ゆうと 2008年6月1日22時17分から2008年7月16日16時07分まで ---------------------------- [自由詩]ライトブルー、ライト/ゆうと[2008年6月1日22時17分] うすいあおでゆびをきった やましいこころ、あばいて なみだめで、まだよくみえないころ きみはこれからどこへいく ぼくとこれからどこへいく? ライトブルー、ライト あけがたの、ほしになる めがさめたら めだまやきをたべよう ねむるまえに そんなやくそくをした ---------------------------- [自由詩]宇宙のすみっこ/ゆうと[2008年6月2日0時25分] ぼくの 居場所は 宇宙のすみっこ 秘密基地 だから 宝物が いっぱい 奪ったり しないなら 遊びにきても いいよ さびしくて 泣きたいなら ここにきても いいよ ---------------------------- [自由詩]薄目/ゆうと[2008年6月2日12時55分] あまいあまい ねむりのあさい ゆめをみていたの そう、きみのゆめ コーヒーに ミルクをたくさんいれて おさとうをとかしたみたいに なんだか ねぼけている はくちゅうむみたい とんでいくのは しろいとり きえてなくなるまで おいかけた めがさめるのが こわいなんて ぼくはまるで しにたがっているようだ ---------------------------- [自由詩]The world is not mine/ゆうと[2008年6月4日17時52分] 手に入らなかったもの これ あれ それ きみ うつくしかったのだ ほんとうは すばらしかったのだ 世界は そういうものだと思っていた 雨が降って 風が止んで 晴れて虹が出て それが当たり前のように 繰り返されている 色褪せていくことも知らずに --- ワールド - イズ - ノット - マイン --- それも いつかは 終わっていくのだ ---------------------------- [自由詩]雨粒/ゆうと[2008年6月5日15時20分] いつからか きみは かえらなくなった そのことに 気づいたのは つい最近だった 雨がまた 降り出したよ ぼくはまた 歩き出さなきゃ ---------------------------- [自由詩]ゆびきり/ゆうと[2008年6月6日23時33分] ゆびきりすると あいまいな きいろがいなくなる 、むらさきも ぼくたちは みえないもので つながってる あいたいときに あえないのは きっとそのせい 、だから たまには ないたり してみてよ そうしたら きっと あえるから ゆびおりかぞえて きみをまってる すこし 、つらいけど すこし 、たのしいよ ---------------------------- [自由詩]落下する星/ゆうと[2008年6月7日22時59分] 真夜中のはなし ぼくは窓辺で涼んでいたら ぼくのピックが (ポケットからこぼれ出て) となりで眠っている女の胸を裂いた そうして 闇がひろがっていくのを ぼくはただ見ていた 銀色の音を奏でながら 星が点滅しているのだ まばたきをすると 星は落下していった 死んでしまったようだった 女のからだは浮いている しずかに寝息をたてている ぼくは起こさないようにと やさしくピックを抜いてやった すると 闇は女の胸へと吸い込まれていき 女のからだはベッドの上に置かれ 窓の外で突風が吹いた (雨のにおいだ) ぱらぱらという音とともに降ってきた ぼくはそれを見ていると 女が寝返りを打ったので 窓を閉めることにした 鍵に手をかけると 窓の外ではフラッシュが焚かれ ちいさく(どかん)と音が鳴った ぼくはカーテンを閉め 何事もなかったように ベッドのなかへともぐりこんだ 目をつぶると数秒で ぼくは眠りに落ちていった ---------------------------- [自由詩]スローリー、スローリー/ゆうと[2008年6月9日22時38分] ああ いま きこえるのは 銃声 の ような きみの声 地球が回る  (slowly,slowly) 梅雨空の下  (slowly,slowly) 足取り重く  (slowly,slowly) 8ビート刻む (slowly,slowly) おだやかな 海で そっと 手をつないで 夕陽を 見ていた ゆっくりと 海にとける 夕陽を ぼくらはただ 見ていた ただ それだけで ぼくを酔わすには 充分だった アルコールに 弱いんだって きみは 頬を赤らめて 言っていた あのときの 笑顔は 忘れてしまった 地球が回る  (slowly,slowly) 梅雨空の下  (slowly,slowly) 足取り重く  (slowly,slowly) 8ビート刻む (slowly,slowly) ああ いま きこえるのは 銃声 の ような きみの声 ---------------------------- [自由詩]かげぼうし/ゆうと[2008年6月12日0時39分] 近づいたら 遠ざかる きみの性格 よくわかる かげぼうし 踏んづけて 石蹴りしながら 帰ったよ おいしそうな においがしてる 焼き魚かな カレーもいいな 夕陽をあびて あの子の家 ちょっと寄り道 してから帰る ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]創書日和「扉」/ゆうと[2008年6月12日10時00分] どこにでもある扉を開けると、そこは一面の花畑で、僕はここで死にたいと思った。 ---------------------------- [自由詩]aisare./ゆうと[2008年6月13日0時33分] 向こう側で 蛍光灯が ついたり、消えたりを くりかえしている 向こう側で テレビが ついたり、消えたりを くりかえしている 向こう側で あなたが ついたり、消えたりを くりかえしている 壊れかけているの? いいや、それははじめからさ 夢がまばたきをする ぱち ぱち ぱち 夢がまばたきをする、と 場面が変わる (暗転) まばたきすると 世界が変わる (フラッシュ) ふらつく夜の、ミュージック DISC 1 : instrumental DISC 2 : sentimental DISC 3 : demo 夜を、明かそうか 秘密を、ばらそうか 種を、明かそうか あなたを、ばらそうか 叩きつける雨のせいで 声が聞こえない 愛されてんの 愛されたいの 愛されたいとか 思ってない 思ってないでしょう ねえ ---------------------------- [自由詩]恋と退屈/ゆうと[2008年6月14日23時27分] しらないことを 反芻して、 反芻して、 のみこむ ひさしぶりに 読んだ日記が このあいだと 同じだった 変わらないのは 止まった時計 時差がまったく ないのです 音楽のせいで、 ぼくの思考は 乱れていく ただしさ、 とはなにか 恋と退屈 くりかえして すこしおとなになったとしたら あの頃のきみに すこしはすきになってもらえるかな まるで意味がないけれど、 だれかをすきになったことは いつまでも胸から消えないのです ---------------------------- [自由詩]I'm sleepy!/ゆうと[2008年6月17日21時52分] ねむいねむいねむい! は じ け と ぶ すいま! スイミングして まくらなげしてる あいつらにげきとつ! あくびしてあくびしてあくびして ああたいくつ! あなたいくつ? Answer:17 まだあおいそら いまのうちにぼくら えいえんの おやすみなさいをしたい ---------------------------- [自由詩]きみのサードアイ/ゆうと[2008年6月17日23時17分] きみはおとなだな ぼくのもたない目をもってる すこし、うらやましくて、くやしい なんだよ、おとな、なんて いいことなんか、ないよ サードアイは、泣かないんだって 決して涙を見せないんだって だからって笑ってるわけでもないの なんたって、おとな、だからさ おとな、なんてねえ 捨て去りたい現実そのもの こども、なんてねえ なりたくてなるものじゃあ、ないね ---------------------------- [自由詩]狂想曲/ゆうと[2008年6月19日10時28分] きみのうたううたがすきだった なまえもしらないうた、 ぼくのむねをかきたてる きみのうたはそう、 だれのものでもないやつだった いつもなんのまえぶれもなく、 はじまるのだった そしてとつぜん、 おわるのだった そうしてきみはとおざかっていくのを ぼくはじんわりとかんじていた だからぼくはいつもそのうたに、 ふれていたいとおもったのです ---------------------------- [自由詩]Cui Cui/ゆうと[2008年6月24日0時08分] だれかがしんだとき おわるなにかがある こころのなかにぽっかりとあく あなたのスペースは なににもかえられない たいせつな、たいせつなものです いなくなったのに いなくなったきがしなくて いなくなったわけではないのに いなくなったきがしています いま、とてもへんなきぶんです てんごく、とかそういうものは かんがえてもいなかったけれど やはりかんがえてしまうのです あなたはどこへいってしまったのだろう、と うけとめる、とはなにか なくこと? それともわらうこと? わからないけれど ぼくはいま、かんがえています たしかにあなたがげんじつからいなくなったこと、と たしかにあなたがこころのなかにいること、を こうやって、ぶんしょうにおこすことによって さいかくにんしています 死と生は とてもはっきりしているもので どこかぼんやりしているものなのかもしれません いま、そうおもいました だれかがしんだとき うまれるなにかがある それはたしかにしあわせでした いまもたしかにしあわせです ---------------------------- [自由詩]一歩進んで二歩下がってもまた三歩進めばいいのさ/ゆうと[2008年6月25日13時22分] ぼくはそう、 そのまんまでいるから きみもそう、 そのまんまでいいのさ そのなみだが いつか希望に変わって 生きることにつながれば いいなあと思うんだよ きみには すこしでもながく 生きてほしくて すこしでもゆっくり 歳をとってほしくて 1秒を10分にするくらいに あわてることはないんだよ 、、、 なんて ぼくはいつも ずるいやつで 自分のことしか かんがえてないから きみにそう言いながら ぼくにそう言い聞かせているのさ ぼくはそう、 そのまんまでいるから きみもそう、 そのまんまでいいのさ そう、 変わる世界はこの手にあるのさ ---------------------------- [自由詩]星命/ゆうと[2008年6月28日21時00分] 星が消滅するのは とてもはやくて とてもとおくて とてもゆっくりにみえた ぼくたちは 死にゆく生き物です だから いまここで おもいっきり 深呼吸をしたい まばたきをして 焼き付ける 死ぬということ 生きるということ ぼくたちは まぎれもなく 星であり いのちなのです ---------------------------- [自由詩]さよならより速く/ゆうと[2008年6月29日11時38分] さよならより速く 季節が訪れたら 離ればなれになんか ならなかったかもしれない さよならより速く 奇跡が訪れたら 僕は君について 涙を流すことはなかったのに さよならより速く 僕の足が速ければ 君を引き止めることも できたはずだったのに ---------------------------- [自由詩]文庫本/ゆうと[2008年6月30日1時03分] 言葉をゆらす 声ふるわせて aa,ああ きみに伝えたいこと あったのに、なかった 約束は ポケットの中 入れたまんま 洗濯機の中 ぐるぐる回って とけた だれにもきこえないように ちいさな文字で泣いた まっしろな痛みが ぼくのこころを襲って 消えてしまいそうさ ほんのすこしだけ なみだをながした それで今日が 終わるなら いいと思った いいと思ったんだ ---------------------------- [自由詩]かぎりなくブルー/ゆうと[2008年7月1日23時16分] 手の甲に浮き出ている静脈に あなたを感じる やさしさ とか そんな言葉では拭えない かたちにならない気持ちを ああ ぼくら、描写してゆくんだ (((かなしみに 似た味の))) そう、そんな夕闇をみた ---------------------------- [自由詩]I'm not here/ゆうと[2008年7月3日0時37分] 羽化していく 心が 闇に吸い込まれて 音もなく 消える 不在証明 書き殴り捨てた 手錠したままで りんごの皮を剥いた (I'm not here) 空中でおよぐ さかなをみていた いろとりどりの さかなを みていた さいごは みんな 青くなって 空に同化する ひとは それを 死と呼んだ みえない みえないと ひとは それを 愛と呼んだ ---------------------------- [自由詩]さんざめく、夏/ゆうと[2008年7月5日20時43分] (きこえる) プールへ出掛ける こどもたちの声 真っ黒になって かえってくる ノートには 書きかけの小説 風に吹かれて めくられていく 白いページ 蝉が鳴き始めると 蒸し暑さがいっそう増して 駆け込んだ電車は まるで冷蔵庫のよう 日焼け止めのにおいが 胸を掻き立てる 明日はないよと 赤がにじみだす 日が暮れる頃 どこからか お祭りの音 あなたは わたしの手を引いて 行ってみようと そう言って みえないほうへ 進んでいく たくさんの人の あいだをぬって 花火が打ちあがる あなたの目の中が きらきらしているのに 気がついて くぎづけになっていると どこみてるのって あなたは笑って くちづけをした (さんざめく、夏) きこえるのは夏の音 ---------------------------- [自由詩]モバイルワールド/ゆうと[2008年7月7日15時16分] いつの間にか 消えてしまった あの子はいま、どこにいて 何をしてるだろう あの頃好きだと言っていた あの人のこと、今でも好きかな 季節はループして いまは七月 戻らない時計は 記憶を操る あの子はぼくのこと おぼえているだろうか 忘れてしまっただろうか なんだかとてもさびしくて 連絡したいと思うけど でもやっぱり、できないな あの人の秘密を ひとつ知ったから きみに教えたくて 連絡したいと思うけど でもやっぱり、できないな 携帯電話は きみを近づけるけど とても遠く感じます 世界はつながっているけど 時に離れたりします 受話器の向こう側で 笑っていたきみは いまもどこかで 笑っているかな ---------------------------- [自由詩]ああ、よるがいつもよりまぶしい/ゆうと[2008年7月9日23時47分] いつもよりかなしい なにもかわらないのに いつもよりかなしい なみだすらでないのに いつもよりかなしい だからどうってことないけど いつもよりかなしい きょうがきょうであって にせものなんかじゃなくて なによりもぼくじしんが にせものなんかじゃなくて ああ たいせつって そういうことなんだな ひこうきぐもが ひとすじのせんを ひいてゆく じんわりと にじんでいくのが わかった ああ ぼくはずっと なきたかったのだ とうめいのかんじょうが あふれて ほおをつたって おちる ああ よるが いつもよりまぶしい ぼくはからっぽで だけどみたされていて あいしたいとおもったのです この せかいを ---------------------------- [自由詩]創書日和「音」 夕立/ゆうと[2008年7月12日15時18分] 夕立は、ぼくのことなんか忘れてる。 低い声で、かみなりが鳴いている。 さっきまで明るかった空が、とたんに表情を変えた。 なんだろう、よくない雰囲気がする。 まなざしが暗い、落ち込んでしまった人のようだ。 天と地の間を、風が掻き回している。 ざわざわ、ざわざわ、と、胸騒ぎみたいな音。 ぼくの心を乱していく。 雨が、音をたてて降ってきた。 ぴかり、と空が光る。 ほぼ同時に、空がうなる。 あああ、ぼくは自転車に乗って、アルバイトへ行くはずだったのに。 夕立は、ぼくのことなんか忘れてる。 そう簡単には止んでくれないようだ。 閃光、のあとに、轟音。 雨は降り続いている。 憂鬱になる、一歩手前くらいで、外はだんだん静かになってきた。 かみなりが遠ざかっていくにつれて、雨は数を減らしていく。 夕立は、ぼくに気づいてくれたみたいだ。 どうやら、ぼくは自転車に乗って、アルバイトへ行けるらしい。 よかった、と思ったと同時に、夏が来たのだと感じた。 つかの間の出来事だった。 ---------------------------- [自由詩]おいしいところ/ゆうと[2008年7月15日0時54分] あのこは おいしいとこだけ 奪ったね ドーナツの 半分かかった チョコレート みたいな感じさ ぼくが好きだって 知ってての ことだったんだろうか なあんて あのこは おいしいとこだけ 奪ったね ドーナツの 穴みたいな 空洞の 気分さ ぼくが好きだって 知ってての ことだったんだろう なあんて 今更ながら 思ったよ ---------------------------- [自由詩]糸/ゆうと[2008年7月15日22時24分] 僕の寂しさがつれてくるのは一体誰なんだろう いくつもの星がまたたいて 名前も知らない夜がひろがってゆく なにかに、つながっている糸を引いた 君を探しながら、 ---------------------------- [自由詩]嘘と半分/ゆうと[2008年7月16日15時59分] あの子の言うこと全部が でたらめだったらいい そうしたら 僕のこと半分くらい 信じられそうさ ---------------------------- [自由詩]あの、白いページ/ゆうと[2008年7月16日16時07分] しりたくもないことばかり、しってしまう。 ぼくはめをつむっていたい、ずっと。 ねむっていれば、いつか、かみさまがむかえにくるんじゃないか。 そんなきがするんだ。 でもそれはきっと、げんそうなんだ。 しりたくもないことばかり、しってしまう。 こどものころにかいたえを、いまはもう、かけないんだ。 ---------------------------- (ファイルの終わり)