ゆうと 2009年1月10日18時59分から2009年4月13日14時04分まで ---------------------------- [自由詩]群像/ゆうと[2009年1月10日18時59分] さよならの内側を ぼくらは歩き続けて いつか ため息が色を失う頃 ぼくらは手を振るのだろう ねえ そんな遠くを見ないでよ 空、見上げてごらんよ 今日も群青だ 忘れたくないんだ みんなみんな抱きしめて ぼくは 行きたいのさ ぼくは 生きたいのさ ---------------------------- [自由詩]星下り/ゆうと[2009年1月10日20時53分] なんとなく蹴散らして 空に降る雨 きみはいっつもそう、 うそが上手だね たくさんの星を抱えて 走るよ ぼくはこの冬空の下 走るよ なくさないために 白い息を吐いて 消えないようにと 祈っているよ 思い出したときは 笑ってね どうか、 笑っていてね ---------------------------- [自由詩]痣/ゆうと[2009年1月20日17時18分] 自由なんて そう、 限られていて ぼくはばかみたいに 浮かれていて そう、 ・ きみ、 いまここは なんだとおもってる ぼく、 いまここは うちゅうだとおもってる だから じゆう いつか おわる じゆう ・ しぬことは かんたんだ それなのに ぼくはなぜ いきている ? ・ 遊びは終わりだ チャイムが鳴るよ きみはいつまで 帰りたくないって 泣いてくれるんだろうか、 ・ 笑い飛ばしたら 死刑っていっても きみはおとなになるんだろう おとなになってしまうんだろう ・ 白いシーツに 青いインクが ひろがっていく ひろがっていくよ ぼくはそれを じっと見ていた 目がつぶれそうになるくらい、 ぼくはそれを ずっと見ていた ぜったい消えなくなるくらい、 ・ きこえてる? おぼえてる? 笑い飛ばせば 死刑だよ ---------------------------- [自由詩]白昼に沈む、/ゆうと[2009年1月29日1時01分] なんどもなんども、 きえたくなったけど それでもぼくはここにいて しねっていわれても まだ、 いきているきがする ばかばかしいね、 こんなまいにち にちじょうはすでに、 あたりまえで にちじょうはつねに、 ながれていて ああ、ああ それもいつか おわるのだね、 はくちゅうにしずむ、 たいよう ぼくをかくして、 あばいて にちじょうはいつも、 しあわせで だからぼくはいつも、 しあわせなのだ なにがあっても、 しあわせなんだ ぜったいぜったい、 そうなんだ ---------------------------- [自由詩]のみこんだ群青/ゆうと[2009年1月29日22時47分] ああ夢みたいだ のみこんだ群青 ぼくを加速させる きみは幾度も 刹那を待ってる ・ ながめる宇宙は 果てしないが ぼくがいる世界は ここにある きみの瞳には 映りそうもないが ぼくの瞳には 映っている ・ 切り取って 貼り付ける スケッチブックの 白い部分が 埋まっていくたびに ぼくの頭で 黒い糸が こんがらがるのだ それを ぼくは ひとつひとつ ほどいていく 作業を 延々とくりかえす スケッチブックの 白い部分が なくなっていくのを 楽しむかのように ・ 夢みたいだなって 感じたときには もうその夢は 終わっている そう気づいた そんな日の朝も トースターでは パンが焦げるのだ ---------------------------- [自由詩]チョコレート/ゆうと[2009年2月1日12時22分] アルミ箔につつまれた きみの、その 生命 上手に 愛すことができたなら よかった そうしたら きっと いらないね、 ぼくは きっと いらないね バレンタインデーなんて キッチュなものでさ、 ちょっとだけ 遊んでみたいな ちょっとだけ 遊んでみようよ それで とけて きえちゃっても なくならないもの、 さがしたいな ---------------------------- [自由詩]sugar./ゆうと[2009年2月2日11時49分] きみが魔法使いではないように ぼくはたぶん、星にはなれない。 でも、かなえたい夢はある。 きみとユートピア、 ぼくとユーフォリア、 これはいつかの、 世界の終わりさ。 ---------------------------- [自由詩]空気になって/ゆうと[2009年2月4日1時20分] きみは散り散りになって消える そしてぼくは忘れる だけど思い出せる 透明になったとき きみが言ったことばを ぼくは呪文のように 何度も何度もくりかえしている 空を描いてみる シアン マゼンタ イエロー ブラック 使わない色はない ここには なにひとつないように 空気になって 空気になって きみは 空気になって 空気になって 空気になって ぼくも 空気になって そうして 消える 空気になって ---------------------------- [自由詩]ぼくになりたい/ゆうと[2009年2月4日2時27分] だれもしらない ぼくがいて だれにもなれない ぼくがいる とおくのけしきは のんびりで ちかくのけしきは はやあしだ ぼくは なにもかもをすてたって ぼくには なれないようなきがしているんだよ とてもじゃないけど ふつりあい、 それでもぼくは ぼくになりたい きみといっしょの ぼくになりたい いつか を ゆめみて、さ ぼくは ぼくになりたい そして ぼくは きみがいう きみになりたい いつか を ゆめみて、さ ---------------------------- [自由詩]空にとびこむ、/ゆうと[2009年2月5日1時26分] きみの目にうつる 太陽のひかり ばかばかしくなっちゃうほど 青いばかりの空 きいたことのない声で うたったことのない、 ことばを伝えたい 空にとびこむ まぶしくって だれもみていない だれもみていないよ 空にとびこむ それはとてもきれいで きみだけにみせたい ぼくのすがた この世にふたつとしてないもの ありふれていて あたりまえじゃない それは きせき、 そのものだ ---------------------------- [自由詩]My name is ,/ゆうと[2009年2月6日20時50分] 枯れない花が 咲くたびに 僕の胸は 傷ついて それでもそれは あったかいね 風が春を つれてくるよ つよいつよい風が つよいつよい痛みを 引きつれて やってくるよ 春、呼んでもいないのに 君ははじめましてと言う My name is "Spring" ---------------------------- [自由詩]存在証明/ゆうと[2009年2月14日2時17分] 飛んでく 飛んでいくのは ぼくではなくて ビニール袋で ビニール袋の ぼくである 風が強いな それでも飛ばされない ぼくは強いのか 、いや ぼくは弱いのだ どうしてかそれだけは ぼくは充分に 知っている気がしている こんなのは簡単に ゴミ箱に捨てられるような 紙くずだ それでもぼくは 握り締めている それに、 意味はないのだ これっぽっちも 意味などないのだ だけどぼくはそれに 価値があるような気がしている 値段やレッテルなんかじゃない 定規や計量スプーンなんかでは 到底はかれそうもない だから あなたの目には 映らないかもしれない だけど ぼくの目には 映っている ぼくに、 存在理由がないように 存在価値などないけれど ぼくにとって ぼくというものは とてもたいせつなものなんだ くらべることのできない、 かけがえのないものなんだ 、つまるところ 結局ぼくはぼくでしかなく 結局ぼくはぼくにしかなれない そしてぼくは ぼくにしかできないことがしたい 結局そういうことなんだ ぼくは、ぼくでしかなく ぼくは、ぼくになりたい ぼくは、ぼくであるために ぼくは、ぼくのままでありたい そして きみは、きみのままでいい きみは、きみでいればいい 、つまるところ これが「存在」というものなのだ ---------------------------- [自由詩]u rei/ゆうと[2009年2月15日11時07分] 空を見上げながら ずぶずぶと 沈んでいく足元 気づいていない 気づいたら あたりは真っ暗 ぼくはひとり 悲しんでいる 暇はないよ よくは見えないけど 空には枝が伸びて 桜が咲いている 花びらが 手のひらに 舞い降りて ぼくは ぎゅっと 目をつむる ぽかぽかと あたたかく ぼんやりと している ふわふわと 浮いていく ぼくのからだ ぼくの思考 さよならは 似合わない おろしたての 服を着て 履き潰した スニーカー 錆びついた 自転車で ぼくは街を 駆け抜ける ぼくは春を 身にまとう ぼくは街を 駆け抜ける ぼくは春を 捨てないで u rei ... きみにはいつも 笑っていてほしい ---------------------------- [自由詩]創書日和「塩」 しょっぱい/ゆうと[2009年2月17日13時57分] きみはマドレーヌを口に運びながらなにかを言いかけたんだけどやめた それなら、とぼくは重い腰を上げたくさんの角砂糖を捨てた その赤い痛みも青い痛みもぼくは知っている、ようで知らない嘘 (むらさき、内出血!) 飛び散ったスパークリングはノンアルコールなのでぼくはまだ未成年だった ワールド、生まれては死んでいくきみの子宮はいくつもの宇宙を抱えて きたないきたなくないきれいってそれなにがちがうの何味なの? (じゃくにくきょうしょく、カニバリズム!) べつにぼくはあなたに好かれたいわけじゃないけど変われるならそれも悪くはない しゅうしょくかつどうしかつもんだい、御社 あーばかばかしいってそんなんじゃ生きていけないらしいよ (こうみえて、あなたもりっぱな社会人!) はいはいお先真っ暗とかいいながらエンドロールまで見続けるんでしょ 死ねない人生?え、なにきこえない言い訳ならいらないから あっそう、じゃあもういいよさよならさよならさよなら ! (って消えたら満足?) ねえかみさまってなにさまなのぼくよりえらいのどんくらい? ---------------------------- [自由詩]おいしいゆめ/ゆうと[2009年2月19日20時31分] きみはいつの間にか ゆめのなか なにをみているの 閉じたまぶたの奥 おいしいものを、たべようか きみはなにがすきなんだっけ サンドイッチ、 スパゲッティ、 うどん、 そば、 ラーメン、 それともやはりお米? もうたべられないよ、 そういって デザートは別腹なのさ おおきなパフェだって たべられちゃう きみの笑顔が 浮かんで、 消えて ぼくは眠る きみはいつの間にか ゆめのなか ぼくもいつの間にか ゆめのなか そして おいしいにおいで 目が覚める おいしい ゆめ ---------------------------- [自由詩]鉛の船 / 金の舟、ハロー/ゆうと[2009年2月19日21時01分] 金の舟の名前は、“ハロー” どこからともなくやってきて やあ、 手を振って去っていく 一瞬の出来事 金の舟の合言葉、“ハロー” ぼくらはきっと つながっていけるさ ぼくらはどこかで つながっているさ 、ハロー きみが鉛筆で描いた船 ぼくの頭の中で漕ぐ ---------------------------- [自由詩]君とレイニー/ゆうと[2009年3月5日23時03分] 君はすぐ、僕を忘れたがる。 雨が降らないように願っても、 君は傘を差すんだろう。 ごく、自然に。 ---------------------------- [自由詩]白銀/ゆうと[2009年3月8日0時35分] きみはいつも つめたくて とおくて とおくて ちかくなったら みえなくなって ふれてしまったら きえちゃうひと それでも やさしさは あたたかく いつも ぼくを つつんでくれて うそみたいに わらったりして ゆめみたいに ないたりした ながれたなみだも あたたかく ただただぼくは ゆきがみたかった ゆきはいつも あたたかく あたたかくって きみから ときはなたれた いまでも ぼくは わすれて いない ぼくは しらないけど きみは しっていた きみは しらないけど ぼくは しってたよ それは とても あたたかく きみは とても やさしいひと ---------------------------- [自由詩]いちめんのうちゅう/ゆうと[2009年3月9日23時57分] 世の中に つらいことは いっぱいあって 数えなくても それはあって そこにあって ぼくは ぼくはただ いま、 どうしようもない どうすることもできない、 不安に包まれている 心が 動けない、 泣きそうだ やさしさなんて いらない、 泣いてしまうから だめだ ぼくは弱いから だめだ 強くならなければ いけない だけど いまのぼくには、 、 ぼくに、 できるんだろうか なにが ぼくは なにに なれるんだろうか ぼくは 必要とされたい、 野暮なことだけれど ばかみたいな 幸福を 信じていたい 誰よりも 誰かじゃない ぼくはぼくで きみはきみで 救われようもない 孤独を 今日の夜も 抱きしめるよ つよくつよく 抱きしめるよ はなさないから はなさないでよ、 、 雨が降っていて ここは寒いよ けれどいつか 春は来るから あたたかくなるんだ ぼくはしってる きみもきっと ぬくもりを抱いている やさしさを持っている 雨降りの今夜、 あたりいちめん宇宙になる ぼくは孤独で きみは孤独で きみはぬくもりを 持っているように ぼくはやさしさを 持っていたい ぼくはきみを 抱きしめて きみにぼくは 抱きしめられたい ---------------------------- [自由詩]無人駅にて/ゆうと[2009年3月10日17時25分] ぼくの頭の中の目覚まし時計は鳴り響く 急いで飛び乗った電車は回送だった 、なんていう そんな間違いをしたくないので ぼくは終電を見送った それが間違いだったかもしれないけれど ぼくは終電を見送った 脱線した線路 ぼくが歩く道は どこまで続いているんだろう たまに 廃線になった線路を見つけるけど 誰もいないからあてにならない 無人駅には猫がいて 無人駅には猫がいて 晴れたり曇ったり たまには泣いたりだってする ぼくの上には空がいて 無人駅には猫がいて 無人駅には猫がいて それと空とぼくがいて それだけで生きてゆけた それは ぼくだけじゃないから 世界は それだけじゃないから 井の中の蛙、 だけど知っている みえないものも たしかにあるから ぼくは 生きてゆけるんだ ---------------------------- [自由詩]はなむけの綺想曲/ゆうと[2009年3月12日19時21分] すき なんていう気持ちは 実にあいまいで 海みたいに 波打っている 時折凪ぐこともあるけれど 大波が押し寄せることもある 、津波も 誰かに言われて気づいた、 満月が昇っていた 引力? そんなの よくわからないけど 今日はいつもより、 陽光がまぶしいよ あなたがわたしに言った言葉は、 わたしがちゃんとおぼえているから あなたはわたしが言った言葉を、 忘れないでいてほしい 無理かな 無理でも わたしは願うよ 、無理でもいいから かまわないから 可能性はゼロにしないで わがまま、 だけどそれだけ いたずらしないでよ、 かみさま たまには言うこと聞いてよ、 ね あなたは月でも太陽でも、 海でも空でもなかったけれど わたしにとってはあなたは あなたでした あなたはあなたで なにものでもない、 あなたで わたしらしい、 あなたでした ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]創書日和「透」 とうめいの、はなし/ゆうと[2009年3月14日22時10分] 雨は、涙のことを知っている気がします。 涙は、海のことを知っている気がします。 海のことを知っている雨は、 風を知っている気がします。 風は、涙のことを知っている気がします。 風は、かなしみもよろこびも わたしもあなたも知っている。 つながっている、気がします。 空は、それらすべてを知っていて それらすべてをつないでいるような、 そんな気がしています。 (アンブレラの逸話) ---------------------------- [自由詩]キャラメリゼ/ゆうと[2009年3月24日3時02分] たとえば、 透明な風が吹いて きみがぼくだよと言ったら 信じてしまいそうになる、 ・ なまぬるい強風が吹く こんな夜には きみんちのカーテンを ひらり、 めくってさ ・ 忘れられなくても 忘れても、 きっと思い出すよ いつか思い出すよ たまに、 ふと、 思い出したように 胸をくすぐる ・ ねえどうして消えるの、 理由があるなら 言わなくていいよ ・ お菓子を差し出したら きみは笑った クッキーは好きかい チョコレートは、 ・ これはコンビニで手に入る よくある市販のものだけど それでもやっぱり、 ささやかでもしあわせ ---------------------------- [自由詩]シュガーフリーの風と声/ゆうと[2009年3月24日14時17分] 時折胸を締め付ける、 この糸はなんだろう。 どこからきて、いつ消えるの? いろんな色、ぐるぐる巻きになって ぼくは赤なんて 信じちゃいないよ。 ただ、いろんな人がいて いろんなものがあって みえる景色が 限られても 限られていても、 手に入れられるから。 みえない安心で 呼吸している。 酸素がなければ みんな死ぬのに 空気に溶ける、 甘くて苦い 味がしない、 シースルー。 空はいつでも 青じゃないけど ぼくはみたことがあるんだ。 いつだっけ、 きみとここで 出逢ったのは 何度目だっけ、 忘れたけれど 思い出すよ。 忘れたけれど おぼえているから。 ---------------------------- [自由詩]フルカラー/ゆうと[2009年3月25日1時28分] 菜の花は きいろとみどりで 構成されているけれど ぼくたちは、 どうなんだ いつか、 しろい壁で あかい屋根の 一軒家を建てよう 色が剥げたら ペンキを塗ろう その頃には あおい屋根でも いいね きみがもし、 きいろやみどりの 屋根がいいって 言うならば ぼくはぜったい、 しろい壁だけは ゆずらない 汚れたら また塗ればいい だけどまっしろで なくてもいい むらさきの 車がほしいな ドライブしよう 海に行くのも ピクニックでも 行き先はなくても いいけれど お菓子だけは 持っていこう カメラはなくても いいけれど 色とりどりの お菓子だけ、 それだけ忘れず 持っていこう ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]ぼくの帰り道/ゆうと[2009年3月26日4時24分] なんで、 どうして、 帰り道だけは おぼえているんだろう。 時々、不思議に思うんだ。 通い慣れているから、 忘れるはずないって 当たり前だとわかっているけど、 でもなんか 不思議で、 たまらなくなる時がある。 方向音痴のぼくなのに なんでか、 どうしてか、 帰り道だけはおぼえていて いつの間にか、家につくんだ。 迷いもなく、足は進むんだ。 逃げ出しても、 家出をしても、 帰り道だけは忘れない。 帰れなくなるのがこわいから、 迷いそうなところには行かない。 そういうのもあるけど、 でもさ、 なんでさ、 ぼくには帰れる場所があるの? どうして、 ぼくには家があるの? 時々、不思議に思うんだ。 そして、たまらなく たいせつに、思うんだ。 心の中に、ぽっとあかりが灯って たまに、泣きそうになるよ。 雨に打たれても、 太陽がまぶしくても、 青くない空の下でも、 ぼくは帰り道を歩く。 ぼくは帰り道を走る。 ぼくは帰り道を知っている。 ぼくは帰り道を忘れない。 ---------------------------- [自由詩]ぼくのうそ/ゆうと[2009年4月4日5時14分] きみのこと すきっていえるよ うそでなら ぼくはまだ さびしいきもち くっついて はなれられずに ないているよる エイプリルフールはさっき おわったけど ぼくはいまごろ うそつきになる しってるよ きみはうそつき じょうしゅうはん ぼくのうそ だまされないで ぜったいに うそじゃないから ほんとうだから ---------------------------- [自由詩]真夜中の世の中/ゆうと[2009年4月11日23時51分] きみのベロの上のうそは いったいどんな いろをしている? かなしみをつつんだオブラート、 とけないあいだに のみこんで からだのなかで 消化しちゃえば こわいもんなんてなんもない ぼくのからだのなかにある毒の ほとんどはぼくから出たものだ まっくろ むらさき きみどり あいいろ それとも血と似ている あか? どろどろどろどろ しているものが ぐるぐるぐるぐる めぐっているよ アイキャントスピークイングリッシュ、 これはとても便利な英語だ これさえおぼえておけば おーけー いえす、ぼくはとても役立たずな人間! ねえ、 生きているってどんなdie? そうさ、 こわいもんなんてなんもない よのなか まよなか そう これが、 真夜中の世の中 の 常識 。 ---------------------------- [自由詩]創書日和「卵」/ゆうと[2009年4月12日22時56分] ぼくのこころがたまごだとして それをてのひらにのせているとする、 割れないように 慎重に きいろのなかみを 落とさないように やさしく やさしく ―― やさしくなれるかな ぼくのこころがたまごだとして それをてのひらにのせているとする、 いますぐ殻を 突き破ってしまいたい その衝動で 駆け抜けたい ―― ゆけるところまで ぼくのこころがたまごだとして それをてのひらにのせている と したら、 きいろのなかみは なくさないよう その衝動で 駆け抜けて ぼくは やさしくなりたいと おもう やさしくなろうと おもうんだ つつみこむ やわらかく あたたかい てのひらで うまれる ちいさな ひよこが あたらしい ぼくだ ---------------------------- [自由詩]きえない/ゆうと[2009年4月13日14時04分] きえない ぼくは かたちなく きえない ぼくは かたちあるもの きえない きみは かたちなく きえない きみは かたちあるもの きえない しあわせ かたちないもの きえない しあわせ いま、 くうきちゅうの さんそになって きえない きえない ぼくらは きえない しあわせと いっしょに ぼくらは きえない ---------------------------- (ファイルの終わり)