ゆうと 2008年3月23日21時28分から2008年6月2日0時25分まで ---------------------------- [自由詩]創書日和「鳥」/ゆうと[2008年3月23日21時28分] とりになって きえる ら く え ん へ あわく はかなく しんでいく ぼくはそこで つばさをすてた ---------------------------- [自由詩]楽園で君を手放す/ゆうと[2008年3月24日0時30分] 楽園で君を手放す ふわりと 花畑のにおいがする 白いシーツが 風に舞う ああ 僕が夢見た光景は こんな風だったんだ さよならは言わない 君とのお別れ ありがとうだけ、あげる ---------------------------- [自由詩]夜明け前/ゆうと[2008年3月28日22時01分] 夜はすこしだけやさしくなる 引っ掻いただけで感傷 君の目に 星が浮かんで 流れてく またたくたびに 鮮明になる 闇の世界で光がおよぐ さかなみたいに息をしている しずかに しずかに 誰も起こさないように 透明で ひんやりとした 風が吹く 掴めそうだけど 掴めない影 薄くなっていく色素 朝になっていく アルビノ アルビノ 泣かないでいいよ ---------------------------- [自由詩]GUILTY/ゆうと[2008年3月30日21時57分] ねえどうしてこんなに胸が苦しいの ぼくたちを巻き込んでは、はなして くりかえされるのは、夕立 あやまちをおかしたのは いつだったか、もう おぼえていないのです きみが好きで よかったことばかり 思い出すのです ---------------------------- [自由詩]ロックンロールという言葉死んでしまえ/ゆうと[2008年3月31日19時14分] さむいからあったまることにした ごくごく自然なそぶりで 今は春? そう、鬱 ぼくはのんきにギターを弾いてる きみは今頃なにしてる 夕飯はいらないから 音楽でも聴くことにする 毎日こんな生活で 飽きないのってよく言われるよ それがそうと きみの生活はどんなだい ぽしゃん、。 誰かが石を投げ入れた ここはバスタブ おぼれる前に助けにきてね 誰もいなくなった 誰もいなくなった おにごっこも かくれんぼも やめにしよう だから出てきてよ、みんな みんないるんでしょ? 惑星は回り続ける ぼくらが呼吸をとめても 惑星は回り続ける 狂ったように さん、はい ---------------------------- [自由詩]アプリコットジャム/ゆうと[2008年4月1日1時21分] アプリコットジャム きみはぼくを捨てよう アプリコットジャム やさしげな毎日 アプリコットジャム 季節は流れる アプリコットジャム ぼくを忘れて アプリコットジャム 世界は回ってる アプリコットジャム アプリコットジャム べたべたに塗りたくって 食べたいな 食べたいな とっても おいしいんだ ろうな ---------------------------- [自由詩]ロックンロールにくちづけを!/ゆうと[2008年4月2日20時56分] ころしてみせろよぼくのこと! なんて エイプリルフールでもない日にかぎってうそをおもいつくんだ。 ぼくのあたまはいかれてるよ。 キルミー、キルユー! そんなうたがきこえてきそうだ。 これはロックンロールじゃない、だけどなまえがみつからないから、 ぼくはしょうがなく、ロックンロールをくちにする。 すべてがそれでいいとおもうなよ! しんじるまえにうたがえ! ロックンロールにくちづけを! なんてばかげたうたなんだ! ---------------------------- [自由詩]おなじ白い紙、だけどちがう。/ゆうと[2008年4月3日2時10分] すてきな言葉がかきたいと、そう思ったのです。 できることなら絵をかきたいと、思ったのです。 すばらしい日々は、あふれているのです。 でも、それは、ありふれてはいないのです。 光にあふれて、 色にあふれて、 春は何を連れてくるんだろう。 ぼくのもとに、また春がくる。 くりかえす季節は、決して同じものではないのです。 ---------------------------- [自由詩]シャイニー、シャイニー/ゆうと[2008年4月3日14時49分] みずのなかでいきをしている さかな りくのうえでいきをしている ぼく そらにういていきをしている とり なにがちがうって なにもちがわない いきているものみんな せおっている いのちというものは くらべものにならないくらい まぶしいのです おつきさまは おひさまがないと かがやけないのなら おひさまは おつきさまがいないと かがやけないということにしましょう ちきゅうもそのひとり ぼくもそのひとり さかなもとりもそのひとり みんながいるから かがやけるのです ---------------------------- [自由詩]すいせい/ゆうと[2008年4月5日22時48分] ほうきぼし ほうきぼし ぼくはつかみとる ほうきぼし ほうきぼし 油性ペンで名前を書いた ---------------------------- [自由詩]遊泳禁止/ゆうと[2008年4月6日22時46分] ぼくたちはおぼれていく 息ができなくて、 そんなときに浮かぶ顔はいったい、 だれなんだろう きみは、 さびしくなったらだれを思い出すんだろう 携帯電話の送信ボタンを押せないほど、 好きになったことはあるんだろうか そんなことを思った 春の夜 流れゆく ああ、 裸足で駆け出したいな ビルの群れをかきわけて 海へ行こう 海へ ---------------------------- [自由詩]ぼくと宇宙/ゆうと[2008年4月9日22時33分] 言葉を発しても誰も反応してくれない寂しさ。 跳ね返ってくる孤独。 つまらないつまらないつまらないつまらないってそればかりで虚しくなった。 からっぽになっていく。 心が、すかすかになっていくのがわかる。 からっぽになっていっているはずなのに、重くなっていくから不思議だ。 黒いもので埋め尽くされていく。 虚無という言葉には、無限の宇宙という意味もあるらしい。 そのせいだろうか、夜になると虚無をよく感じるんだ。 ぼくには、心にははかりしきれない宇宙が存在しているように思う。 ・ うまれたときに ぼくがはじめてのみこんだもの それはうちゅう ふゆうしている わくせいと ともにいきてる ぼくのこころ ・ ぼくはこころで こころはぼくだ こころは宇宙で 宇宙はこころだ ---------------------------- [自由詩]創書日和「神」 かみさまの存在理由/ゆうと[2008年4月13日1時05分] かみさま、 かみさまはつくるもの だれかがつくったかみさまなんかを あいつらはしんじきっている ぼくはみえないかみさまなんかをしんじるより いまめのまえにいるきみをしんじたい かみさま、 かみさまってなんでいるの? おしえてよ ぼくがいきていることのほうが よっぽどリアルだ だから、 ぼくはかみさまを棄てた ---------------------------- [自由詩]羽のないぼくら/ゆうと[2008年4月15日20時39分] うまくいかないことばかりだ それでも地球は回っている めまぐるしい日々 ぼくらはすこしだけ息を止めて 飛んだ ---------------------------- [自由詩]傘のない日/ゆうと[2008年4月17日20時17分] 影を追う 背に 張り付いている 孤独 夜になると 向き合って 数え切れないほど 泣きました 水たまりに 光る 希望 そこには 自分の姿が ちゃんと 映っているか 雨が上がった頃 見に行くのです 明日が来るか来ないかを 花占いで決めました 上を向いたら 雨粒が ぼくの口に 入りました 味のない 飴でした ---------------------------- [自由詩]夏、刹那/ゆうと[2008年4月19日23時45分] プール プールに浮いている罠 ぼくは見抜けない きみに囚われた 風 なびく たゆたう におい プール プールに沈む眼が ぼくを見ている 空 見透かして 風 なびく たゆたう におい ゆっくりと 浸水していく はだかの足が ふらついて クロールして クロールして 息継ぎをして きみを見て まぶしい しぶきを かきわけて ひかりを 吸い込む 一瞬で 視界のすみで ぼくを見ていた きみの眼が きみの眼が 焼きついて はがれない こげくさい 胸の奥 風 なびく たゆたう におい ぼくたちの 夏は こんなにも 刹那です ---------------------------- [自由詩]頑張り方を知らないぼくらのために/ゆうと[2008年4月21日16時28分] 頑張ってない そんなぼくだって ほら、 頑張り方がわからない そんなきみだって ほら、 生きてる 手だって動くし 感情だって揺れてる 頑張っていない人なんかいないって ほんとうにそうだと思ったんだ だからこそ頑張ってって言うんだよ 余計なお世話だなんて言わないでね 頑張り方を 解らないまま 頑張っている 君が好きで ほんとうにそうだと思ったんだ ---------------------------- [自由詩]雨にぬれる/ゆうと[2008年4月27日0時29分] あめがふる あめがふる ぱらぱらと かさにのる あまつぶが こぼれて みずたまりが できる どんよりとしたそらに うかぶぼくのかおはうつろ あかいかさだけが げんじつみをおびている しろくて すこし とうめいな えんぴつで たくさん せんをかいた ように ぼくのめに うつって そしてきえる にじむせかいが なみだににている このまちは あめにぬれて そのなかに ぼくがいて ないていないのに ないていないのに ないていないのに ないているみたいだ ---------------------------- [自由詩]開かずの踏切/ゆうと[2008年4月30日21時57分] なにもきかない なにもきかないで ぼくの目だけ見て ・ 遮断機がおりる ぼくの前で 引き裂かれる 地図の裏側は ただ白いだけじゃなかった ・ 指のすき間から 光がこぼれた 手にしたものはみんな 安物だったけど それでも大事にしてた しがみついていた ・ 疲れたんだって 言って あれ 元気になれない ・ 踏切の前で ずっと 考え事してた あの音は 耳鳴りだと思ってた なんでもない いつものことだと思ってた ・ なにもいらない なにもいらないから ぼくを絶望させてくれ ・ 音楽を聴いていた それだけのこと それだけのことで 泣けないだろう 普通は ・ ねえ おかしいんだ おかしいことに 今頃気づいた 狂っていたのだ 世界が ぼくが ・ 踏切の前で 踏切の前で 踏切の前で ずっと ---------------------------- [自由詩]光の子/ゆうと[2008年5月1日18時16分] あのこの スカートの プリーツを 風が ほどいていく その 光景を いつまでも 忘れられない あのころの ぼくたちは 輝いていて まるで かみさまに 味方されている ような そんなふうにも 思えた いつの日か 転ばなくなって めずらしく 膝をすりむいた あの日から なんだか おかしくなった 空は いつも 薄い雲に覆われていて いつ雨が降っても おかしくないような日々 そのころに 見た あの光景は とても ふしぎだった 川原を歩いていたときに あのこがいるのを見つけたんだ すこし立ち止まって あのこを見ていると 空が動きだして 雲のすき間から 光がこぼれていって さらりさらりと どこからか流れてくるように 風がぼくたちを巻き込んでいく そうして あのこの スカートの プリーツを 風が ほどいていく ぼくはただ その 光景を ずっと 見ていた 脳裏に 焼きついていく感覚 すこし 焦げ臭いにおい ぼくは ふ、と 目を伏せると 涙が こぼれた そして ぼくたちは ここで 終わるのではなく はじまるのだと 気づいたんです ---------------------------- [自由詩]水色ジェネレーション/ゆうと[2008年5月1日20時54分] 何をしても ぼくの未熟さは消せない むずかしいね、はずかしいね って言いながら ぼくたちは日々をくりかえすのです あのこのことを好きな理由は いつの間にかなくなっていた だけどときどき あ、好きだな と 思う瞬間があるのです きまぐれなやさしさ ぼくを惹き止める 力があるのです きまぐれなやさしさ 胸がぎゅっとなって 放たれるのは 、 ぼくたちは何の色にも属さない しいていうならば水色 誰かが勝手に決めた色 そのなかの自由で ぼくたちは息をくりかえすのです ---------------------------- [自由詩]はじめてきみに恋をした/ゆうと[2008年5月6日15時26分] 「落ちるほどの恋」 きみが、きみが 目の前から消えない つなわたりみたいに ふらふらしてる 落ちてしまったら きっと元には戻れない 「溺れるほどの恋」 みずうみに、しずむ あの星みたいにさ 輝けるなら ぼくは泣いてもいい 「焦がれるほどの恋」 光が射すほうへ 向かっているなら 虫みたいなちいさな夢を ぼくはなくさない 「蕩けるほどの恋」 きみは太陽で ぼくは月で そう、バターみたいに 明日の夜には姿をなくすだろう 「はじめてきみに恋をした」 まるで、 初恋 みたいな 恋だ ---------------------------- [自由詩]日々の泡/ゆうと[2008年5月8日22時35分] なにもどうもしてないさ それがほんとうのぼくというのなら なみだでぬれてはいないかい ニュースがあふれている、いま 新聞、テレビ、それとインターネットも いま、踏んだコンクリートも きっとだれかが踏んでいた ゆらぐ 日々、視界、世界 消えていく なにもどうもしてないさ それがほんとうのぼくというのなら ---------------------------- [自由詩]遺書への手紙/ゆうと[2008年5月16日2時50分] 死にたいって思うことは 悪いことじゃあないよ ほんとに、ほんとにさ つらいときはしょうがないんだ そういうときは 誰かそばにいてくれるといいんだけど なかなか、うまくいかないもので 当たり前かもしれないけれど ぼくの心を汲み取ることはできない だけど ねえ そんなときぼくは 死ななくていいよって言ってほしい ぼくが今ここにいること、生きていることを すこしでもいいからゆるしてほしい だから 今泣いているかもしれないあなたも 死ななくていいよ 理由はなくても 生きていてください そうやって ぼくのさびしさや、あなたのさびしさが すこしでもやわらげばいいと思うのです ---------------------------- [自由詩]たましい/ゆうと[2008年5月19日22時29分] 人はどこへゆくのだろう このまま このまま みえないところまでゆくの、 こころが ふらふら さまよって 今日も きみのもとへはゆけない ---------------------------- [自由詩]創書日和「器」 つなわたり/ゆうと[2008年5月20日20時40分] 器用な きみでさえ 泣いている 恋は 単純で むずかしいのと きみは言う 不器用な ぼくは そんなきみを 好きになりそうで ああ だめだ と からっぽの 頭を叩いて 曖昧な 嘘をついた 夏の大三角形が 見え始める頃になると 思い出すんだ つなわたりをしていた ぼくらは ふらつきながらも きらきらしていた ---------------------------- [自由詩]傘/ゆうと[2008年5月31日23時56分] 約束は 守るよ だから 約束は できないよ そういって なんだか かなしそうに 笑う きみが よく 見えなかった 、 傘のせいで ---------------------------- [自由詩]雨宿り/ゆうと[2008年5月31日23時59分] 雨宿りをしている間に ぼくらは近づいて それと同じくらい ぼくらは遠ざかった ---------------------------- [自由詩]ライトブルー、ライト/ゆうと[2008年6月1日22時17分] うすいあおでゆびをきった やましいこころ、あばいて なみだめで、まだよくみえないころ きみはこれからどこへいく ぼくとこれからどこへいく? ライトブルー、ライト あけがたの、ほしになる めがさめたら めだまやきをたべよう ねむるまえに そんなやくそくをした ---------------------------- [自由詩]宇宙のすみっこ/ゆうと[2008年6月2日0時25分] ぼくの 居場所は 宇宙のすみっこ 秘密基地 だから 宝物が いっぱい 奪ったり しないなら 遊びにきても いいよ さびしくて 泣きたいなら ここにきても いいよ ---------------------------- (ファイルの終わり)