま ---------------------------- [自由詩]信用金庫が開くまで/komasen333[2012年5月28日13時42分] あどけない魔法 途切れないで 手を合わせて祈った  田舎のおじいちゃんのような空に くり返す切なさを  止めどない憧憬を 持て余した  無限にあったはずの三年間を  悔やんでも、悔やんでも 夏を終わらせるように  宵闇が深まるほどに強まる雨足 何を物語ろうとしているのか  こんな空なのに  うっすらと見える月明かり ほどなくして青白い 生まれたてみたいな顔つきした  小さな小さなこの街 張り裂けたことは  もう、数えきれない 両手の指を何往復しても  とても、数えきれない 信用金庫が開くまで  長めの朝食作り 慣れない手つきで  五、六年ぶりに台所に立って  味噌汁まで作って 信用金庫が開くまで  長めの洗濯物干し ゆったりとしたリズムで  二、三ヶ月ぶりに陽光を  全身に隈なく浴びて 信用金庫が開くまで  やりかけのジグソーパズル 押入れから引っ張り出して  埃をボタンチェックの袖で拭って  息を吹きかけて 躊躇ったことは  もう、数えきれない 両手の指を何往復しても  とても、数えきれない あどけない計画 破れないで 手を合わせて祈った  田舎のおじいちゃんのような空に くり返す虚しさを  寄せては返す虚しさを 止めどない憧憬を  ちらついて止まない憧憬を 持て余した  無限にあったはずの三年間を  悔やんで、悔やんで、悔やんだまま 持て余した  無限にあったはずの四年間を  悔やんで、悔やんで、悔やんだまま 信用金庫が開くまで  あの信用金庫が開くまで 信用金庫が開くまで  あの信用金庫が開くまで ---------------------------- [自由詩]I love me,me,me・・・/komasen333[2012年5月29日10時52分] 這いつくばってでも手にしたい 魅惑を超えた儚さをふんだんに降り注ぎ 司会者の第一声よりも早く 投げかけを 鮮やかに遂行 ろくでもない大綱 止める術をひた隠し  縁取られた経済性を死守 嘆きにも似た焦燥に犯され 先送りに次ぐ先送り 本質を何度も、何度も見誤る 全体主義も真っ青な白々しさ 欠けきった当事者意識 脇役も、背景も  俺が、私がと主演を決め込み 荒れに荒れる もはや舞台とは呼べぬ混沌 私を愛して!  一番スゴイ私を愛して! 津波を超える勢いで 押し寄せる自己愛社会 俺を愛して! 一番スバラシイ俺を愛して! 津波を超える質の悪さで 駆ける自慰愛国家 溢れ返る主人公 区分が区分を為さない 適正な配役を 「お仕着せは撤廃」とご都合進行 毀れ出す単独愛 部分が部分を為さない 尊ぶべき統括は 「知ったこっちゃない」と私服肥やし腐心 進んでいるようでも 限りなく退いているにも関わらず 目を逸らして 耳を塞いで 必死に現状賛美歌を個々人が独唱独演 行き着く先は 近代ペシミズムも呆れる 何重もの強欲の皮に覆われた無菌室 ---------------------------- [自由詩]流浪に添える待合室/komasen333[2012年5月30日13時31分] 物語を失くした国を出てゆく 誰に追われるでもなく 逃避行のように 思い出す場面は 冗談にもほどがある あの北欧映画の  ラストシークエンスによく似ていて    愛し過ぎたが故に遠ざけてしまう  こんな私を許してください・・・   ヒロインのように   平気でつらつらと   劇画的な街を   背景に   歌い上げるようにつぶやく 誰よりも愛していた  二人は 出逢うべくして出逢った 一目見た 瞬間から  記憶が知らない感覚へ落ちていって 誰よりも愛していた 互いに  今までの誰よりも 今までの何よりも 確かに感じていた  まっさらに色づいた 瞳が  そう物語っていた  こめかみに   積り積もった憂鬱を突きつけて  「もう・・・」   なんとなく予感していた切り出し  制しようと なりふり構わず   押さえ込んでいたつもりは  なかったけれど  あなたの前で 見せたことのない   私らしさが暴れ始める 物語を失くした国を出てゆく 何に焦るわけでもなく 逃避行のように 巡り出す場面は 冗談にもほどがある あの北欧映画の  ラストシークエンスによく似ていて 季節を失くした国を出て久しく 知らない言葉 慣れない文化  馴染めない温度 都市を跨ぐごとに 歳を重ねるごとに  重みを増していく孤独 凍えるような白銀が 窓に広がっている 何年目かもわからない  何回目かもわからない  運転開始を待ちわびる 夜明け前 疎らに座る  様々な年代 様々な顔つき その中心で  静かに燃え上がる暖炉 ぼんやりと眺めながら 一番美しかった頃の その横顔を  浮かべている  いつまでも 浮かべてしまっている ---------------------------- [自由詩]ラブソング応援歌/komasen333[2012年5月31日13時28分] 腐るほどつくられていくラブソング 腐るほどつくられていく応援歌 時代を経ても変わらない心象風景 世代をまたいでも浸透していく心理描写 呆れるくらい 今日もそこらかしこでラブソング 呆れるくらい 今日もそこらかしこで応援歌 国民性によるものなのか 人間の性によるものなのか 大勢がその歌に自分を重ねていく 大勢がその歌から勇気を抱いていく 腐るほどのラブソング  心地よいカタルシス   腐るほどの応援歌 小気味よい冒険心 特にメロディー 特にリリック 楽しみ方は様々だろうけど 腐るほど つくられたラブソングの数だけ 素晴らしい恋愛は増えたのかな? 腐るほど つくられた応援歌の数だけ 輝かしい人生は増えたのかな? 暇つぶしに 一人の時間に 楽しみ方は様々だろうけど 腐るほど つくられたラブソングを聴けば 理想的な恋愛を築いていけるのかな? 腐るほど つくられた応援歌を聴けば 理想的な人生を築いていけるのかな? 呆れるくらい 今日もそこらかしこでラブソング 呆れるくらい 今日もそこらかしこで応援歌 次から次へと 腐るほどつくられていくラブソング 次から次へと 腐るほどつくられていく応援歌 加速に加速に加速を重ねて 量的に量的に量的を重ねて 腐るほどのラブソング 腐らないうちに 次が 次の次が 次の次の次が・・・     腐るほどつくられていく       まるで 僕らは、世界は   恋と愛のみで構成されているかのように 腐るほどの応援歌 腐らないうちに 次が 次の次が 次の次の次が・・・     腐るほどつくられていく      まるで 僕らは、世界は   勇気のみを原動力にしているかのように 腐るほどつくられていく そんなラブソング 腐るほどつくられていく そんな応援歌 そんなラブソングに癒されながら そんな応援歌に勇気づけられながら       この詩を 書いてしまったという不始末 ---------------------------- [自由詩]また、逮捕されたんだ/komasen333[2012年6月1日18時28分] 計算に満ちたつぶら その狭間でエセ素知らぬ 大胆に満ちた豊潤 その狭間でエセ鈍感 受動態のまま 都合よき展開を待ちわびるシンデレラ 地底すれすれのあまた 可愛そうにと手を差し伸べた 「そんな自分」を徹底しておけば プラスマイナス 全部0になる気がした この身体以外、全部くだらない この精神以外、全部知ったこっちゃない それでも成立する それだけで完結する 箱庭を選んだ 箱庭を選び続けた また、逮捕されたんだ この身長と同じくらいの背丈の奴が また、逮捕されたんだ この年齢と同じくらいの年齢の奴が また、逮捕されたんだ このルックスと同じくらいのルックスの奴が また、逮捕されたんだ この学歴と同レベルの学歴の奴が また、逮捕されたんだ この経歴と同レベルの経歴の奴が また、逮捕されたんだ この怠惰と同じくらい怠惰な奴が また、逮捕されたんだ この憎悪と同じくらい憎悪を持った奴が また、逮捕されたんだ この閉塞と同じくらい閉塞を抱えた奴が また、逮捕されたんだ まるでこの俺のコピーみたいな奴が また、逮捕されたんだ まるで俺の身代わりになったかのように ---------------------------- [自由詩]枯れかけヶ丘/komasen333[2012年6月2日12時48分] 想像以上の心地よさ 抜け切ることも逃げ出すことも 叶わぬまま綴っています そんな風にいつまでも いられると思ってはいないけど どこかで願ってしまっている     自分がいるのも事実 枯れかけた花を摘みにいった 季節の境目の夕方 あの頃やあの人の記憶が 鮮明な町にまで わざわざお洒落をして わざわざコンタクトして わざわざメイクして わざわざ行って わざわざ人目を避けて わざわざ感傷的になって わざわざ枯れた花ばかりを摘んできた そしたら次第に此処落ち着いていった 必要以上に 乱れていたはずの最近が嘘のように           そんな風にならないこと そんな風になるはずのないこと  知っていたのに ときに過ぎる ノスタルジア跳ね除けようとするがあまり 試しにと画策した 今回のセンチメンタルな遠出 結果、何も変わりませんでした 結果、心象も変わりませんでした あの頃の風景が ちょっと変化しているくらいでした 肝心な場所は 何一つ変わらないままでした モノクロもセピアも緩みませんでした 摘むなんて皆無でした 千切っては投げて 千切っては投げて     ばかりいました 千切っては踏みつけて 千切っては踏みつけて  ばかりいました それで何かが 変わるはずもありませんでした それで何かが 忘れられるはずもありませんでした 次の季節を告げる風が かすかに吹き始めていました 誘われるように 次の季節の花々が しれっと揺れ始めているばかりでした ---------------------------- [自由詩]基本、行かない/komasen333[2012年6月3日23時57分] 行かない、行かない 行きたくないわけでもないけど 行かない、行かない 行かない、行かない 行ってみてもいいけれど 行かない、行かない ちょっと時間が・・・ ちょっと仕事が・・・ ちょっと体調が・・・ ちょっとお金が・・・ 行かない、行かない 行きたくてしかたがないけど 行かない、行かない 行かない、行かない 行ってみたいんだけれど  行かない、行かない ちょっと時間がね・・・ ちょっと仕事がね・・・ ちょっと体調がね・・・ ちょっと色々とね・・・ 行かない、行かない      続けているうちに 「行っても行かなくてもどっちでもいい」 行かない、行かない      続けているうちに 「行くかどうか考えるのがめんどくさい」 行かない、行かない      くり返しているうちに 本当に 行かなくなっていく 行かない、行かない      くり返しているうちに 本当に 行きたくなくなっていく 行かない、行かない      くり返しているうちに 本当に 行けなくなっていく ---------------------------- [自由詩]青になあれ/komasen333[2012年6月5日16時05分] 「 お前ほど   暇なやつなんてこの街にいるのか? 」 それほど暑苦しくもない関係性の渦で それほど嫌味っぽくない表情で 言われるばかりの私だけれど 昨日 リビングにある  そこらじゅう 捲れちまってる革張りのソファーに 寝転がった その瞬間 ふと気づいた こうして ドーンと寝転がるのって 何年ぶりだろう?  こうして 寝転がって  なんにも考えずにボケ〜とするのって 何年ぶりだろう と どうせ、ほら吹き認定になるんだろうけど 常に 何かしら 考えて、動いて  常に 何かしら 動いて、考えて  くり返してきたんだ  これまでの3年2ヶ月  寝転がってみて 改めてそう想えた  そう、感じることができた 必要以上に過信に染められた  自尊は  もう、いつ折れてもおかしくない 必要以上に美学に祝福された 全身は  まだまだ、まだまだ枯れそうにない なぜ、乗らなければいけないのか? なぜ、合わせなければいけないのか? なぜ、走らなければいけないのか? いちいち その都度、立ち止まり   気にかけずにはいられずに 到る現状 いちいち その都度、立ち止まり   問いかけずにはいられずに 到る今日 青になあれ 青になあれ 青になあれ   薄ピンクの帽子を被った  未就学児たちによる賛美歌 目を閉じて 少し俯いて 奥底で  静かにハウリングさせながら 赤になあれ 赤になあれ 赤になあれ  真っピンクのTシャツを着た  未就職人による鎮魂歌 重たく、重たく、重たく なったペダルを 踏みしめて、踏みしめて 答えなきまま  工事まみれの国道沿い デコボコストレート、ストレート ほろ苦く、苦く、苦く なった鼻筋を 丸い細い鼻筋を  意図を感じさせない速度で 収縮させつつ  この街の排気ガスを 出して、入れて、出して、入れて   止めどなく  夜のような昼を  引き延ばしてゆく だけのこと ---------------------------- [自由詩]ブランケット便り/komasen333[2012年6月6日20時43分] ブランケットにくるまって ハーブティーを啜りながら こんな詩を読んでいる場合じゃないよ 許せるようになんてならないよ 認められるようになんてならないよ 好きになれることもないよ           君が君自身を 溜め込むのは程々にしとかないと 巡らすのは程々にしとかないと        内省的な季節の重みが増す一方だ 導いてほしいと願い続けたところで 光が射し込むくらい 押し寄せてほしいと願ったところで 風が吹き寄せるくらい 守ってほしいと願ったところで 声が飛んでくるくらい 君は実感してしまったんだ 君は認識してしまったんだ 君は思考してしまったんだ 君は痛感してしまったんだ 光そのものを   自分自身で射し込まないことには 効用なんて概念を味わえないと 風そのものを   自分自身で吹きよせないことには 高揚なんて概念を味わえないと 声そのものを   自分自身で飛ばさないことには 昂揚なんて概念を味わえないと 交代してくれるような 器用な事例はないんだから 担ってくれるような 器用な事例はないんだから 君が君を担当しないと 君が君を広告しないと ブランケットにくるまったまま ハニービスケットを齧りながら   こんな詩を書いている場合じゃないよ ホント ---------------------------- [自由詩]半端モノ/komasen333[2012年6月7日18時17分] 楽園でもない 地獄でもない 早、3年2ヶ月  生きている  それ以上に生かされている  生かされてしまっている アウトプットらしいアウトプットもおざなりで  一家言だけ研ぎ澄まし インプットらしいインプットもおざなりで  理想論ばかり捲し立てる 世界が悪い  と、決めつけ続けることで保っていく なんとか保っていく  枯れ落ちそうな自尊心が  力なく笑ってる 笑ってる 泣いてる 接点らしい接点もないまま  愛撫を超えた愛撫を強要しようと模索 成果らしい成果もないまま  栄光を越えた栄光を首肯させようと画策 ありあまった時間  ありあまった体力 活かすことも、活かしきることもなく かといって  浪費するでもなく  浪費に振り切れる覚悟もなく 永遠のように  永遠であるかのように 今を この今を 何とかして繋ぎとめる  くさりらしいくさりも持たずに 燃え盛る初期衝動  花開かせるために必要なもの 数え上げることもなく  調べ上げることもなく 天性の産物  それだけで十分  言い聞かせて、言いくるめて  似たようなコースを何千週 苦労らしい苦労もなく 汗らしい汗もなく 苦悶らしい苦悶もなく 涙らしい涙もなく 平坦で  平行で  葛藤とは無縁な  幸せとは無縁な  緩やかなリズムもあってないようなもの  グルーヴも話にならない代物   摩天楼さえ 経済的成熟度に合わせ 適正な高さに縮めるこの時代において 肥大化するばかりの自尊心の赴くがまま  「俺は天才」と穿き違えた孤独を  「孤高」に自称で祭り上げ  あんなにも嫌がって エスカレーターから飛び降りておいて  率先してベルトコンベアーに 喜々としてベルトコンベアーに   手に負えない  その日暮らしの連綿、連綿、連綿 ---------------------------- [自由詩]痛い、やっぱり痛い。/komasen333[2012年6月8日20時39分] 痛いのかどうかはっきりとしないけど、心に先行して腹部が諸手を挙げているのでとりあえずここは「痛い」ということにして甘えるのもアリと思ったわけで、ストレスのストレスによるストレスのための方便にしか聴こえないかもしれないけど、この「痛さ」は私発のものであると仮定してこれ以後の行動は決めさせてほしいのだけれど、あなたにはあなたの仕事や家庭があるので付きっきりでこの痛いのかどうかはっきりしない過程にいつまでも対応しているわけにもいかないっていうのもよくわかるんだけれど、私も私なりに考えてというか、感じて、感じまくって、「痛い」っていう言葉に出さなくても表情に滲ませているんだから、もうちょっとそこんところは汲み取ってほしいんだけれど何を言っても後出しじゃんけんのようなやましさしか残らないから私は仕方なく「痛い」という表情まで抑制するようになり、数日と経たぬうちに病状が悪化して「なんで早く『痛い』って言わなかったの!」と小学生のように叱られながらも、ちょっとその真剣な口調に一筋の救いのようなものも感じて万事休すも捨てたもんじゃないなと思えたりなんかして、やっぱりそんなこと考える余裕があるからこの「痛い」の程度も知れてんのかなと自己整理かつ自己完結。 ---------------------------- [自由詩]敷き詰めたドア/komasen333[2012年6月9日18時40分] 届かない、届かない  嘆きながら     どこかでそう願っていた 届かない、届かない  叫びながら     どこかで居心地のよさを感じていた わかれることもなく 漂うこともなく 過ぎ去っていった心象風景ごと 届いてほしい  届いてほしい    どこまで本気だったのかな 届いてほしい  届いてほしい    いつまで本気だったのかな ぶつかることもなく 浮かび上がることもなく 過ぎ去っていった心象風景ごと 季節が高らかに終わりを印象づける そんな雨を盛大に迎え入れたのは 遠い遠いあの日と同じ 穢れなきはずの身や心は 盛大に揺らめき始めている    歳月に抗うように どこまでもいってみよう いつかのドアの向こうに敷き詰めた 盛大な幻想畑    今、整然と仮想の彩りを僕の瞼にだけ 焼きつけるように手を振っている いつまでもいってみよう どこかのドアの向こうに敷き詰めた 壮大な幻覚畑     今、雑然と仮象のゆらめきを僕の瞼にだけ 焼きつけるように手を振っている 新しき懐かしの朝が モノクロめいていた高みの過去に セピアめいていた儚なさの過去に 色取り豊かに降り注いでいく 夢、投げ捨てようと 腐心していた昨日までを 塗り替えるように 染め上げるように          未来まで続く 透明な螺旋を広げる新しい朝 悩みにも乱れにも 苦しみにも急降下にも     嘘みたいな微笑が付随し始める すべてが現象に過ぎないのと 温かく 言い聞かせてくれるような ゆらぎによって引き上げられていく どこまでもいってみよう いつかのドアの向こうに敷き詰めた 盛大な幻想畑へ    今、整然と 瞼の奥から抱きしめるような気持ちで 手を振り返す いつまでもいってみよう どこかのドアの向こうに敷き詰めた 壮大な幻覚畑へ     今、雑然と 瞼の奥からキスするような気持ちで 思いっきり手を振り返す ---------------------------- [自由詩]巨大なおもちゃ箱の中で/komasen333[2012年6月10日10時46分] 「視界不良」の電光表示を無視して 向う男たちの背中に  思わず探してしまう 亡き父の面影 崩れていく  秒針を振り切るような速度で 表情も、色彩も、形状も  このジオラマの一部であったかのように そもそも始めから  このドラマのために 用意されていたかのように 昨日 なんの見返りもなく助けてくれた人々が 今日 口実らしい口実も持たぬまま抜け駆けに 昨日 なんの見返りもなく掬ってくれた統治が 今日 大義らしい大儀も持たぬまま切捨てに 信じられる対象が悉くなくなっていく  麻酔の一つも 打つことさえ許されず  手術台への列へと引き摺られる  何のための手術なのか  誰のための手術なのか   知らされることもなく  難解な用語に満ちた 読みにくい通知一つだけで 巨大なおもちゃ箱をひっくり返していく   たった数十の気まぐれが微笑を抑えながら  ページをめくらずとも 物心ついたときから それとなく気づいてた   不条理を前提とした 維持体系であること 巨大なおもちゃ箱をひっくり返していく   たった数十の気まぐれが保身を隠しながら  ページをめくらずとも 物心ついたときから それとなく気づいてた   そんな不条理が  まざまざと 何食わぬ顔で続いていくこと ---------------------------- [自由詩]思い出ナフタリン/komasen333[2012年6月11日13時33分] 救いようがない場所に 気づいたらこんな場所に バカにしていた当人が バカにしていた対象そのものに 掬いようがない距離に 気づいたらこんな距離に 蔑んでいた当人が 蔑んでいた対象そのものに お気の毒にと 愛想で付き合ってくれていた 2人称ではなかったけれど  3人称というほど遠くない人々 ふと見渡してみれば 1人もいなかった  もう、いなかった  ここには 1人もいなかった  いなかった いなかった こんなはずじゃなかった 叫んでも知ったこっちゃない速度で  相変わらずの針先 そんなはずじゃなかった 嘆くだけでは何一つとして  思い出ナフタリン 母さん どうかいかないで  父さん どうかいかないで  数えきれない優しさ  見返りもないのに届けてくれた  どうか今夜だけは どうか今夜だけは 上質ってほどでもない旋律なのに  思い出ナフタリン  バカにするだけバカにしてきたこの身体に  じっとりといつまでも 思い出ナフタリン  傑作ってほどでもない歌詞なのに  思い出ナフタリン  ただ蔑むだけ蔑んできたこの思考に  じっくりといつまでも 思い出ナフタリン  飛び乗るべきソファーがない  思い出ナフタリン 寝転がるべきソファーがない  思い出ナフタリン ここにはない  もう、ここにはない 思い出ナフタリン 押しつけるべきクッションがない  思い出ナフタリン 押しつけるべきクッションがない  思い出ナフタリン その匂いがついたクッションがない  もう、ここにはない  もう、ここにはない 思い出ナフタリン ---------------------------- [自由詩]私たちの世界を終わりにしたかった/komasen333[2012年6月12日23時58分] 「 誰でもよかった・・・ 」 続くありふれた供述 理由は何だったのかな 解明される前に死刑だ おそらくあった おそらく沸き上がった 外から見れば不確か極まりないが 当人からすれば当然の帰結 しかし 肝心の当人にすら 語る術がなかった 表わす意思が欠けていた その果てでのゲームオーバー 「 社会環境が・・・ 」 「 時代背景が・・・ 」  どれもこれも煮えきらない 続くありふれた分析 続くありふれた考察 「 自殺と同義の無差別殺人・・・ 」 それもどうなんだろうな 「 自分の人生を終わりにしたかった 」 という供述をそのまま鵜呑み 続くイージーな分析 続くイージーな結論 結局、 一件として満足な 分析と考察が聞かされることはなく また、 イージーな「ヒド過ぎる!」が吹き荒れ 「死刑!死刑しかない!」に着地か 散発的ではあるが 「このままでいいのか?」 そんな風に 憂えるのが何よりも既にありふれだ 昔もあった 昔からあった 殊更に大きく引っ掻き回し なんちゃって分析オーダー なんちゃって考察テイクアウト 「いつの時代のだ?」 と思わずにはいられぬ写真 卒業アルバムから引っ張ってきて 得意気に「これが犯人だ!」と勝ち誇って あとは知ったことか それは私たちという「世論」そのものだ それは私たちという「時代」そのものだ それは私たちという「民度」そのものだ それは私たちという「丸投げ」の帰結だ ---------------------------- [自由詩]ブツブツ言いながら紅白/komasen333[2012年6月13日22時19分] お気に入りのアイドルグループの ライバルグループしか出場しないことを ブツブツ言いながらも きみは紅白を見ている 口ずさめないヒットソング 古臭い大御所の歌謡曲 交互に流れてくる 年の瀬のデジャビュ 浸りながら1年を振り返る きみと行った水族館 たしか、あれは春だった 金曜の夜だった 幻想的だった あのときも、そう きみはブツブツ言っていた 「なんでこんなに混んでるんだろ」 と、ヒトデに語りかけていた それが可笑しかった 折り返しを迎えた紅白 合間の短いニュース 見たことのないアナウンサー でも、よく見ると・・・ うん? どこかで見たことあるような・・・ そう思った瞬間に着信 「今、NHKに出てるアナウンサーって あの子だよな?」 と、早口で確認してきた同級生 (ああ、そうだ。そうだ) 久々の声は早々と途切れた きみに 「このアナウンサーさ」 と、教えようとしたがやっぱりやめといた なんかまた ブツブツ言いそうだから 短いニュースが終わった 後半の トップバッターはあのライバルグループだ 派手な特攻盛りだくさん なんだかんだ言いながら 画面に釘づけのその横顔に そっとキスした ふいうちでキスした ちょっと驚いた ちょっと苛立った 表情がとってもキュートだった 色々あったけど 今年も幸せだったなとおもった。おもえた。 ---------------------------- [自由詩]ペシミズムは止まないとして/komasen333[2012年6月14日13時00分] 手を取り合って 肩を組み合って 再び歩き出さないことには ここから落ちていくほかない よくわかっている  言われなくとも よくわかっている  掲げられなくとも よくわかっている  声を大にされなくとも よくわかっている  繰り返されなくとも しかし 今さら手を取り合ったところで どうせ・・・       過ぎって止まないペシミズム よくわかっている  非建設的な闘争などしている暇はないこと よくわかっている     非建設的な固執などしている暇はないこと よくわかっている     非建設的な折衝などしている暇はないこと しかし さんざん掲揚してきた ペシミズムを降ろすことは どこか、全否定にも近い感覚と不可分    しかし さんざん頒布してきた ペシミズムを止めることは どこか、全廃棄にも近い感覚と不可分 共に手を取り合って それぞれが手を取り合って 共に肩を組み合って それぞれが肩を組み合って ごもっともだよ  言われなくとも ごもっともだよ  掲げられなくとも ごもっともだよ  声を大にされなくとも ごもっともだよ  繰り返されなくとも しかし ペシミズムが止んだとして     上手に手を取り合っていける気がしない  しかし ペシミズムが止んだとして     上手に肩を組み合っていける気がしない  共に手を取り合って      さすれば、道を見出せる 共に肩を組み合って      さすれば、未知も見出せる 大方に相違はないよ        言われなくとも 大方に相違はないよ        掲げられなくとも 大方に相違はないよ        声を大にされなくとも 大方に相違はないよ        繰り返されなくとも しかし 「しかし」は拭えないんだよ         簡単には 「しかし」からは抜け出せないんだよ    共に手を取り合わないこと 肩を組み合わないことさえも 許し、認められるようにならない限り ペシミズムが止んだとして     手を取り合うのは 形式論で終わってしまうだろう ペシミズムが止んだとして     肩を組み合うのは 一過性で終わってしまうだろう いくら それが理想的でも 手を取り合うことに慣れていないのだから いくら それが薔薇色でも 肩を組み合うことに慣れていないのだから ---------------------------- [自由詩]二十五歳のお盆/komasen333[2012年6月15日23時27分] 予定通りに終わった記憶がない夏休み 小学三年の夏休みの スケジュール表が物語っている 「キタナイ字!」と 左隣からすっと覗き込んだつぶらな姪っ子  「わたしはもう宿題おわったよ」と 誇らしげに言い逃げ 久しぶりの帰省 出来たてのショッピングセンターちらほら 懐かしい匂いの実家 荒々しさが全くと言っていいほど なくなった隣家の暴犬 相変わらずの両親 それなりに幸せそうな姉夫婦 天国を 先取りしたようなターコイズブルーの空 切なさだけで  懐かしさだけで  どこまでも行こうと思えば 行けないことはないのだろう  マンネリを誤魔化しながらなら ちょっとの ひたむきさと優しさがあれば 大きなトラブルがあっても 生きていけるのだろう  災害と病気をのぞけば 経験が増えて  風景が変わって 価値観も少しずつしなってゆく   両親、姉夫婦、同級生の近況を 聞いていくうちに また 新たな発見が生まれたり 疑問が渦巻いたり 「ボクはボクを見つけたい。 どんな風になるとしても 理想的なボクになりたい」 的外れな 哲学もどきな 暑苦しい字で書き殴った卒業文集の裏表紙 二度と取り戻せないあの頃 急速に  甘酸っぱい  ポジティブなフラッシュバック そうこうしているうちに ケータイのアラームが鳴り響いて 慌てて ボストンバッグに 文集や思い出のノートをつめて部屋を出る 「またな」と つぶらな姪っ子の頭をポンポンと叩いて 「お正月には帰ってきなさいよ」と 儀礼めいた母の言葉を背に受けながら 新幹線出発の 二十分前到着をイメージして駅へと歩く 真夏の陽射しに促されるように 揺れる陽炎が 帰るべき 明後日のオフィスの デスクをふと過ぎらせる ちょっと鬱陶しい だけど嬉しい お土産として渡された清涼飲料水 ゴクッと飲んで 歩くペースを上げた 八月末 ---------------------------- [自由詩]新しいは、神々しいは、まやかし/komasen333[2012年6月16日14時47分] ぶち抜いていく 加速だけで論理と直感と芳醇と感性と語彙の バランスがとれていかないのなら 所詮二番煎じ 所詮既視感    過去を洗うことなく 「新発見」 「実験作」 「新境地」 「問題作」 「新機軸」 「革新的」 並べ立てて 飾り立てて 撒き散らすほど虚しいことはない    撒き散らすほどありきたりな手法はない 飛び道具をしまいなさい お得意の飛び道具を用いずして どこまでそれによる効果をもたらせるか という次元で試行錯誤していくのが 進化や突然変異への前提条件でしょ? ご存知でしょうが 最低限のラインを守った上での ギリギリの試金石的投企が 価値を有してくるのだと のうのうと述べている時点で 既視感満点なのであります それすらも 価値観の醸成に用いる手段に過ぎないと 割りきれているのならば まだ救いようがあるが それすらも気づかずに心の底から 手段としての体裁にばかり 重心をかけていることを スルーしっぱなしというのは 失望どころじゃないっすね  時代的には最悪認定もありな様相です 本質が求められていると 分野を問わずいわれますが そこで肝心なのは 本質以前にそうした文脈で用いられている 「本質」という概念に対する認識の差異が この上なく多様性にまみれて 「本質」という一つの語には 集約できていないという事実です その辺を認識せずに 「本質、本質」といったところで 本質は出てきませんよ 出てくるものも 進んで引っ込んでいきますよ  そのまま陽だまりに出ようものなら わけのわかんない本質とは 呼べないような「本質」として 「これこそ、本質」と 賞賛されるわけですから 大方は 本質と「本質」の差異の判別に 重点を置き始めていますが 相変わらずなのは その評価眼やらを 自己認識の独りよがりで済ませるか モダンの置き土産同然の権威主義に なんだかんだ ブツブツ言いながら まだまだ依存させていく気満々で 済ませようとしているんですから 皆無です 努々なんて無縁の状況で 磐石を誇ろうとしているんです 流動的な体を掲げた なんとも悪習的かつ固定的な土壌で ---------------------------- [自由詩]綺麗∃観察/komasen333[2012年6月16日23時19分] 綺麗だね 言うまでもなく  その輪郭は どこから見ても隙一つない 可愛いね 言うまでもなく  そのつぶらな瞳は いつ見ても弾けている 悔しいね   焦がれても焦がれても 焦がれてしまうことが 悔しいね   毎日のように会っているのに 飽きることもないのが 切ないね   惹かれても惹かれても 惹かれてしまうことが 切ないね   毎日のように会っているのに 日々ハッとしてしまうのが どんな気分なんだろう もし君と同じ立場になれていたらって 考えると嫌になるよ ただ歩くだけで芸術的さ 雑踏ですれ違う人々の視線が はっきりと吸い寄せられていくのを感じる    隣で それを感じながら 自分のことじゃないのにドギマギ ただ頬杖するだけで隔世的さ 図書館で通り過ぎる人々の視線が はっきりと吸い寄せられていくのを感じる   隣で それを感じながら 自分のことじゃないのにドキドキ どこにいってもこんな風なんだろうね   君って存在は いつからって聞いたら 「よく覚えていない」って 興味なさそうな返答 気になって疲れたりしないって聞いたら 「慣れちゃってるから」って どうってことなさそうな返答 どうなっているんだろうって 思わずにはいられない存在感 それに見合うように 気さくで程よく毒っ気のあるクレバー どうなっているんだろうって 思わずはいられない存在感 それに相応しいように アクティブで突拍子のない 多面的実践主義者 綺麗だよ 言ったところで嬉しそうに 微笑むことなんて皆無だろうけど その輪郭はどこから見ても隙一つない 可愛いね 言ったところで ちょっと照れることなんて皆無だろうけど そのつぶらな瞳は いつ見ても弾けているんだ 綺麗が増していく         日々、一瞬一瞬 可愛さが色づいていく       日々、一瞬一瞬 どこまで綺麗になるんだろう   君って存在感は どこまで可愛くなるんだろう    君って存在感は 恋人でも友達でもなくていいから 程よい距離感で それを見届け続けたいと思っているのは 僕だけじゃないはず     って言ったら そうかもねって表情で  「お世辞でもありがとう」だって       ああ、悔しいな  ああ、切ないな ああ、嬉しいな ---------------------------- [自由詩]山岳進行/komasen333[2012年6月18日0時35分] 辿り着いた瞬間に 転げ落ちてゆく 上昇スピードに吊られて 重力は引き摺り下ろしてゆくのがお好きで 上手く 着地できてからが 本当の意味での勝負 穏かな下り坂なのか 断崖絶壁なのか そこに辿り着くまではわからない構造 だからと言って 登ることをはなから諦める それはあまりにもつまらないし それでは 決して満たされることはないと知っている 山は1つじゃない ほら、よく見渡してみれば 空も、海も、大地も一つ一つが山 なんなら 自分で作るのもあり すべては意志に懸っている 一人一人に合った山がある それは 難易度の問題ではなく 継続しがいがあるかどうか  その一点に尽きる 見下ろせば 簡単にバカにできるこの世界内で 少し下りて 歩幅を合わせて登ってゆく醍醐味 見上げれば 簡単にうなだれるこの世界内で 少し 左右を見渡して呼吸を整える 辛いのは 悩んでいるのは 苦しんでいるのは 自分だけじゃない 月曜のように 土日を活かすことで はじめて得られる休息 土日のように 捉えてみることで 余分な力が抜けて走れる平日 一人一人に合った山がある 一人一人に合ったペースがある 文化を享受しているだけじゃ味わえない 教養を注入しているだけじゃ身につかない そこに 山がある そこで 山が待っている あなたが登ることを あなたが下ることを 待っている ---------------------------- (ファイルの終わり)