ゆうと 2007年7月6日15時36分から2007年9月18日0時52分まで ---------------------------- [自由詩]WORLD'S END SUPERNOVA/ゆうと[2007年7月6日15時36分] 世界の終わりを見ていたかった がたりと崩れるその音を 僕は見ていたかった かなしみが舞う様を 希望に見えた気がしたんだ ---------------------------- [自由詩]星のオルゴール/ゆうと[2007年7月7日21時09分] 君がくるくる回す 星のオルゴール 星座が今日も輝いて 明日は晴れだと告げている 僕がくるくる回す 星のオルゴール 星座が今日も輝いて 今は夏だと告げている 君がくるくる回す 星のオルゴール 新しい星座を作ったの そう言って僕に聴かせる 僕がくるくる回す 星のオルゴール 僕ら死んだら星になれるかな そう言うと君はくすりと笑う くるくる回す 星のオルゴール 君と一緒の星座になれたらな 僕はもう 夢なんか見ないさ ---------------------------- [自由詩]天の川/ゆうと[2007年7月7日23時32分] ちりばめられた星 かみさまの忘れ物 引き裂かれた恋は 運命という紛い物 きらきらひかる 宝石みたいな 星 きらきらひかる 思い出になった 恋 さようなら あいしてる 同じ意味を持つことば こんなはずじゃなかったのに きっと かなしくなんてないんだ ただただからっぽなんだ きっと さびしい、なんて言ったら きりがないからやめた またいつか会える日には 笑っていられますように ---------------------------- [自由詩]はくちょうとみずうみ/ゆうと[2007年7月8日21時16分] つまさきを ぼくのよわみにつけこんで かなしそうにわらうの きみは あいをしっているんだろう それなのに ないしょってくちをふさぐ ぼくは あいしているよとうそをつく きみは ありがとうっていうだけ いうだけ ぼくはなにをきたいしていたんだろう ゆびさきを きみのよわみにつけこんで すこしほっとする ぼくを とがめてくれないか ぼくを ただしてくれないか もとのすがたへ いけないよ いけないよって だれかのこえがするんだよ ずっと ずっととおくのほうで だれかのこえがするんだよ ---------------------------- [自由詩]恋のろうそく/ゆうと[2007年7月11日19時38分] 燃え上がる恋を吹き消した 君の冷たい言葉 君の冷たい態度 それでも再び燃え上がる恋 片想いでもいいよ ---------------------------- [自由詩]夕空/ゆうと[2007年7月12日17時55分] さよならは、さびしいことだ。 だけど、かなしいことじゃない。 お別れは、さびしいことだ。 だけど、かなしいことじゃない。 かなしいことなんかじゃないから、 ぼくは上を向いて、空を見るのです。 いつだってぼくを見ていてくれているから、 ぼくは生きていけるのです。 ---------------------------- [自由詩]ラブレター/ゆうと[2007年7月22日0時17分] おさないあいのことば かんたんにだまされた おさないあいのやくそく かんたんにやぶれた、よ きみはいつだってそう かんたんにだまして おなじように、 ぼくはいつだってそう かんたんにだまされて かんたんにやぶいた ラブレター いくつかいただろう きみをこんなにもあいしているのに それすらうそだとわらうぼくがいる ---------------------------- [自由詩]ふやけたからだ/ゆうと[2007年7月22日20時28分] おちつく 羊水のなか ぼくは息を忘れて ひとり つめたいなみだも あついあせも あめのなか走ったことも だれにもさとられない だれもはいることのできない ぼくだけのばしょ ぼくのいばしょ おちつく 羊毛のなか ぼくはきみを思い出して ひとり やさしくなるよ もうすぐ だからそれまでまっててよ つよくなるよ きみのために あいしているよ そのことばが うそにならないように つよくなるよ おちつく 羊水のなか ぼくはきょう ここを出てゆく おちつく 羊毛のなか ぼくは出てゆく ひとりぼっちでゆく きっとまた戻ってくるけれど それまでには願いをかなえて きみをここにつれて ふかくふかくしずもう なにもかも忘れて しずかにしずかにしずもう からだがふやけるまで ゆっくりゆっくりしずもう しあわせに、 ---------------------------- [自由詩](夏休み)/ゆうと[2007年7月24日18時17分] 蒸し暑い朝 目が覚めた 何もする気が起きなくて ぐうたらぐうたらしているうちに ちくたくちくたくと時計は進み お腹が減ったなあと 冷蔵庫を開けても 何もなくて ばたんと閉める カレンダーから目を外す さあ今日ははじまったばかり いつの間にか夜になっても 虫の音は止まない ---------------------------- [自由詩]リアルのない世界の中心/ゆうと[2007年7月27日10時07分] いつの日か かえらなくなったこころを抱いて 僕は今 ここにいる あの日とは違う あの人に 僕はいつも打ちのめされて 崩壊した空想の 破片を拾って怪我をして 傷から吹き出る赤い血が 僕の涙を誘っている 僕は変わっていないのだろうか それとも 僕が変わってしまったのだろうか 時の流れは残酷で いつかあなたも奪い去るだろう あなたは生きたいですか それとも死にたいですか どちらでもないですか 僕はどちらでもないです いつの日か かえらなくなったこころを抱いて 僕は今 ここにいる リアルのないこの世界の 中心に名前をつけるなら 僕ということになるだろう とてもじゃないけど 生きてる心地がしないんだ ---------------------------- [自由詩]シルエット/ゆうと[2007年7月27日19時23分] 虫の死骸 冷房で焼け死んだ カーテンの裏 君の横顔と少し似ている 僕の背中に映し出された 影は光と対等だ 好きな気持ちに 理由がないのはそのせいだ ---------------------------- [自由詩]不変世界/ゆうと[2007年7月30日10時12分] あなたが大好きなお菓子を並べたら 僕は満足するだろうか それとも悲しくなるだろうか 明かりが燈る午後6時 試行錯誤したのちの 過ちと化した告白は 届かないまま消える 誰もいない公園 息が苦しくなるだろう 息が、白くなるだろう 季節はめまぐるしく回る 一体いつまで 春の次には夏が来て 夏の次には秋が来て 秋の次には冬が来て 冬の次には春が来るの? あなたが嫌いだと言った 季節がもうすぐめぐって来ます その時僕がとなりにいたら、 自殺行為を止められるだろうか ---------------------------- [自由詩]あんず飴/ゆうと[2007年8月4日23時05分] 透明な温度を下げていく あなたのぬくもり かすかな光が胸をさす 氷のようなつめたさで 肌が焦げていく においが鼻につく 電車の中では冷房が 滝のように流れている さらさらと風鈴がゆれる 夕暮れを知らせる蜩が かなしげに鳴くのは、そう あなたとの出会いを 歓迎していないから すももに水あめを巻きつけたものが あんず飴と呼ぶなんて おかしいと思いながら 甘酸っぱさを噛み締める 涼しくなった夜の風 あなたとわたしを巻き込んでいく たぶん今日は帰れない 帰らない、のかもしれない あんず飴でべたべたになった わたしの手をあなたは握った ---------------------------- [自由詩]風の子/ゆうと[2007年8月8日22時45分] チヨコレイト パイナツプル グリコ 階段を駆け上がっていく チヨコレイト パイナツプル グリコ 階段を駆け下りていく 夕方5時の鐘 あの子は遠く 帰っていく ぼくは帰る場所などなく ひとりぼっち 取り残される さよならさんかく またきてしかく あの子はぼくの手を握って 勢いよく駆け出した ---------------------------- [自由詩]It's a dying world/ゆうと[2007年8月9日22時03分] 君の声を聴くと 絶望するんだ I hate you それでも I need you 狂っている世界 濁っていく視界 It's a nauseating world それでも It's a wonderful world ここは Live stage 僕は Living dead スポットライトをぶっ壊せ ここは Living hell 僕は Living dead ヘッドフォンをぶっ壊せ 気にするな 気にするな 気にするな 気にするな I my me mine I my me mine I my me mine It's a dying world ---------------------------- [短歌]創書日和「砂」/ゆうと[2007年8月10日12時14分] さらさらと 指の間からこぼれてく 砂は密かに熱を持ってた (風があなたをさらってしまった) 足跡が 不機嫌そうにゆがんでく 波は静かに寄せては返す (終わってしまった夏が来た) 砂浜の熱で焦げ付いた足の裏 今もあなたを思い出してる ---------------------------- [自由詩]ゆらぐ/ゆうと[2007年8月17日20時51分] かなしい さびしい つらい くるしい どんなにならべても ぼくのきもちにはちかづかない ---------------------------- [自由詩]女の子がやってくる/ゆうと[2007年8月25日23時15分] おんなのこ 女の子がやってくると 憂鬱になる とても疲れてしまうのだ おんなのこ 女の子がやってくると 不安になる とても疲れてしまうから おんなのこ 女の子がやってくると つらくなる とても疲れてしまうのだ おんなのこ 女の子がやってくると いやになる とても疲れてしまうから おんなのこ 女の子がやってくる日を 指折り待つ 歓迎してはいないけど こないと不安になってしまうから おんなのこ 女の子がやってくるのは 複雑だ 思考回路が ぐるぐるぐる 血がめぐっている ぐるぐるぐる おんなのこ 女の子は複雑な生き物なのだ ---------------------------- [自由詩]水葬/ゆうと[2007年8月26日21時47分] 骨だけになったさかなのように あいつらはしんでる 疲れちゃって ねえ なんもないの ねえ 気づいちゃったの? わかってるの? 細胞が分裂 小刻みに震えるからだ あたま 割れそう こころ 壊れそう 疲れちゃって ねえ なんもないの ねえ 知ってしまったの? わかってるの? さいしょがあるなら さいごもあるから あなたがうまれて ぼくがしぬ ---------------------------- [自由詩]僕らが生きたということを/ゆうと[2007年9月1日13時14分] 誰もが思いつく言葉を 口にしてしまったらおしまいだ あんぐりと開けた口に 飴玉を放り込んだ いつの間にか スキップの仕方を忘れて 靴の底が磨り減っていくのを感じる だらしなく 生きている あの日とは違うんだって 風がささやいている 呼吸のリズムが乱れると ショートケーキは溶けていった いつまでも 甘えていたらいけない 時とともに こっそり泣くことが増えていく 誰にも言えないことが 増えていく 大切なのは 支えあうこと あなたが大人になるたびに 僕は強くならなくてはいけない たまに逃げたくなるけれど 崩れるほうがもっと怖かった 約束しよう さいごまで 忘れないでね 僕らが生きたということを ---------------------------- [自由詩]いつかに向けた夜のこと/ゆうと[2007年9月2日22時17分] かなしいかなしいかなしい 僕が爆発する さびしいさびしいさびしい 君が爆発する 僕の気持ちは届かない 君の気持ちはわからない いつか、なんていう日は ほんとうに来るのだろうか かなしいかなしいかなしい 僕が爆発する さびしいさびしいさびしい 君が爆発する いつかに向けた夜のこと 今もまた過去をつくっている ---------------------------- [自由詩]さよならの前兆/ゆうと[2007年9月4日17時26分] 待てないの そこに いられないの 君は 死んでしまうの 目に 見えてるの? 疲れてんの くたびれてんの ねえ 君 なんでそこにいるの くたばれよ 触れなくても 感じるんだ つめたい やさしさ 寂しいんだ 君 いらないから 寂しいんだ 君 いないから 触れなくても 感じるんだ つめたい やさしさ ねえ どうしたらいいか わかんない ---------------------------- [自由詩]名前のない世界/ゆうと[2007年9月6日23時10分] ヘッドフォン 外の世界を シャットアウト 君と僕だけいればいい ---------------------------- [未詩・独白]ずっと何かに怯えてた/ゆうと[2007年9月7日0時09分] 怖いものなんてないよ みんな人間だよ みんな馬鹿だし みんな完全じゃないし みんなひと括りにはできない何かを持ってるし みんな別々だし 誰かに何かを言われようが あなたとわたしは違うんだから そんなに傷つかなくっていいよ いいんだよ みんな違って みんないいって よく言ったもんだよなあ そこにいていいのさ 周りなんて気にしなくていいんだよ そんなに怯えなくたって大丈夫 いつの間にか 誰かに何かを言われるのが怖くなって 出しゃばれなくなって 自分の意見も言えなくなった だけどそんなのおかしいよね ぶつかっていかなきゃ 傷つくかもしれないけど 大丈夫 あなたとわたしが違うように わたしとあなたは違うんです だから そんなに傷つくことはない 誰かに何かを言われようが あなたとわたしは違うんだから そんなに傷つかなくっていいよ いいんだよ これからはもっと自分を出していきたいと思う ---------------------------- [自由詩]ナミダシロップ/ゆうと[2007年9月7日17時38分] やわらかいメロディで 押しつぶして お願い 僕の中で君が渦巻いている 目が回って気持ち悪くなりそう また何かを巻き添えにして 何かを犠牲にしていく やさしいメロディで 押しつぶして お願い 甘ったるい水の中 僕はとけていった 君だけ残って 涙になった ---------------------------- [自由詩]創書日和「淡」/ゆうと[2007年9月9日21時19分] 秋になって 空がうすくなった ぼんやりとした視界に 君の姿が浮かぶ 単純な僕と淡白な君 君の言葉のひとつひとつに どきどきするんだ ゆっくりと向かおう 風吹く街へ 冷たい手と手が触れた時 あたたかくなるまぼろし ---------------------------- [自由詩]甘い水/ゆうと[2007年9月11日22時14分] さあ行こう すこしだけ 生きることを考えよう ぼくたちはもう 生きることしかできないのだから こわいものはないよ ぼくたちは死を選ばないから 負けは認めるよ だから ぼくたちはこころを強くしなければならない 甘い水がほしかった ぼくたちは微かな光を信じるしかないんだ ---------------------------- [自由詩]引き金/ゆうと[2007年9月14日17時58分] 日が暮れる 気が狂う 僕たちはいつまで 生きていられるんだろう 日が暮れて 気が狂って すべてが真面目な顔しちゃって 僕を歪んだ目で見つめている 僕たちはいつ 死ぬんだろう 神様は死んだ だけど何も変わらなかった それと一緒さ すべてが無意味に終わる ひがくれる きがくるう がなる ねころんで ひがくれる きがくるう がんきゅうがおどる ねがいはとどかない 引き金を引いた 引き金を引いたのは僕だ 引き金を引いた 引き金を引いたのは僕だ 引き金を引いた 引き金を引いたのは僕だ 引き金を引いた ---------------------------- [自由詩]ジャム/ゆうと[2007年9月17日21時55分] 先取りされる前に 先取りされる前に 殺られる前に殺れ ! ベルトコンベヤーの上 次から次へと流れてく 端から潰してく ! 108号室で起きた 殺人事件の犯人は 自分だなんて 今更言えない ! 血で塗りたくった赤い月 その下でディナーしよう ナイフとフォークとスプーンで 上手に食べよう 君の心臓 ! 急いで 急いで 急いで 行かなきゃ 急いで 急いで 急いで 生きなきゃ 急いで 急いで 急いで 死ななきゃ 殺られる前に殺れ ! ---------------------------- [自由詩]It's not death/ゆうと[2007年9月18日0時52分] さっきから失敗してばかりだ ついてないな、じゃ終われない カウントし始めている時計に かける言葉はないだろう 英語ができない 日本語もできない うまくなんてできない なにもできない 無理しなくていいよって 無理してもできないよって 無駄なんだって全部 無駄なんだって全部 死んだらおしまいさ なにかひとつでも残して死にたいって 口ばっかりでなにもしないね なにもできないくせに なにもできないくせに なんで生きてんの? なんで生きてんの? 死んだような素振りでさ なんで生きてんの? 死ねないから生きてるって それだけ 爆音の中で死ねない 朝になったら死ねない 死ねない理由はたくさんあるけど 生きてる理由は無いに等しい ---------------------------- (ファイルの終わり)