相羽 柚希 2009年10月21日4時47分から2011年10月20日1時29分まで ---------------------------- [自由詩]霧雨を浴びて/相羽 柚希[2009年10月21日4時47分] 一人の夜を過ごす 僕は冷たい雨の中 ささやくその声 佇むサボテンは共に聞く アゲハ蝶のようにヒラヒラと舞うことや アポロに乗った搭乗員のように 空や宙を旅することは出来ないけれど この大好きな曲が流れる時間だけは 僕に様々な意味を持つ     サウダージを与える 幸せについて本気出して考えてみたら 苦く甘いこの心は 狼のようにライオンのように 無限の宙(そら)へ猛々しく吼えて 雨を見て気取っている罪な僕に 別れ話をしたことも忘れさせてくれる。 雲をも掴む民となろう  愛無き眼で 僕は羽広げ、天使になろう この霧雨は孤独だが  時に僕の味方となる恵みの雨と化すのだ (2002年6月22日作成) ---------------------------- [自由詩]埋没/相羽 柚希[2009年11月26日1時50分] いつものバスに揺られ 曇った硝子を見やる ヘッドライトがレーザーみたいだ ならば街は宇宙戦争か ならばネオンは流星か 霞んだ視界を晴らすために 冷え切った指をのばす 空から舞う粉雪 これは燃え尽きた灰か これは天使の集まりか この指を繋ぎとめていたのは 僕のつもりでいた 氷にひびが入り 破片が心をえぐる その指を繋ぎとめていたのは 僕のつもりでいた また曇っていく窓硝子 シートに埋もれる優しさの記憶 ---------------------------- [自由詩]旋律/相羽 柚希[2009年12月20日7時36分] 君のために奏でたい旋律 風に吹かれ 運ばれ行け 重い鞄を負って、身動きとれずにいたね 君はいつも悲しそうで 何かあったの?なんて聞けずにいたんだ 君の心を砕きそうで あれから何年の月日を重ねてしまったんだろう もう会うこともできない もう話すこともできない 君のために奏でたい旋律 雪に滲み 溶けて失せる 後悔さえも許されないと とっくに気付いていた せめて 君のために奏でよう旋律 花に咲かせ 彩り染めあげ どこかで笑ってくれるのなら あの日の自分は要らない お元気ですか 通学路は雪が積もり、子供たちが走り回っています。 覚えていますか、遠い昔の私達を… ---------------------------- [自由詩]詩歌/相羽 柚希[2009年12月24日1時17分] 銀雪に落ちる雫 鏡に映す此の身 月を滲ませ貴方に背く 望みは久遠に途絶え 朱に染まる身を留める者も無し 嗚呼、其の旋律が彼の人のものならば 「花に咲かせ彩り染め上げ」 ―惑いて崩れ去る淡い想い 嗚呼、後悔が許されぬなら せめて 来世の邂逅を唄う 泡沫に終わぬように 今度は路を違えぬように ---------------------------- [自由詩]一行詩集"I'm at a loss for words."/相羽 柚希[2009年12月29日1時54分] 燃え尽きた灰が薔薇になれば素敵ね 死ぬのが怖いんじゃなくて、生きるのが恐い 胸中に咲く嘆きの彼岸花 地獄 業火の足枷 奈落の果てまで 貴方への想いを なぜ貴女は拒絶するのか なぜ僕を許せなかったのか 美辞麗句を並べ立てるのは簡単 近づくのは難しい 陽の光りは陰り 月の明かりは半月 言葉の編集は積木ブロック 永遠に伝えない言葉も"言葉" まだ好き まだ好き 届いてよテレパシー 相思相愛 でも歪んでゆく感情のボルト 一言告げたら壊れそうなの 告げたら嫌われそうなの もう一度を願うほうがバカなのか 貴方の犠牲なら本望 冷たい雨も涙も乾いて終う 彼女は渡さない 恋する男が現れても 傍観するだけの大きな邪魔 1引く1は振り出しに戻る 月を照らす太陽になりたい 書く程に意味を持たなくなる言葉 口に出す台詞は嘘 書いた台詞は屑 好きすぎて何が本当かわからなくなった 殺るならどうか一思いに。 消え失せて終え 失踪じゃない、喪失 嫌だ 誰にも響かない言葉は刺さりえぐる破片 信じて何度も切り捨てられる まだ終わらせたくない リセットできないRPG ねぇ、無理して笑わなくていい? 代替品じゃ、すぐ壊れちゃうよ 完成したパズルを額に嵌めることができない 深夜に見る夢 音の無い幻に怯え 未来が封鎖されていく 思い描けば描くほど 今日も眠れなかった、午前4時 動くことを忘れた夢追い人 わかってる。何にもわかってない。 0か100かの二択なら 0からまた始めたい 完全を装うのは疲れた。 吐くことで楽になるのなら最後まで聞いていたい 朝を拒絶し目覚めれば暗闇 ---------------------------- [自由詩]subject/相羽 柚希[2010年1月16日5時00分] 考え込みすぎてキャパシティオーバーな頭 芸能人の名前がすぐに思い出せなくなってさ 英単語も右耳から左耳へ抜け落ちる 言葉も靄にかかったみたいで 論理的じゃないのは理解ってるつもり 悩みもがく人生に解は見つからない ケータイ アプリ やり過ぎ 腕 力 入らなくなって 書きかけ メール “What's subject ?" ライト 点滅 a.m.4:00 また 朝 ―消せずに 閉じる 熔け出した夜の蒼 充電切れな僕 コンセント引き抜かれたら 頭がショートしちゃってさ 明滅する太陽光に科学反応 外に出たなら 社会に立ち向かえる 勇気 ―・・ 依存 振り払え 感情の 残骸 What's my subje―…-・・ ---------------------------- [自由詩]ラック/相羽 柚希[2010年1月17日2時46分] 賽を宙に投げてみる これからの行方占うように 六通りの旅路しかないなら どんなに楽なんだろう 現実 眠れぬ午前2時 複雑に絡み合う確率論 そういえば確率のテストは昔から0点だった気がする ひび割れた心 周りの目から逃げて 殻が心地よくて 人生を賭けない 動くことをしない 要らないんだろ 叫ぶ雑音は雪になる 欠片を拾い集めて 賽を宙に投げてみる 無音が煩く夜に響く ---------------------------- [自由詩]残響/相羽 柚希[2010年1月20日5時17分] 普段見ない雑誌を読んで 髪の毛の毛先を切り揃え 真新しい僕になったなら 貴方は振り向いてくれるの? 夜明け前 硝子の空 紺碧に滲んだ白光 壊れかけのヘッドフォン 突き刺したらラジオDJ ――早朝の時報に嫌気がさす。 普段聞かない音楽を聴いて 好みの情報取り揃え 相応しい僕になったなら 貴方は振り向く、と… 勝手で 我儘 自由で 気まま 意地悪で からかってばかりの 貴方の笑い声が 愛おしすぎて、残響 ---------------------------- [自由詩]卒業コード/相羽 柚希[2010年1月26日12時07分] いつもの道に背を向け 瑠璃色の闇、校舎に明かり ぎゅっと瞳を閉じれば 何度も涙があふれ 絵に変わっていく思い出 いつのまにか追い越されてた身長 ちょっと昔のこと すぐに消えては浮かぶ違う記憶 一つ一つ大切に描くよ 好きだった人、絶縁した仲間との関係 今、戻れはしないけれど いつもの路に背を向け そんな日もあったね、と。 どんな事も忘れたくないから 精一杯告げる卒業おめでとう。「学生」を終える仲間へ ---------------------------- [自由詩]銀世界に紅/相羽 柚希[2010年1月27日2時47分] 小さく芽吹いたポプラが わたしの背を追い越して 空まで届かんと 生き急ぎます ナナカマドをついばむカッコウが 雪に赤い跡を落とし 上昇気流にのって 翔けまわるのです 潰されたホオズキを見て 野良ねこが遊んだのだなと くすりと笑い 足跡を、さっくりと 落下したオンコの実は 真っ赤にわたしを染めて 拒絶された毒が 小さく芽吹いて また、春がくるのですね ---------------------------- [自由詩]バトルサイボーグ/相羽 柚希[2010年2月12日17時15分] シグナル見えてる? 感情無く淡々と 仰せのままに バトルサイボーグ 誰かが機械に例えたっけな 黙々と働くYES MAN 上下関係 怒られるのも従うのも 慣れてないからオーバーヒート 壊れやすいのをわかってて 選んだならNOとは言わない 機会をくれよ 企業戦士 頷くのも背を向くのも許されないからインプット シグナル見えてる? 点滅 ハレーション 行く末は虹色 バッテリー 充電して 感情無く…淡々と? 溢れるオイルに気付いたなら バトルサイボーグと呼ばないで ---------------------------- [自由詩]栞/相羽 柚希[2010年2月22日2時33分] 春の便りは未だ届かないのでしょう もう通わない通学路 バスからの景色は結露に滲んで消えそうで 改札は湿り気の強い泥だらけですもの 誰も居ないキャンパス いつもより広く見えた 喫煙禁止エリア 真新しい学食の前 タバコに火を点し 思い出を煙に巻く もう通わない通学路 いつも読んでいた本に挟む栞 煙に幻を見て 溢れた涙は雪に溶け 風に運ばれた花粉に くしゅんと、くしゃみ 春の便りは未だ届かないのでしょうか いつも読んでいた本に挟む栞 ---------------------------- [自由詩]913.6/相羽 柚希[2010年2月23日6時06分] 無数の出会いと別れ 図書館の静寂は怖い 魔法にかかった人達 弾けて消える"セカイ" 出会いを所有する 所有すれば満足なのか 所有できるから満たされるのか  誰が  いつ  913.6とか   どこで   ―9とか 溢れた文字の羅列と観念恐怖 世界を手中に収める 収めれば満足なのか 作られた世界に天使が舞っているのに 913.6で満足ならば 僕は天使を見失ってしまうかもしれない ---------------------------- [自由詩]餞/相羽 柚希[2010年3月24日7時37分] 一つの幕をおろす 桜の花は未だ咲かず 雪解けは進まない 空港に響く足音 旅立ちの喧噪 去り行く背に手を振って 君の影が滲んでいく 一つの幕がおりる 桜の花は未だ咲かず 雪解けは進まない 別れは始まり スタート地点に立てない僕は 去り行く君に手を振って 応援席の観客にしかなれないから 笑って、言うよ またね!行ってらっしゃい、って。 一つの幕開けに 桜を咲かせよう 残雪は未だに滲むけれど ごめん 本当は すごく さみしいんだ。 ---------------------------- [自由詩]Lost world/相羽 柚希[2010年5月23日7時59分] 気まぐれな朝の光 乱反射に目を伏せる 檻に篭ったっきり布団を被り 立ち上がると眩暈 彼が 彼女が 貴方が…怖くて私が身を伏せる 背を向けたっきり窓硝子を見つめたっきり 外界は無用の長物 ―lost world 命を賭けて今の幸せを望む ―fatal desire 水を撒くことが無ければ花は咲かない ―last key 開かない格子戸は何処にある? ―Answer is…____ ---------------------------- [自由詩]ライカ・ラビット/相羽 柚希[2010年6月19日17時43分] 引き篭りがちの臆病ウサギ 外には狼がたくさんいるんだ 臆病者は孤立するって 錯覚が頭を支配するんだ 網膜に張り付いた鮮明な記憶 高性能レンズで切り取られた恐怖心の断片 いつから私は臆病ウサギ? 外には狼がたくさんいるんだ 稲妻が全身を駆け巡って やがて火がつくんだ ―なんて、錯覚。 フィルムを焦がす火が消えるまで もう少しだけ甘えてもいいかな? 赤い瞳をして 寂しがり屋の嘘を吐く。 ---------------------------- [自由詩]接続/相羽 柚希[2010年6月19日23時33分] 些細なことなのですが 気に病んでしまうのです。 SNSで申請を弾かれ 呟きを拾うことを拒絶され 作品を否定され ブラウザも言うことを聞かず よくあることです。 些細なことなのですが 私は気に病んでしまうのです。 回線一本から信号やら電波やらが ぴゅいと飛んだら 接続エラーですって。 不安定な地上に在ることでハートがぐわんぐわんします。 それでも、立ち続けていたいと思うのです。 いつか微かな声が誰かに接続されるまで リロード、リロード リロード、リロード 書き綴る価値もないような 些細なことなのですが ---------------------------- [自由詩]かざぐるま/相羽 柚希[2010年6月27日7時11分] お月様が食べられた うさぎの餅がおいしそうだったからに違いない お月様が食べられた でもお日様は満腹だったに違いない 庭に咲いた風車 水を得て 風を運ぶ 霞む雲をさらって 旅をする どこかへ どこかへ 風車が旅したら快晴 今夜もおいしそうなお月様だったらいいな ---------------------------- [自由詩]茜-アカネ-/相羽 柚希[2010年7月9日20時04分] 茜さす 空を染めていく 滲む影 遠ざかっていく 烏舞う 手を延ばしたなら 深い闇に 確かな光 あなたはいつも笑っていたね 優しい声で話しかけてくれた そして時に怒ったりして 口をとがらせ拗ねてみせた 平行線は広がって行き 背を向けて 別れていく 振り返らない強さに泣き崩れそう 茜さす 空を染めていく 滲む影 遠ざかっていく 烏舞う 手を延ばしたなら 深い闇に 確かな光 茜色に染まる心は なぜこんなに切なく、痛い 水平線は遥か彼方に 今どこへ あなたは行く 立ち尽くす足元から崩れそう 紅をさす 口付けをひとつ 消えていく 思い出がふえて どうしたの もう戻らない? わかってる…これで終わりだと 深い闇に 確かな光 滲む影 遠ざかっていく 烏舞う 手を延ばしたなら 茜さす 空を染めていく すべてが茜に染まってく ---------------------------- [自由詩]Cell/相羽 柚希[2010年7月22日1時02分] 毎日繰り返される細胞破壊 それは儚い真実 大切なことも忘れてしまうのかな って そんな風に感じる あなたの言葉は 深く奥に刺さり 胸を貫いていくナイフ 優しすぎて 耐えられない 殻を破り 手をひき 救い出す 繰り返し 繰り返し 破壊される 細胞。 弾け飛んだ被膜を拾うこともなく 繰り返し 繰り返す ―それは儚い真実 分裂は生まれ変わる為に。 ---------------------------- [自由詩]ノート/相羽 柚希[2010年8月15日1時22分] 書き綴った文字の羅列に ふと君が旋律を口ずさむ 吐息滲む柔らかい歌声 1,2…息吹を吹き込むように ずっとずっと もっとずっと 声 空へ高く もっともっと きっともっと 夢 歌え輝く 信じ進むことが勝利への方程式…そしてMotto 破り捨てられたノートに 綴る文字の配列は未完成―Let's count! 1,2 息吹を吹き込んで ---------------------------- [自由詩]星彩/相羽 柚希[2010年8月26日2時42分] 真夜中2時の青ざめた部屋 居心地が悪くなって窓を開ける 迷い過ぎた …考えすぎだ 冷めていく現実 空見上げたら光る粒子 願い、辿る軌跡 願う、不確かな奇跡 磨かれない輝石をかざして 真夜中2時に目が覚めた僕は 歩き疲れて …長い迷路で 醒めていく夢 空見上げたら光る粒子 願い、辿る軌跡 願う、不確かな奇跡 磨かれない輝石をかざして 精細な制裁に砕けそうな精彩な星彩 ---------------------------- [自由詩]ないものがたり/相羽 柚希[2010年10月19日4時42分] 急に寂しくなってまたメール 返事はいつもすぐか日をまたいでのどちらか お金が欲しい 休みと彼女が欲しい 癒しと居場所が欲しい 急に寂しくなってまたコール 「電源が入っていないか電波の届かないところに…」 お金が欲しい あなたと過ごすための少しばかりのお金 時間が欲しい あなたと居るための時間 王子様とお姫様はいつかは結ばれる運命なんて所詮夢物語。 砂糖菓子のような台詞じゃ虫歯になっちゃうし 禁断の果実には眠り薬が入っている 電話もメールも お金も休みも 時間も癒しも 居場所もいらない。 あなたがいれば、他に何も要らない カボチャの馬車でtrick or treat? 魔法が解けるまでの夢物語。 二人きりでないものがたり。 ---------------------------- [自由詩]セツナイロ/相羽 柚希[2010年10月25日4時18分] 昼と夜がひっくり返って今宵も私独り 寂しさ押し込めてるんです。 締め付ける胸の苦しさにもがいてるんです。 高まる拍動は早鐘 ウェディングのベルみたいに、HAPPYだったらいいのにね 昼と夜がひっくり返って今宵も私独りなんで 寂しさ高まり吐き出せないんです。 咽ぶ鳴咽を夜が染めていくんです。 深い青に溺れてく 沈むシーツに鋭い爪立て 抵抗してみんの、バカみたいでしょ そんな、そんな私なんです。 月影に反射する深い青に溺れてく 熱失って冷めたみたいな それは、それはセツナイロのようです。 ---------------------------- [自由詩]Special Day/相羽 柚希[2010年11月21日23時14分] この地球には何億人といて 1年は365日って決まっていて 毎日が数億人の特別な日だなんて みんなを祝っていられないし 次第に誕生日も祝われなくなっていく 今日が君のSpecial Dayなら たくさんの祝福を願うよ 僕が「おめでとう」って言ってさ、 一緒に「ありがとう」って言おう 今日が僕のSpecial Dayなら 僕だけが主役でいたい 贅沢って思われるかもしれないけど。 たくさんの支えに感謝をしてさ、 自分から「ありがとう」って言おう 今日が誰かのSpecial Dayなら やっぱり、祝いきれないけれど 見知らぬ誰かの為に言おう おめでとう。ありがとう。 ---------------------------- [自由詩]曲がり道/相羽 柚希[2011年2月7日2時06分] 自己分析って本当に難しい。 自分の事よくわかんないまんま生きてきたし、 つらい経験を語る言葉を持ち合わせてない。 それどころかつらい経験なんてした覚えがない。 つらい経験なんてした覚えがない。 語弊。強がり。否。 全てプラスに。必要な事さ。 小学生の頃ははいじめられた。 中学ではクラスメイトに殺されかけたし、殺しかけた。 高校は不登校になった。 大学時代だって遊んでたし、卒業したが職もない。 今悩んでいる人へ 泣きたいことがあったら泣いていい 無理に笑わなくていい これが綺麗事と思っても構わない 嬉しいことがあったら話してほしいな。 道は最初から曲がりくねっているんだ 夢も希望も抱く方が虚しい でも、忘れないで。 こんな奴でも幸せだよ。 君の事を裏切らないからね。 つらい経験なんてした覚えがない。 全ては プラスさ。 ---------------------------- [自由詩]Salty Solitude/相羽 柚希[2011年2月16日2時26分] 今日は予定がある 友達とでかける 久しぶりに街へいくんだ そう言って、ドアを開ける。 低いままの血圧 声にならない声あげ揺らめく 視界が白くなり手を伸ばす 「たすけて」 掴んだものは 何。 金属的な味 明滅する雑踏と感情 白と黒とモノクローム 澄んだ青が滲んでいく これが、孤独と言うのですか。 少しメタリック過ぎはしませんか。 乱反射する Salty Solitude 街の雑踏へ一歩踏み出す 久しぶりに、ドアを開ける。 「元気?大丈夫?」 頷きひとつ Salty Solitude ---------------------------- [自由詩]アンダーグラウンド/相羽 柚希[2011年3月17日2時59分] 当の昔に枯れきった涙を 何時ぶりに流したのだろう 僕はただ人混みに巻き込まれるのが嫌いで 独りよがりだったのかもしれない 相手にされないのがやっぱりどこか寂しくて アンダーグラウンドの世界に紛れる 涙はアルコールに変えて 揺れ動く心を酔わせる 僕はただ拒絶されるのが怖くて 逃げていただけなのかもしれない 当の昔に枯れた涙を何時ぶりに流したのだろう。 遠隔地 アンダーグラウンド 今日も揺り動く 止まらない 震え 破壊に 傷つき 祈り 不安 希望 揺り動かされる アンダーグラウンド 歩き出す力を。 何かしたいと思う僕は、ただの独りよがりで― ---------------------------- [自由詩]遠郷-Tokyo-/相羽 柚希[2011年5月29日2時18分] 今日も私が想うあの人は 山手線に揺られて帰路につく。 定刻23時 今から帰る。 夕飯は何にしよう。 今日は疲れた。 なんて呟いて、今日もきっと揺れている。 物持ちが良い私が想うあの人に 壊れかけのパソコンも携帯も繋がらなくて 遠く離れたところで 言えない想いが 明日も明後日もきっと揺れている。 ---------------------------- [自由詩]友達依存症/相羽 柚希[2011年10月20日1時29分] 固まったディスプレイを解いて 内に流れる言葉の数々 増減を繰り返すカウント、繰り返す、言葉返す返す、帰る場所もなく箱庭を飛び交う雑多、淘汰。 「友達になってください」 固まったディスプレイを解いて やがて流れる言葉、雑多 いつしか飛び回る自分を淘汰 行く場所もなく箱庭の仲間に縋る ---------------------------- (ファイルの終わり)