ゆうと 2008年7月22日13時25分から2008年10月6日17時14分まで ---------------------------- [自由詩]君を忘れる/ゆうと[2008年7月22日13時25分] きみを、 やさしく殺そう ゆっくりゆっくり ナイフを抜いてゆくのだ I LOVE YOU という言葉は 何の意味ももたなかった いいや、ちがう ぼくが逃げていたのだ 忘れるということは 記憶と同じだ 記憶が消えるということは 心の一部がなくなるのだ 傷つくのがこわくて きみを好きになれなかった 好きになっても無駄なんて 俯瞰しているだけでも痛いよ きみを、 やさしく殺そう 痛みのないように そっと 息を引き取って しまえば、 いい ---------------------------- [自由詩]浮遊する言葉/ゆうと[2008年7月22日23時27分] くらいくらいくらいくらいで 浮遊できるんだ さびしさばかりが先行する 夜はまったくの白紙で 波打つ鼓動だけを聴いている ・ 口を開くと 言葉がこぼれ落ちて かたちをとどめずに きみの胸に届く そうしていつか消える かなしみを残すのは 一体何の所為なんだろう ・ 誤解はといてゆけばいいし きみはそのまんまでよくて ぼくもそのまんまでいいのさ そういう きみが好きなぼくは嫌いじゃない ・ 遠くで星が砕けるのを見た あんなふうになってゆくのかな 波打つ鼓動をききながら ゆるやかにぼくは浮遊していたい ---------------------------- [自由詩]星座/ゆうと[2008年7月23日12時52分] さびしがりやのきみには 花をあげよう はにかむ顔が ぼくはすきで ちょっとやそっとじゃ きらいにならないよ だいじょうぶだと 言いきれるのは 勇気とか そんなのじゃなくて きみがいるから なんだって ひとりぼっちになったときにおもう 約束しなくたって 会いたいときに 会えるといいな 点と点を つなぐ線 きっとどこかで つながってる めずらしく 星が きらきらと 音をたてて ないていた ぼくはそれを しずかにきいていた 夏の夜だった ---------------------------- [自由詩]曲がりくねった道の先/ゆうと[2008年8月13日9時48分] ピーナッツバター 塗りたくって 朝がくるよ オレンジの太陽 頬張って 目を覚ますのだ あおい空と あおい海 いつか 水平線がなくなって すべて とけてしまうのかな そうなったらいっそ ぼくらもとけあってしまおう 憂鬱もよろこびも ぜんぶ混ざってやさしさになる 波打ち際で さらさらという砂の音 波にかき消されていく 足跡 それと足 それとからだ すべての 雑音を取り去って ああ、そう きみの声だけがきこえる 曲がりくねった道の先には いつだってそう 同じ答えがそこにある ---------------------------- [自由詩]百点より価値のある零点/ゆうと[2008年8月14日0時11分] きみはあたまのいいひとだね そういってとおざけているのは ぼくのほうで きみのそのあたまのよさを うらやましいとおもうし にくいし ずるいなっておもう でもそれはとてもすてきだとおもう たとえば その きみのことば それだけでもう わかるね ぼくがなにをいいたいのかも わかっているのかもしれないけど ぼくがいうことばは けっしていいたいことばだけじゃないのさ きみのことがすきだとしても ぼくはことばにしないだろう じっくりかんがえるのがすきなんだ でもへそまがりなのさ わかるかい? ぼくはこまったやつなんだ わかるかい? つまりはこういうことさ あたまがいいことは そんはしないけれど とくするばかりじゃないってことさ それが あたまのわるいぼくからの かざってもいないしょうじきなことば ---------------------------- [自由詩]ぼくの目の奥/ゆうと[2008年8月14日0時26分] あかりがともってる そう ぼくの目の奥 ぼくの目の奥は 洞窟みたいになっていて その奥のほうには 秘密基地みたいなところがある それが脳みそと呼ばれるところで ぼくの考えの源である ぼくがこの文章を書くにあたって 必要なのは その脳みそと 心(胸のほうにあるやつ)と 瞬発力 かな 持久力はまるでないので 長い文章は不得意なんだ だけど一瞬を大切にしているよ だからこうやって幾度もまばたきをしている すばらしいものを見逃さないように ぼくのアンテナはいつも電波を放っている 存在を確かめたいのかい ぼくは脳みそにきいてみる 答えはいつも文章で返ってくる そう、それがぼくの方法 ぼくの目の奥は だれも入ることができないけれど だれかを感じることはできるよ だからそう 日々は変化している あかりがともってる いまはもう夜だ 睡魔がやんわりとぼくに憑く さあ寝るとしよう ---------------------------- [自由詩]きみの残骸/ゆうと[2008年8月14日11時59分] へえ 増えていくなあ きみの残骸 あとになればなるほど 燃え尽きて 甘くなる そういったものさ 水蜜桃かじって 甘い匂いを振りまいてる あの子とはちょっと違うのさ 人生っていうものは 燃え尽きて 苦くなるものが多いけど ごく少量だけれど 燃え尽きて 甘くなるものがあるのです たしかにここにいま ぼくの手のひらにあったのですが それもまた風に乗って 誰かの元へとゆきました あくる朝には忘れてしまうだろう きみと交わしたことばなど 意味だけを残して あとはさよならと 風に乗ってゆくんだろう きみの残骸 集めて 放って 燃え尽きて 甘くなる そうしていつか すべてが消える ---------------------------- [自由詩]終戦の日/ゆうと[2008年8月15日12時09分] 黙祷 という 防災無線の声 目をつむると 蝉の声だけがうるさく じりじりとまるで焦げ付くように 太陽が見下ろしている これが 平穏 というのなら ぼくたちは幸せにならなくてはならない 今日もまた どこかで争いが起きていて 決して平和とは言えない地球の すべての住民に いつか愛が行き渡るように LOVE & PEACE ---------------------------- [自由詩]ドレミファ、ソラ、シ/ゆうと[2008年8月21日12時28分] あなたの笑顔が そうだな、あの異様なほどに青い空で かき消されてしまうんじゃないかって 思うよ 記憶が すりかえられていく 過去が 今に も ---------------------------- [自由詩]空が青いこと/ゆうと[2008年8月21日12時38分] なんで 空って青いの しくみじゃなくて 理由が知りたいんだよ でもそれは なくっていいんだよ 答えは なくていい ぼくは考えていたい 悩みにも似ている だからすぐ悩む だけど 空が青いこと それは ぼくの考えのみなもと ---------------------------- [自由詩]ほんとうはここにあって、真実はここにはない。/ゆうと[2008年8月23日19時39分] あなたみたいに遠くへは行けない。 ぼくには足があるから。 そういっていいわけを考える。 うまい、うまくないかはべつとして。 とりつくろう、縫う、パッチワーク、みたいに。 きれいかどうかはべつとして。 うそをつくの。 うそじゃないうそを。 ほんとうのことを。 うそにしていうのさ。 あの子が書き上げる物語は あの子のものであり、あの子のものでない。 ぼくのこのうそも、風に乗っていくのさ。 あなたの胸で 消えるか、残るかする。 いちいち気にとめてはいられないので ぼくは風に身を任せる。 この世界は暗い。そして明るい。 あなたが知っているのは どちらでもあり、どちらでもない。 ニュースは流れる。 ぼくは風に身を任せたまま。 ふ、と。 涙が出た。 どうもしていないし、大丈夫、なのだけど。 涙が出た。 おもわず、すばらしいとぼくはいった。 それを見て きみも、すばらしいといった。 なぜって、それは こころがあるからだ。 ---------------------------- [自由詩]赤色の憂鬱/ゆうと[2008年9月1日20時39分] 赤い紐、握り締めて、はなせない。 夜が、ひたひたと、近寄ってくる。 なみだを流しても、だれも気づかない。 だってそう、耳鳴りがするほど、しずか。 キィン―― つめたい、銃声がきこえた。 いちどだけ、胸がぎゅっとなって、放つ。 きみだったらそれをなんて言う。 勘違いだったって、きこえないふりをする。 得意になったっていう、それ。 赤い目。 夢になってしまうのがこわくて、ねむれない。 だけどぼくは、ずっと現実になんかいられない。 かなうことなんかないって、 はじめからあきらめていたけど、 なんでだろう、そればかり思い出してしまう。 無駄ばかりじゃなかったのかなって、思いたくなって、 空が赤くなる頃なんかに、ようやくわかったような気がした。 あのとき、ぼくに見えていたまぼろしは、 今もまだ、色褪せないまま残っていて、 お守りみたいになっている。 ちいさなかみさまがいるみたいに。 ---------------------------- [自由詩]やさしみ/ゆうと[2008年9月1日20時55分] あなたの存在が、僕をやさしくするのです。 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でも、たまには贅沢だってしたい。 そういう年頃なのさ。 わかってくれるかい? 未来のぼくへ。 きみがぼくを忘れていないことを祈ろう。 ---------------------------- [自由詩]ジンジャーエールに関する宇宙のはなし/ゆうと[2008年9月5日12時07分] 渇いた喉に、 ジンジャーエールを流し込む。 ありとあらゆる細胞に吸収され、 ぼくは炭酸の泡で息をする。 ぱちぱちと、星がまたたくような音がひろがっていく。 なんとなく宇宙はそこにあって、 ぼくがいまここにいることも、宇宙の謎のひとつであるのに、 人々は目をそらし、 極端に遠いところ、または、極端に近いところばかりをみている。 人力をあやつり、あの人はいま、 天才と呼ばれ、テレビの中でインタビューに応じている。 人々はそれを喜び、一部のものは舌打ちをした。 フラッシュがたかれている。たくさん、かぞえきれないほどに。 あの人はそれを浴び、すてきな笑顔をつくっている。 寿命がちぢまっていくことにも気づかずに。 ぼくはぼんやりと、そんな映像をながめていた。 そういえば、 昔国語の教科書に、エックス線の目を持っている人のはなしがあった。 ものが透けてみえる、という特殊な目を持っている人が出てくる物語だ。 くわしいことは忘れてしまったけど、それだけはおぼえている。 ぼくは考えた。中学生くらいのあたまで。 その目があったならば、ぼくは、 スカートの中の宇宙を知り、とんでもない発明をしていただろう、と。 次第に、気が抜けていってしまった。 ジンジャーエールはただの液体と化し、排水溝に流される。 おとなってつまらないものなのだろう。 その頃のぼくはすでに知っていた。 そして、 その頃のぼくはまだ、なにも知らなかったのだ。 ---------------------------- [自由詩]青い空に、ぼくの血が混じる。/ゆうと[2008年9月5日14時00分] きみが見ているものは たしかに青なんだけども うすく透き通ったなにかが 反対側から見すえている これはだれのですか と 英語で尋ねてくるのだけど あいにくぼくは 言葉を持ち合わせていないので 気づかれないように その場を去った 奥の奥のほうにある 大事なものは あなたには見せられない だけど すこしだけ言いたくなった いつか 声を乗せることになるだろう それがだれかはわからないけれど ぼくはいま そんな気がしている むらさきみたいななにかが 覆っている 空は一段と輝いてみえる 明日にはなくなってしまうように ---------------------------- [自由詩]創書日和「夜」 秋のはじまり/ゆうと[2008年9月11日18時31分] 窓からさしこむ光が なんとなく紫色だったので 空を見てみたら すっかり桃色になっていた チョコレートを砕いて ほおばっていた 飲み込む紅茶がすこし 甘くなっていた夕暮れ 秋の虫の音も ぜんぶ ぜんぶ きみもまじって ぜんぶ ぜんぶ とけてゆく とけてゆく そんなふうに かみさまは あっという間に 暗くして 夜にする そして 秋にしてしまうのです それを 目撃したぼくは ぼくの アリバイとなって 自由になるのです 今よりいっそう 羽ばたけるのです きっとそう きっとそうなんだ きっとそう きっとそうだけど だれも信じない だけど ぼくのなかではそうなってる だから それでいいのだ 天気予報も占いも ようは 気の持ちようなのだ そう 言ってるそばから 雨が降り出す ぼくは傘を持っていないから とても身軽なので 走り出すことができる 羽ばたくことができる だれもいないから だれもみていないけれど でもたしかに ぼくの足は数センチ浮いている 情熱もなにもないけれど 感情と微熱だけはある それくらい不自由であって それくらい自由なのだ ---------------------------- [自由詩]あえて名前はつけない/ゆうと[2008年9月11日19時05分] いつかのぼくは天才だった ように 明滅しているのです この世はしばらく 眠りにつくでしょう 花が枯れても かなしむことはない ふたたび色は戻ってくるのさ だれも約束しなくても かならず きっと 無敵じゃない ぼくがほしいのは ハートのエースさ たったひとつの それだけで 生きるすべてを よろこびに変えるよ 逃げないで いてくれれば ぼくはすぐ そこへ行くよ うぶげに覆われた声で ぼくを惑わすつもりだろ わかってる だけど すこし夢をみてる どうせ苦い目をみるのなら あまい夢だってみたいのさ 映画館の張り詰めた空気で ぼくはきみに近づきたい ありがちなストーリーでいい くちづけをする隙をさえあれば そのタイミングさえ掴めば あとはもう 想像におまかせ いつかのぼくは天才だった ように これからぼくは天才になる だから きみはぼくに期待していい こんなことばかりが 続くかもしれないけれど 不安になってもしょうがないから すこしでも信じてほしい それが すこしでも長く続くように ぼくは祈るよ そういって きみを不幸にしても いつか幸せにするから ちゃんとするから だから 世界に見捨てられたとしても ぼくはまだ生きれる 53分の1よりもっと低い可能性でぼくはもがく 笑いたければ笑えばいいさ めげないって決めたから ぼくはもう なにもこわくないのさ ---------------------------- [自由詩]腫れぼったいまぶた、祈る赤い目/ゆうと[2008年9月12日0時46分] かなしくなるから目をつむれない ぼくはあたたかくなるのを待ってる それが春でなくてもいい それが冬であるといい あなたの声がきこえていても それがぼくのものではないということ 白々しいほど、見せびらかしてる あのひとはいつも、着飾ってる それはそう、 わかっているのだ だけど 怖いもの見たさ、みたいにさ 目を覆った手の指のすきまから こっそりと覗いている ゆうべ、かみさまがあたえた寝床で みた夢は、嘘っぽいリアルが塗り固められていて ぼくは幻滅してしまった おかしいな、これは夢なのに 夢をみることができなくなってしまった こどもみたいに泣いてみるけれど なみだはみるみる土の中に吸い込まれてゆき 泣いたことのない、おとなみたいな顔になってしまった あっという間に ぼくには欲望が根付いて 息をしている 呼吸が荒いと思えば 目線の先にはあの子がいた 笑っているわけでもなく 泣いているわけでもない そういう無防備なとこが好き なんていって 夜はべつの顔 それはそう、 わかっているのだ ぼくの下心が 見え隠れしているけれど そう、 わかっているのだ ほんとうは みえみえなのだということ ほんとうは ぼくが考えることなんて 数えるほどしかない ああそう ぼくは頭がよくないので テスト以外でも0点ばかりとった ほんとうは ぼくは黙っていたいだけ なのに、 わがまま ぼくを認めてほしいだけ ほんとうは たったひとつしかないから ほんとうは たったひとつしかない ほんとうは たったひとつ ぼくはその子の 瞳の中に入りたかっただけ かなしくなるから目をつむれない きみのまつげがゆれている 今にもこぼれ落ちそうさ ぼくが、ぼくの、それ ただしいことなんてなんにもない、 そんなふうに思っている ぼくが正義の味方だなんて ばかげたことを思いつくなよ ---------------------------- [自由詩]それでもぼくはきみをみていた/ゆうと[2008年9月22日15時18分] アールとエルの発音がちがう、 ちがうから 右目なのか左目なのかわからない ぼくはどちらでもきみをみている つもりでも いつの間にかかたよってしまっていたみたい 愛とか恋とか そんなのに埋もれちゃったら、さ 現実がみえなくなっちゃいそう だってぼくは泳げないから 溺れていくだけなんだと思う だってぼくはとても弱いから 、言い訳にして 傷つかない方法ばかりをさがしてる 右目をかくして 左目でみる みえる、みえない、みえない はい、0.3 左目をかくして 右目でみる みえる、みえない、みえない はい、0.3 きみは、そう ぼくをどんどん迷わせる まるで 森の中にいるようだ だれも導いてくれないから ぼくはひたすら歩いているんだけど 夜になると真っ暗で 歩けなくなってしまうから しょうがないから土の上で寝た そしたら、そしたらね 次の朝ぼくは うすむらさき色の花を咲かせていた! 両目をとじたら きみが笑ってた なんだ、ぜんぶしってたの がっかりしたら きみは首を振った (((ほんとうは、これから))) この感情はなんなのか、とか この風景はどんなのか、とか 名前をつけちゃうと かなしくなるから ぼくは黙ってた そんなときも どんなときも 空はずっと青色だったって それだけ ---------------------------- [自由詩]夜行列車/ゆうと[2008年9月24日10時34分] 夜は暗いから 目をつぶっていたらもったいない! そういって起こされた でも自然と 嫌じゃなかった 星が見えなくても 何も見えなくても 誰かの夢が転がってる オーロラの日みたいに 今日は寒くないし 息も白くないけど 寝返りを打った あの人だけにきこえる声で ぼくはうたうよ 夜行列車に乗ってゆこう ポケットに飴玉だけ入れて つまらない占いをしよう いちごだったら明日は晴れで レモンだったら明日はくもり ぶどうだったら明日は雨で ハッカだったらきっと雪さ スクリーンの裏側で ひそひそ話をしている あの人が好きなのは ばらの花じゃなくガーベラだって そんなことをきいたから ぼくはいてもたってもいられなくなって 花屋に駆け込んだんだった あの人を連れ出すために いくつもの嘘を考えたけど ありえないよなっていつも 何もしないまま夕陽が沈んだ そういう日々にうんざりしたから 今日からぼくはすこしだけ ひとことだけ多めに話した 夜行列車に乗ってゆこう キャラメル味のポップコーンがはじける ひとつだけ塩味の はずれがあったので ぼくはそれをあたりだと思った そうしたら 生きるのがすこしだけ 楽しくなるんじゃないかって 思ったんだ そう それはとても ありがちなTVドラマのワンシーンだったけど バックグラウンドミュージックはずっと モノクロピアノの音だったんだ ---------------------------- [自由詩]ゆれる/ゆうと[2008年9月26日13時43分] たいようが しずんでいくのを ずっとみていたい うみのほうで かぜにふかれて こころをなくしてみたい ・ キスなんか されなくたって わかってるよ きみが平常心でいられる そのわけを ぼくはぶち壊したいと おもう ・ 答えが見つからないときって どうしたらいいんだろう さまよって さまよって さまよっているけれど でも 前向きのつもりだよ ・ 懐かしい歌 引っ張り出して 泣こうと思ったけど 涙が出なかった ・ さびしい さびしいけど そんなことだれにもいえないから きみは なにもしらなくていい いいから ふつうのかおで ぼくのなまえをよんでほしい ・ こういうのもぜんぶ よわいからなんだとおもう わかっているけど わかっている、けど ・ なんでもないのに なんでもないのに なんにもないから 泣きそうだ ---------------------------- [自由詩]さよならトワイライト/ゆうと[2008年9月30日13時27分] トワイライト、トワイライト きみはそうしてすぐ消える これが夢だとしても ぼくは忘れられない きみはおぼえていないのに ぼくだけが引きずっている トワイライト、トワイライト きみはそうしてすぐ消える いつまでも こうしていられないのは わかっているから わかっているから トワイライト、トワイライト きみはそうしてすぐ消える 泣きながらぼくは 赤い糸を切った さよならトワイライト ---------------------------- [自由詩]カプチーノ/ゆうと[2008年9月30日17時35分] 夢の後味は 雨上がりに似ている ほんのり苦い香りが 漂っている 今 目をつむって 吸い込んだ すこしだけ 肌寒く 目がさめる 寝癖のまま 笑顔とか そういうのは 全部溶かしてしまって 今 なにもなくなった ちいさく ゆれて 電線の雨粒が 落ちた ぎゅっと 誰かが ぼくの胸を掴む 振り向いたけど 誰もいない 誰もいない ひとりぼっちだったの 忘れてた へいき 平気だよって 強がっていないと 強くなれないんだ ぼくは弱いから ぼくは 弱いから そうやって まだ 迷っているけれど 結果は同じ わかってる いつかは終わる 終わるから さよならはいつも ポケットの中にある 気のせい 気のせいなんだって 言われなくても わかってるよ 気のせい 気のせいだけど 気のせいでいいって 思った 思ったんだ ---------------------------- [自由詩]きみとぼくはいまここにいないから/ゆうと[2008年10月5日0時12分] きみとぼくはいまここにいない。 いない、いないから なんとなく、すきだなって おもうんだと、おもう。 ほんとうは、ほんとうは たださびしいって、だけ なんだと、おもう。 ---------------------------- [自由詩]新しい日/ゆうと[2008年10月5日1時33分] きみに好きって言ってもらえないのなら ぼくは一晩寝るとしよう そうして起き上がったときには 外も、内も きみの家も、ぼくの家も あたたかくなっているといい それは 満たされなくてもいい すこしだけでも 抱きしめられたらいい ああ ぼくは 新しくなりたい ---------------------------- [自由詩]あこがれ/ゆうと[2008年10月5日1時50分] ねむる、ねむるということが ぼくにとっては困難なので さびしいっていう、それだけで 誰かを好きになってしまいそう ・ この世には かなわないものばかりがあふれている それを かなしい、なんて思ってはいけない いけないよ ・ ぼくの愛情を 誰も欲しがらないことくらい わかっている、つもり だから、あきらめるっていう さっきからその言葉ばかりが ぼくの中で渦巻いている ・ なんにも なんにも考えないで 答えを出したい そんな無理な話 ---------------------------- [自由詩]途方に暮れる/ゆうと[2008年10月6日0時17分] どこにもいない ぼくを探してる どこにもいないのに 探している なにをみているの なにもみていない いや、ちがう なにもみえていない なにひとつみえていないのだ どこにもいない ぼくを探してる どこにもいないのに 探している どうしようもない どうしようもないなら どうもしないさ どうしようもないから どこにもいない ぼくを探してる どこにもいないのに 探している そうしていつか 途方に暮れる はじめからなにも望まなければよかったっていうそれだけ ---------------------------- [自由詩]チョーク/ゆうと[2008年10月6日17時14分] ふと 気がつけば むずかしいことばかり 答え合わせを したがってる まちがっていないか 不安で 不安で だけどどれも ただしいとは おもえなくて さまよってばかりです だれにも ぶつからないように 歩くことが精一杯で 涙をぬぐう術もわからない ぼくは ただ単純に 頭を撫でてほしいだけ 抱きしめてほしいだけ それが うまくいかないから 願ってしまうのです かなわないと わかっているのに どうしても 願ってしまうのです 不安定で かまわないから 安心が ほしいのです ---------------------------- (ファイルの終わり)